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2023年8月23日水曜日

女官 明治宮中出仕の記(講談社学術文庫)

 山川三千子著
(カバー裏より抜粋) 明治四十二年、十八歳で宮中に仕えた華族・久世家の長女、三千子の手記。
 
 表紙の写真は著者かと思ったのですが、大正天皇のご生母でした。毎日こういう出立ではないですよね。歩くのも大変そう。この時代に写真に収めるのだから、正装だと思いたい。髪型も全部地毛??ではないですよね。欧米にしても日本にしても女性の正装は大変すぎる。そして、その生活は…。
 
 天皇家が垣間見えるのが、この作品の興味深いところです。いろいろなルール、行事、そして上流社会の闇闇闇
 何を嗅ぎ取るかは読者次第。私は、宮中生活に興味があって購入しました。面白いですよ。陛下ご夫妻の関係、権典侍の存在、人間関係に上下関係。あっさりとした筆致で書いてありますが、きっともっとドロドロだったのだろうと。

 日本の上流社会の資料としても面白い存在ですので、興味のある方はぜひ。

2019年1月22日火曜日

ジーヴスの事件簿 才知縦横の巻 (文春文庫)

P・G・ウッドハウス著 岩永雅勝・小山太一訳
 (カバー裏より抜粋) 気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年バーティには、厄介事が盛りだくさん。ー ーだがバーティには嫌みなほど優秀な執事がついていた。

 事件簿と言っても殺人事件等は起きません。日常の厄介事に主人公が巻き込まれて、それを執事が解決するというお話です。この優秀な執事が完璧。主人公の主人は有閑青年。叔父さんの財産で毎日を楽しく暮らしいてるボンボン。ボンボンらしく鷹揚でいい人だけどおつむが…。この主人公の語りで話は進みます。(ただし1話だけ執事目線)

 主人公の周囲がクセのある人物ばかりで、殺人事件は起きませんが、いろいろな厄介事が持ち上がります。ちょっと主人公にイライラします。イライラして感情移入できない…。スゴくテンポが良くて、内容が軽くて、短編で、と私の好みなはずなのに。

 主人公が私の好みから外れていました。ただそれだけです。他の人が読めば間違いなく楽しめる作品です。はい。

2016年5月13日金曜日

ジャック・リッチーのびっくりパレード (ハヤカワ文庫)

ジャック・リッチー著 小鷹信光訳
(カバー裏より抜粋) 100%予想不可能なほどの〈びっくり〉が保証付。日本初訳25篇を集めたオリジナル短篇集。

 またまたジャック・リッチー作品です。実はかなり好き。この短篇集は発表年代別に構成されています。作品の変化を御堪能下さい。で今回の作品集のお勧めは「洞窟のインディアン」一番最後に掲載されている作品で、他の作品の軽快さの後だとかなり雰囲気の違いに驚かされます。(この作品は未完で息子さんが手を入れられたものです。)何というか締めくくりに相応しい作品と感じました。死に場所を求めて逃避…主人公にめちゃ共感してしまいました。他「カーデュラ探偵社」ものもあり、自分が殺した女の幽霊にできてしまった男の話「帰ってきたブリジット」も面白い。幽霊に嫁さん面されてますww ヘンリー&ラルフのシリーズもあり。〈びっくりパレード 〉というタイトルに相応しい内容となっています。

2016年5月9日月曜日

ジャック・リッチーのあの手この手 (ハヤカワ文庫)

ジャック・リッチー著 小鷹信光訳
(カバー裏より抜粋)巧みな展開と伏線、おとぼけなユーモアセンス、してやられたと感嘆する結末が待ち受ける!ーあらゆる手段を用いた絶品23篇収録のオリジナル短篇集。

 ジャック・リッチーの短篇を内容ごとに分類して楽しめるようになっています。どの作品も軽快で楽しい作品です。推理小説が苦手という方でも大丈夫。推理小説というよりユーモア小説(ってジャンルあるのか?) といって良い(良い意味で) 作品ばかりです。個人的なお気に入りは「保安官が歩いた日」。閉ざされた地域の保安官の妻が失踪!その地域を訪れた主人公に周囲は「保安官が妻を…」と噂話。その主人公の正体は…。「子供のお手柄」も好きですね。日本人では謎解きはまず難しい、アメリカ人でもなかなか難しいのでは。とにかくどんでん返しというかオチが楽しい作品ばかりです。ぜひご一読を。

2014年5月20日火曜日

ジュリアス・シーザー (新潮文庫)

シェイクスピア著 福田恒存訳
(カバー裏より抜粋) "おれはシーザーを愛さぬのではなく、ローマを愛したのだ" 高潔な勇将ブルータスは、自らの政治の理想に忠実であろうとして、ローマの専政君主シーザーを元老院で刺殺する。

 主人公はシーザーではなくブルータスなのか。ブルータスの高潔…正しくあろうとして、失敗を犯す。アントニーを生かしておくという大失態。そして自らが追いつめられる。なんというか、始めから行き当たりばったりを認めているからね、本人達が。そしてシーザーの幽霊を見るというのは、自らの行動への疑問というか自責の念があるのだから、やめておけばよかったのだ。理想に酔い、自分を見つめる事のできない人物でもあったのか?
 シェークスピアのブルータスは高潔の人だけれど、実際のブルータスはどういう人物だったのだろう。立派に描かれれば描かれる程に気になる。

2014年1月25日土曜日

ジェイン・オースティンの読書会 (ちくま文庫)

