2015年6月27日土曜日

旅するように読んだ本 (ちくま文庫)

宮田珠己著
 (カバー裏より抜粋) 旅と同じ目線で読書をする。本を読むのと同じ目線で旅をする。これが宮田スタイル。
 本屋さんで何気なく買った本ですが、うおー、本の趣味が近い!!元々あらすじなどの内容を取り出した批評本…みたいなものは好きなので、これは本の趣味が合っていますし、楽しく読めました。マニアックな本の独自な視点を、著者のまた独自な視点で読み解くといった感じでしょうか。学術系の本だって、自分なりに楽しく読めたらそれでいいんだよ、と言ってくれているよう。本屋さんでタイトルを見たことのある本などは「こういう内容だったのか…」と次に見かけたら買ってしまいそうです。ミチオ・カクさん、本も執筆されていたんだ。ヒストリーチャンネルなどで以前よく見かけたけど、うさん臭い人かと思っていました。ごめんなさい。ちゃんとした科学者だったんだ。

2015年6月23日火曜日

痕跡本の世界 (ちくま文庫)

古沢和宏著
 (カバー裏より抜粋) 古本の中には、元の持ち主によるメモ、付箋などが残っていたり、手紙や写真が挟まっているものがある。

 本屋でタイトルを見て手に取り、ちょっと読んでみて「あるあるある」と共感するところがあり買ってみました。私はたまに古本を購入しますが、そんなとき書き込みや意味不明なメモに出会うことがあります。古本を買われる方なら一度は経験されているのでは?私が一番印象に残っている痕跡は講談社学術文庫「西洋哲学史」に勉強したのであろう多数のラインとともになぜか「チ○○」の書き込み…。きっと前の持ち主は疲れていたのでしょう。そんな様々な痕跡から、著者が妄想を爆発させている本です。コンセプトはとても面白いです。でも、前半妄想が独りよがりというか今ひとつ面白みがない…。だけど第3章に入り俄然面白くなりました。本のカスタマイズとか全然考えも付かなかったし、正直やりたいとは思えないのですが、それを見る分にはとても面白い。その他様々なかたちが紹介されていました。考現学などが好きな方にお勧めします。

2015年6月14日日曜日

英国に就て (ちくま学芸文庫)

 吉田健一著
 (カバー裏より抜粋) なにも絵画や彫刻、音楽だけが文化なのではない。当たり前の日常にいちばん近い部分を発達させること。それこそが文化なのだ。

 イギリスについてのエッセイ…という表現は失礼かもしれない。ので随筆。著者は本当に英国が好きなのだな、と感じさせられました。私が好きなのは英国の冬の話のところ。当たり前だけど、四季というのは国によってこんなに違うものなのだと。遠い国に思いを馳せながら読みました。
 ただちょっと思ったのは、よく書き過ぎでは??英国人にも色々いるでしょうに。

2015年6月13日土曜日

柳宗悦 民藝紀行 (岩波書店)

 (カバーより抜粋) 美しい品物・良い工藝を求めて、日本各地・朝鮮・中国の民藝を訪ね歩いた柳宗悦の紀行文。

 私はかなりBBAですが、ここに掲載されている民藝品で知っているものは、現在も形だけ継承されているようなものだけです。色々なものが無くなってしまったんだな…しみじみと感じました。それを防ぐために著者は各地を旅してみえたのでしょう。その情熱には頭が下がります。

2015年6月12日金曜日

宇宙人ポール (2012アメリカ)

監督 グレッグ・モットーラ
 イギリスからアメコミイベントにやってきたグレアムとサイモン。キャンピングカーでドライブを楽しむ二人は、ひょんなことから宇宙人ポールと出会う。ポールを追う政府機関との追いかけっこが始まる。

 楽しー!!さすが、ショーン・オブ・ザ・デッドのコンビ。主人公二人はオタクだけど結構まとも。でも、その他のキャラがイカれてる。ポールは人間にかぶれてるし、ルースは神の僕だし、そのお父さんもどうかしているしで。敵も中々で、現場指揮を執るMIBっぽい人は結構まとも(ラストにどんでん返し有り) だけど、その部下は…。とにかく追いかけっこ。私でも分かるパロディ満載。ラストはポールは某未知との遭遇っぽく、命の恩人の女性を連れて母星に戻って行きますが、その前のラスボスの最後が…。wwwでした。とにかく楽しい映画を観たい人にお勧めします。

ソフィストとは誰か? (ちくま学芸文庫)

納富信留著
 (カバー裏より抜粋)古代ギリシアで、華々しい活躍をした一群の知識人「ソフィスト」。新たな思想と弁論り技術をもって市民を魅惑した彼らは、やがて詭弁を弄して人々を欺く知者という汚名を着せられる。

 p136で「私たちに突きつけられた問いは、哲学者としての生を生きるか、それとも、ソフィストとして生きるか、の選択である」…私はソフィストとして生きます。っていうか、真理の追求なんてしたくないしー、別に他人を追求したいとか貶めたいとか魅惑したいとか思わないけど、お金貰って適当に状況に合わせて働いてー、で十分です。
 それ以前にソクラテス像にもの凄い疑問を抱いてしまいました。どこまでが実際のソクラテスに近くて、どこからがプラトンの願望か。この著作を読んでいて、プラトン自身に疑問を感じました。ソクラテスを作り上げたのでは??と。
 で、哲学って何??著者も哲学で本書いてお金儲けているのだから「ソフィスト」ですよね。哲学者って存在するの??