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2024年2月1日木曜日

スパイス戦争(ちくま学芸文庫)

 (カバー裏より抜粋)莫大な富を求め、命を賭して未到の地へ向かった大航海時代。とりわけ東南アジア島バンダ諸島を産地としていた香辛料ナツメグは黄金を凌ぐ価格で取引されるようになり、島の覇権をめぐってオランダとイギリスが凄惨な争いを繰り広げることになる。
 
 グロ注意。個人的R15指定。初めはスパイスを求める困難な航海、この時代は壊血病がやばすぎる。そして航路は噂頼り。今の時代からは「なぜ北極行っちゃう??」ですが、夢見る時代だった…そして覇権争い。物語風で楽しく読めていたのですよ。途中までは。
 
 あ、この作品はイギリス目線です。オランダ憎しです。
 中盤から終盤にかけて、拷問の様子がこれでもかと描かれます。物語風が悪く出ている気が…。私は無理。ホラーは平気でもスプラッタは無理。 マジ「オランダ人ってやべー」になります。しかも登場人物の中に明らかなサイコパスがいるー!!
 ごめんなさい。途中気持ち悪くて読めなくて飛ばしました。まさかこんなシーンが連続で…。
 これはイギリス目線なので、オランダから見たらきっとイギリスだってやってるぞ、になるのでしょうね。私もやってると思うけど。
 
 そしてスパイス戦争から現在世界一(だと思う)の都市となる地域をイギリスは手に入れます。この辺りは「へー」でした。こういう経緯があったのかと。

 面白い著作ですがスプラッタがなー。耐性のない人は絶対ダメです。

2016年12月23日金曜日

スキャナーに生きがいはない (ハヤカワ文庫)

コードウェイナー・スミス著 伊藤典夫/浅倉久志訳
 (カバー裏より抜粋) 1950年、あるSF雑誌に無名の新人の短篇が掲載された。異様な設定、説明無しに使われる用語、なかば機械の体の登場人物が繰り広げられる凄まじい物語…

 「人類補完機構」というシリーズです。用語に説明がないのは大概のSF小説はそんなものなので気にしなくて問題無しです。ただSF初心者向けではありません。結構展開が唐突ですしから混乱するかも。ただ読んでいくうちに世界観は理解できてきますし、こういうものなのだーと進めていけます。…と言いながらも、私は一度目あまり面白さが理解できなかったのです。半年程放置して2回目で嵌りました。

 いくつかかいつまんで紹介。「第81Q戦争」これを元ネタにした漫画か小説読んだ事あるような。一種のシュミレーション戦争のお話。表題作「スキャナーに生きがいはない」利権問題のお話。スキャナーは助かるけど、奴隷は安楽死。「人びとが降った日」どこかの国の人間の盾思い出しました。気分悪いなー。「鼠と流のゲーム」猫好き歓喜!「燃える脳」女って怖い…。あ、全然紹介になってないですね。とにかく面白い作品です。お勧め。

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2015年10月16日金曜日

スは宇宙のス (創元SF文庫)

レイ・ブラッドベリ著 一ノ瀬直二
 (カバー裏より抜粋) 「ヴェルヌがぼくの父親、ヴェルズが懸命なる伯父さん、ポオは蝙蝠の翼を持った従兄弟でシェリー夫人は僕の母親だったこともある。

 「火の炎」が良かった。映画にもできそうなストーリー。墓に眠る遺体が焼却処分されていく中、一つの遺体が甦った…。仲間を増やすために殺人を続け、焼却場を破壊していくのが面白い。怖いと思ったのは殺人する主人公ではなく、まだ意識を持つ主人公を焼却処分するその時代の人間。何事もなかったことにしてしまったのだから。「あの男」こういう奴いるいるという典型の船長。むかつく。
 「ウは宇宙船のウ」とこの短編集、他はあまり読んでいないけど、著者の危惧する未来像がはっきり示されている。まー人間が感情を去勢されることはないというか、無理だと思うけど。

2014年5月15日木曜日

砂男/クレスペル顧問官 (光文社古典新訳文庫)

