2022年12月30日金曜日

鉱物(ちくま学芸文庫)

 堀秀道著
 (カバー裏より抜粋) 石に対する深い愛と学識に裏打ちされ、優しい語り口で紹介される「砂漠のバラ」、「火星の石」「黄鉄鉱」、「ラピスラズリ」は愛好家ならずとも思わず魅了される。「珠玉」のエッセイ。
 
 始めの方にカラー図版があります。後は白黒。これは図版必須ですね。私の頭では説明だけでは石のイメージが浮かばない。
 石というと、宝石としてカットされたもの、道端に転がっているものというイメージしかないのですが、本来発掘される時の石とか、あ、日本の河原で石…名前の聞いたことのある石が取れたことがあるのだと、びっくりする話もあり。昔は山の採掘が開放されていたとか、これもびっくり。 マナーが悪くなって地主が止めたそうです。
 
 私のような全くの一般人でも楽しんで読める内容です。ちょっと文章クセがあるかな。それが気にならなければお勧めです。 

2022年11月1日火曜日

ボルヘス怪奇譚集(河出文庫)

ホルヘ・ルイス・ボルヘス著 柳瀬尚紀訳
 (カバー裏より抜粋)古今東西の書物から選び抜かれた92の短くて途方もない話。
 
 ある物語から、その一部を抜き取ったら、全く違う味わいのある短い短い物語となる。私も大元を読んだことのある作品から抜かれたものもありましたが、イメージさせられるのは元の作品とは別のもの。新しい別の作品となってしまうのです。面白いですよね。あ、ボルヘスの創作もあります。
 
 解説は「眠れない夜に」と題されているのですが(これを読むと眠れなくなるから、どうせなら眠れない夜に)、私は眠りに誘われます。感じ方の違いかな。短い話の連続で感じるままに…で眠れるけど。あまり物事を考えたくない時に読むのが、ちょうど良い感じなのですが、どうでしょうね。

2022年9月27日火曜日

英国王室史話上・下(中公文庫)

森護著
(カバー裏より抜粋) 史実と伝説があやなす王室二千年の人間ドラマ。
 
  まず初めに。正直なところ読み難いです。句読点が多すぎで「え?」と読み直す箇所多数です。
 内容は英国の歴史を知りたい初心者にお勧め。ですが、ヨーク公、 ランカスター公とか有名どころが違う人物で何度も出てきて、わけわからない状態にもなります。こういうのはガチ勢でないと読み解けませんね。素人では苦しい。
 でも、歴史の読み物としては十分楽しめます。ヘンリー8世、リチャード3世、エリザベス1世等有名どころ以外の王侯の話は興味深いです。
 ただ、私は古代から中世が好きなので、近代になるとちょっとつまらなくなってきました。ま、これは個人の趣味の問題ですね。
 紋章の話も挿入されているので、そちらに興味のある方の入門書としても良いのではと思います。
 
  エリザベス女王が亡くなってチャールズ3世が即位されました。 チャールズ王太子といえばダイアナ妃。貴族なのは有名なので知っていましたが、ここまで由緒ある血筋とは…。これを知るだけでも価値のある著書と思います。

2022年9月6日火曜日

歴史のなかの女たち(岩波現代文庫)

高橋秀爾著 
(カバー裏より抜粋) 西洋美術史の第一人者として知られる著者が、ヨーロッパの美術館で見られる名画に描かれた二十四人の女性たちの、悲しくも波乱に富んだそれぞれの生涯を綴った名著。

 文庫版なので名画がモノクロなのが悲しい!!仕方ありませんが。個人的な好みではレカミエ夫人ですね。現代でも間違いなく美女で通ります。あとイザベラ皇妃。こちらは整った美人。美女ではなく美人。あとは…時代によって美意識は違いますから。そして別に名画であって美人画ではありませんし。
  で、内容ですが、一般向けですので軽めです。名画も有名どころが多いです。知らなくても楽しめます。分かり易く主人公の生涯が描かれています。そしてこの著者の作品は読みやすい!! ほんと、これは大事です。秋の夜のお供にお勧めです。