2017年12月19日火曜日

書店不屈宣言 (ちくま文庫)

田口久美子著
(カバー裏より抜粋) 1973年に書店員としての人生をスタートし、現在も副店長という立場で現場に立ち続けている書店ドキュメント。

 とりあえず著者が自民党とAmazonが嫌いなのはよくわかったww 村上春樹が大好きなのもよくわかった。
 私は本屋は好きなのでこの本を購入したのだけど、何だか思っていた内容と違っていて私にとっては「失敗」。こういうエッセイで政治色の強いものは嫌いなんですよ。
 内容は本屋のコーナー、棚作り等に関して、書店の過去から現在、出版社との関わり、Amazonへの恨み言です。私は田舎住まい、本屋さんは遠出しないと無い地域だったので、Amazon、その他のネット書店の存在に本当に助けられました。また本屋さんで取り寄せ注文を頼むと露骨に嫌な顔されましたから。あと、取り寄せできない(多分取り次ぎの関係だと思う)と断られることもありました。ですから、Amazonへの恨み言に「なんかなー。Amazonもアレな企業だけど、昔の書店自体の殿様商売にも問題なかったの??」と思うところ多いです。あと絵本に対する軽視…にはビックリです。あれほどブックデザインが求められる存在はないと思うのですが。
 あくまで書店視点で「私たち頑張ってるのよ」で、客からの視点が欠けている。もっとも元々考慮しないという前提だったのかもしれません。読んでいて上から視線過ぎて不快を感じるところもあります。話があちこちとんでいて読みづらい部分もあり。
 へー、と思うところもありました。本屋で実物見てネットで注文する人とか。これは不思議。欲しい本が目の前にあったらすぐ読みたいからその場で買うものだと思っていました。時代は変わったなー。

2017年12月5日火曜日

死の舞踏 (ちくま文庫)

スティーヴン・キング著 安野玲訳
(カバー裏より抜粋) 40年以上にわたってモダン・ホラー界に君臨するスティーヴン・キングのノンフィクション大作、待望の復刊!

 スティーヴン・キング…小説はアンソロジーに掲載されていた作品を読んだくらいです。私には映画の原作者という印象が強い。特にスプラッタ…。だから小説も読むのに躊躇してしまって。でもホラー自体は好きです。ですから本屋でこの本をパラッと見て「面白そう。小説ではないからグロはないだろうし」。厚みはあります。お値段も文庫としてはお高い。筑摩はお高いのが多いから仕方ありません。

 内容は多種多彩なホラー(人によってはミステリー、ファンタジー、SFに分類するものも含まれる) の解説・論評です。映画あり小説ありTVドラマあり。プロはさすがにいろいろ観たり読んだりしているなと感心しかり。興味のある書籍などでてきたのですが、さすがに絶版ばかりなのは哀しい。
 観た事のある映画、読んだ事のある小説に対して述べられている事は興味深く、もう一度読んでみようかと思いました。特にネジの回転、丘の屋敷。丘の屋敷が映画化されたTHE HAUNTINGたたり(観ているのに感想書いてないな。そのうち観直して書こう)は大好きで、読み直したくなりました。そしてこの本自体ももう一度読みたい。ただ厚みがあるので中々読み切れない、新しい本も読みたい、本好きにはあるあるな悩みですね。
 とにかく面白いエッセイで、ホラー(SF好きな人もOKかも) が好きな人にはお勧めです。若い人には古い映画・小説が多いかもしれません。私と近い年代の人にはいいかもです。