ホフマン著 大島かおり訳
 サイコ・ホラーの元祖と呼ばれる、恐怖と戦慄に満ちた傑作「砂男」。芸術の圧倒的な力とそれゆえの悲劇を幻想的に綴った「クレスペル顧問官」。魔的な美女に魅入られ、鏡像を失う男を描く「大晦日の夜の冒険」。ホフマンの怪奇幻想作品の中でも代表作とされる傑作3篇。(Booksデータベースより)

 人間が何より恐ろしい…。狂気…それが幻か現実なのか分からないけど、主人公たちは運命を狂わせていく、周囲を巻き込んで。いつも思うのだけど、周囲の人間の我慢強さには本当に驚いてしまう。「砂男」のクララには「もうほっとけば??」とか思ってしまう。その点「大晦日の夜の冒険」の奥方はよかった。突き放し方が最高。

2013年11月3日日曜日

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 浅倉久志訳
 (カバー裏より抜粋) おとり捜査官フレッドことボブ・アークターは、上司にも仮の姿を教えず、秘密捜査を進めている。ーーだが、ある日、上司から麻薬密売人アークターの監視を命じられてしまうが…。

 まず、やく中の連中にイライラしてしまう。いかれてる行動に自分を正常とする私は腹が立ってしまう。で、いかれた連中と暮らしているアークター。本人も物質Dをやっている。そして、同一人物であるはずの捜査官フレッドとボブ・アークターが、乖離し始める。一人の人物の脳の中で。この乖離していく状況が面白い。読んでいる私に軽い混乱をもたらす。最後に彼は捜査官としての任務を果たす…。元には戻らないのに…。やっぱりディックは面白い。

2013年9月14日土曜日

スリーピング・マーダー (ハヤカワ文庫)

アガサ・クリスティ著 綾川梓訳
 (カバー裏より抜粋) 若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めてみるはずの家の中に既視感を抱く。ミス・マープルが、回想の中の殺人に挑む。

 記憶を手がかりに、一つ一つ謎を順に解いていく。マープルは、あくまで脇役に徹しているのだけれど、ポイントポイントを上手に押さえている。楽しく読ませてくれた。ポアロのシリーズもいいけど、マープルのほうが好きだな。ただちょっと御都合主義を感じなくもない。あと、その他容疑者になる人たちの印象が弱い気もした。拝啓の書き込みが薄いせいかな。必要ないといえばそれまでだけど。もう一つ、始めから犯人が誰か分かってしまうのが、この物語の困った点だと思う。

2013年3月26日火曜日

スペイン文学案内 (岩波文庫)

佐竹謙一著
(カバー裏より抜粋) スペイン文学の豊穣な世界を案内する文庫版文学史。

 スペインの小説というと…有名なのは「ドン・キホーテ」… くらいしか思いつかない。そのドン・キホーテも読んだことはない。中丸明著の「丸かじりドン・キホーテ」を読んで分かった気分になっている程度。(丸かじりドン・キホーテ」はとても面白い良い作品です。念のため)  西洋の歴史の中では重要な国で、そちらの方なら何とか分かるのだけれど。しかし、中々奥が深く濃い。なぜ一般に取り上げられないのか不思議…濃すぎるからかな?…。私みたいに、濃い作品を読むのはちょっと…だけど、スペイン文学齧ってみたい人にお薦め。もちろん、これから本格的に学ぼうという人の入門編としても良いと思います。

2011年12月23日金曜日

スペイン民話集 (岩波文庫)

エスピノーサ著 三原幸久訳

 他の民話に比べると、色っぽい話が多い気がする。日本でも馴染みのある (他の民話や童話と類似している) お話が多いし、楽しめると思う。「聖女カタリーナ」は中々興味深い。蜘蛛の糸の類話があるんだ。

2010年9月23日木曜日

スケッチ・ブック (新潮文庫)

W・アーヴィング著 吉田甲子太郎訳
各地の風習や伝説を集めた一冊。スリービー・ホローの元ネタが収録されている。

 とりあえずタイトルを「スリービー・ホロー」に変えられなくてよかったな、と。日本の出版社ならやりかねないから。各地の不思議な話や風習を、著者がロマンチックに歌い上げているといった感じ。個人的には「幽霊花婿」が好きかな。何となく他でよく似た話を読んだ気がするけど。「ジョン・ブル」もいい。映画で有名になった「スリービー・ホロー伝説」、原作とはいえない。原案かな。短いお話。主人公はかっこ良くはない。…というか首切られてるし。