2015年7月16日木曜日

ユダヤ人と経済生活 (講談社学芸文庫)

ヴェルナー・ゾンバルト著 金森誠也訳
(カバー裏より抜粋)近代資本主義の発展を促したのは、プロテスタンティズムではなくユダヤ教の倫理だったー。

  私のように、日本に、自分の狭い生活圏に籠っている人間にとって、ユダヤ人とは?と問われると、アウシュビッツとかパレスチナとかモサド等々ニュースの世界の存在です。故に面白く読むことができました。とにかく行動力がある民族ですよね。色々な国に存在し、そこから追い出されると、「次行こ、次」みたいに旅に出る。なによりもその民族同士のネットワークが途切れないのが凄い。現代のような通信機器がない時代から。ある意味寄生かな…とも。読みながら「ヴェニスの商人」って実は元ネタのような事実があるのでは?などとも思えました。羨ましいですね。行動力と理数系に強そうなところが本当に。
 私は軽く楽しんで読みましたが、実際はお固い内容です。あと抄訳ですよ。

2015年7月6日月曜日

現代という時代の気質 (ちくま学芸文庫)

エリック・ホッファー著 柄谷行人訳
(カバー裏より抜粋) 大学の教壇に立ちながらも若き日から従事してきた湾岸労働を続け、「沖仲士の哲学者」と呼ばれたホッファーによる、ちに足の着いた社会批評集。

 この薄さで1000円(税別)…。本当に本が高くなりました。ですが、中味が薄いということは決してありません。私でも楽しんで読めました。本屋で手に取った時は「黒人革命」という黒人の状況についての章に興味をもったからです。かなり古い時代に書かれた著作ですが、現代も状況は何も変わっていないのではないの?と考えさせられました。納得できる内容です。もっとも著者や訳者が意図している理解をしているかと言われたら「違うかも」ですけど。知識人についても中々面白く読めました。というか、TVには知識人(笑)がたくさん…。
 本当に薄い本ですが、内容は1000円の価値はあると思います。この本を読みながらTVの知識人をpgrしましょう。ってそういう著作ではないけど。

2015年7月3日金曜日

魔女と聖女 (ちくま学芸文庫)

池上俊一著
 (カバー裏より抜粋)中世から近世にかけて、西洋世界において魔女狩りの嵐が吹き荒れる。しかし、それと時を同じくして、その美徳と超自然的力によって聖女と崇められる女性たちも現れる。

 魔女と聖女から中世の女性の立場や生活を考察した一冊。まず魔女の考察には、気の毒の一言です。底辺だと火あぶりかよ…みたいな。次に聖女の考察は…。おいおい、聖女って「メンヘラちゃん」??抑圧されてヒステリー起こしているとしか…。この時代の女性の状況の生活、精神面での悲惨が理解できました。が、聖女ってこんな人ばっかりだったの??
 で、一般女性の宗教と生活。こういう歴史の積み重ねによって現代の西欧があるのか、と考えることしかり。でも、ちょっと行き過ぎてない??と疑問を持つことも多いのですが。どちらにしてもその国が背負う課題ですが。
 であとがきで出てきたトゥームレイダー。現代版「サロメ」「ユディット」的な部分あったっけ??一番最初の映画しか観ていませんが、そんな印象なかったなー。

2015年7月1日水曜日

ヴァルカンの鉄槌 (創元SF文庫)

フィリップ・K・ディック著 佐藤龍雄訳
 (カバー裏より抜粋) 20年以上続いた核戦争が終結したのち、人類は世界連邦政府を樹立し、重要事項の決定をコンピュータ〈ヴァルカン3号〉に委ねた。

 コンピュータ〈ヴァルカン3号〉が今時の映画などのスマートなイメージではなく、無骨な作りのイメージがとてもいいです。そして文字通り鉄槌を振り回します。また、敵味方ともうさん臭くて素敵です。ただ、「癒しの道」と〈ヴァルカン3号〉が強くて、主人公のいた組織が弱すぎてwwとにかく〈ヴァルカン3号〉を楽しんで下さい。