2019年2月1日金曜日

イブのいないアダム (創元SF文庫)

アルフレッド・ベスター著 仲村融訳

 (カバー裏より抜粋) 第一回ヒューゴー賞受賞作「分解された男」やオールタイムベストSFとして名高い「虎よ、虎よ」など、実験的かつ先鋭的なスタイルで知られるアメリカSFの鬼才は、短篇に於いてもその実力を存分に発揮している。

 お勧めは「ごきげん目盛り」視点はキチガイアンドロイド…のはず。「わたし」は一応アンドロイドになっているのですが、文章によってはアンドロイドになっています。そしてもう一人の主人公ヴァンデルアーも時々「わたし」になります。この混乱ぶりがこのお話のスタイル。次々と凄惨な殺人が起きるのに、すごくポップな感じで話が進む、軽く楽しめる(軽くはないのかな?)作品です。

 「旅の日記」あーいるいる迷惑な観光客…の典型な主人公の宇宙旅行。「くたばりぞこない」うーん、昔ながらのがんこじいさん(悪い意味で)。改良された人間…たぶん個性の喪失とかをイメージするタイプかな??どっちもどっちなお話。「選り好みなし」タイムトラベルなお話。主人公の妄想「色々な情報を持って過去へ行って大もうけしたり、事件をくいとめて英雄になったり」分かるよ、リーマンショックを始めとする事件を知って過去へ行って株で大儲け!!でも、実際はそうはいきませんよ+隣の芝生は青い的なお話。

 あくまで私の印象…好き嫌い…ですが、玉石混交かな。面白い作品もありますが、ピンとこない作品もあります。アルフレッド・ベスターのファン向けですね。