カレン・ジョイ・ファウラー著 中野康司訳
(カバー裏より抜粋) ジョスリンは、友人たちと「ジェイン・オースティンの読書会」を企画する。個性的な6人が毎月オースティンの長編小説6冊を読み進めていく中で、思いもよらないさまざまなドラマが次々と繰り広げられる。

 ジェイン・オースティンに関しては、読んだことはない。「エマ」は映画は観たことがあるといった程度。でも、それぞれの章でテーマになる作品については巻末で説明があるし、よく知らなくても問題なく楽しめる。もちろん知っていればもっと楽しめるだろう。作品の批評と平行して、登場人物の人生が語られる。この辺りの絡み方はうまいと思った。最後は気持ちよく終わってくれているのも良かった。一人、超羨ましい人物がいた。私とは正反対の人生だ。憧れるー。

2012年11月19日月曜日

十八世紀ヨーロッパ監獄事情 (岩波文庫)

ジョン・ハワード著 川北稔・森本真美訳
(カバーより抜粋)  ジョン・ハワードは、徹底した調査と観察にもとづいて、監獄の現状を記し監獄改革を提言する報告書をまとめた。

 私は基本的に他人の人権を無視して罪を犯した者が、人権を語るな!といた思想を持っている。そういう私ではあるけど、これは酷い…という内容。時代が18世紀だから仕方ない部分はあるとはいえ、これはね…。おまけに男女別の収監がされていない、罪状の考慮なし。軽犯罪であっても、貧乏だと出られない。著者はいろいろな監獄を見て回ってみえるけれど、よくみえる監獄であろうと、監獄側もお客さん対応している場合があるだろうし…。とにかく、作業や仕事は重要であるということはよくわかった。

2011年11月20日日曜日

十八世紀パリ生活誌 タブロー・ド・パリ 下 (岩波文庫)

メルシエ著 原宏訳
十八世紀パリのいろいろな文化について述べてある。上巻は絶版になっているので、下巻だけ。

 様々な文化について辛辣に語ってある。一つの事柄について語っているようで、脱線している部分も多く見受けられる。たぶん、脱線部分が著者の本当に述べたかった部分ではないのかな。著者の生きていた時代に対して言いたいことがいっぱいで、文化誌のような体裁を整えながらも、批判をせざるを得なかった。読んでる側としては、読むことで見えてくる時代がとても面白い。お金が関わる辺りの話は特に面白かった。いつの時代も強いのは債務者側か。

2010年8月7日土曜日

10の世界の物語 (ハヤカワ文庫)

アーサー・C・クラーク著 中桐雅夫訳
クラークの短編集。15篇が収録されている。奇妙な印象の作品が多い。SFなんだけど、人間に重点が置かれている。

 私の知識不足で理解できない作品があるのが悲しい。「思いおこすバビロン」オチはどういうことだろう。お気に入りは「幽霊宇宙服」ネコ可愛い。子猫と一緒に宇宙服着て探検したい。っていうか、妊娠チェックせずに宇宙へ連れてきたの?「軽い日射病」実際やったらどうなるんだろ?サッカーファンとかやりそうじゃない?偏見かな?審判の人はくれぐれも注意。ソロバン、クラークは知っていたのか。日本人でも知らない人、増えていそうだけど。
 作品全体に地味な印象がある。派手なSF求める人は避けた方が良さそう。

2010年8月4日水曜日

ジュラシック・パーク (1993 アメリカ)

監督 スティーブン・スピルバーグ ユニバーサル
クローン技術によって甦らせた恐竜の島「ジュラシックパーク」。見学ツアーに参加した一行が内部の抗争によるトラブルで、暴走した恐竜に襲われる。

 CGが本格的に使われだしたのはこの頃かな。初めて観たときは、恐竜の迫力に驚いた。今観ても十分な出来と思う…マニアの人は別だろうけど。恐竜のロマン。実際こんな島があったら…行きたい…かな?役どころもオーソドックスに割り振られていて、安心して楽しめる。つまり、いかにもなヤラレ役、鬱陶しい子供。クローン批判とかもあるのかな?ちょっと引かかるけど、気にしなければ問題無し。途中で出てくるクローン再生の説明のアニメーションはよくできていると思った。オチはここまで追いつめられて、これかよ、とちょっと思った。
 ストーリー自体はよくあるパターンでいろいろ突っ込みどころは多いけど、(肉食恐竜を飼っている状態でいざというときの対応人員少なすぎじゃないか?とかT-REXの食料少なくね?とか) 映画の分岐点の一つといってよい作品。

2010年3月8日月曜日

日月両世界旅行記 (岩波文庫)

シラノ・ド・ベジュラック著 赤木昭三訳
月と太陽への旅行記。

 宗教批判というかキリスト教会への批判が詰め込まれている。今の時代には笑っていられる内容だけど、著者が生きていた時代にはかなり危険だったのでは?あとがきにも、イエズス会士うんぬんの疑惑も書いてあったし。変人なのか闘士なのか目立ちたがり屋だったのか、とても自分のようなチキン野郎には真似できない。内容は哲学的なお話の羅列かな。哲学といっても、私程度でもついていける内容なので身構える必要なし。いや、もしかしたらいや多分深い話なのだろうけど気にしてたら本は読めない。気軽に想像の世界を満喫しよう。なんたって露を満たしたガラス瓶で宇宙へ行ってしまうのだから。この時代ならではの発想が楽しい。