2014年12月29日月曜日

古代ローマ人の24時間 (河出文庫)

アルベルト・アンジェラ著 関口英子訳
(カバー裏より抜粋) さあ、2000年前のローマ帝国の首都に住んでみよう。

 トラヤヌス帝時代のローマ人の生活をタイムスケジュールにて追って行く。朝起きてから眠りに就くまで、ローマ人はどのように生活をしていたのだろうか。そういう著作は数多いけれど、この著作のように時間に合わせて生活を追っているものは読んだことが無い。もちろん金持ちと貧乏人では違いも大きいだろうけど、作品の中である程度拾い上げてある。金持ちは邸宅に住むけれど、貧乏人が住むのは九龍城砦」みたいなアパート。うーん格差社会。しかも現代とは違って上階ほど家賃が安い。理由は?読んでみてください。公衆浴場は混浴。女性は意外にもこの頃から体を鍛えていた!!金持ちの食事風景は潔癖性の人は悶絶します、確実に。私も無理…。いわゆるゴミ屋敷の住人なら大丈夫かも。とにかく読みやすくて楽しめます。テルマエロマエなどを読んだり観たりしてローマ人に興味を持った人にもお勧めです。

2014年12月13日土曜日

美と宗教の発見 (ちくま学芸文庫)

梅原猛著
(カバー裏より抜粋)本書は「梅原日本学」として今や山容を現すに至った著者全業績の「原マグマ」とも言うべき処女論文集。

 おおー大物に噛み付いている。和辻哲郎氏の著作は好きで読んでいたけど、なるほど、こういう見方もできるんだ。日本文化論とか難しいことはわかりませんが、著者が当時語られていた日本に対しての不安や不満、疑問がよく理解できます。この著作自体はかなり古いものですが、今現在はどうなっているのでしょうか。しかし古今和歌集ってそんなに貶められていたんだ。理解不能。
 あと某宗教団体にも噛み付いていらっしゃいます。度胸あるなー!!

2014年12月6日土曜日

今日の積ん読

古代文明と気候大変動 ブライアン・フェイガン 河出文庫
古代ローマ人の24時間 アルベルト・アンジェラ 河出文庫
戦争における「人殺し」の心理学 デーブ・グロスマン ちくま学芸文庫
冷たい方程式 トム・ゴドウィン他 ハヤカワ文庫

 「 チチカカコ 5社編集長が本気で推す『 これが教養だ! 』フェア 」を観て購入。歴史の学術系は好き。他にも買う予定あり。「冷たい方程式」は本屋さんで衝動買い。貧乏生活だけど、本だけはできるだけケチりたくはないです。外を旅行したい衝動はたまにあるけど、でも本の世界の旅行の方が魅力的です。私にはです、もちろん。どこかのホテルで本を大量に持っていって籠って読書三昧、時々温泉、昼寝、食事なら最高なのですが。
 しかし本当に本は高くなりました…。実は事情があり大量に本を処分しました。今も心が痛む…。後悔しています。だから高くてもこれは欲しいと思ったら買います。以前よりも十分に吟味して。本当は本屋さんで内容確認できるといいのですが、そうもいかないのが辛いところ。冬は出かける気になれないし、雪見読書といきたいところです。

冷たい方程式

 トム・ゴドウィン他著 伊藤典夫編・訳
(カバー裏より抜粋) ただ一人の乗員を目的地に届ける片道分の燃料しか積んでいない緊急発進艇に密航者がいたら、パイロットがすべきことはただひとつー船外遺棄だ!

 表題作は有名作品。以前に何度か読んでいます。「無知」について…許されるのか、一人の命か全員の命か等々、深淵なテーマを秘めていることは重々承知で、今回改めて思ったことは「若い女の子だから迷うのかよ…」でした。命の重さは野郎も若い女も平等ですよねー。「みにくい妹」どこかで読んだ気もするのですが、こういうお話は大好き。こういう女いるよねーみたいな。ただ現実だとシンデレラタイプは頭も良いのですよ。「ハウ=2」は裁判のところでアシモフの作品アンドリューだったっけ、思い出しました。筋もタイプも全然違いますが、こういう万能ロボットのお話は好きですね。面白かったです。他も良作ぞろいで楽しめました。買って損のない作品集だと思います。

2014年11月28日金曜日

続・街並みの美学 (岩波現代文庫)

芦原義信著
(カバー裏より抜粋) 街づくりの工夫と都市景観への視覚を提供し、人間的な街並みはどうあるべきかに思いを至らせる。

 「街並みの美学」の続編。内容としては前作を少し発展させた内容?かな。美しい街並みへの思いはよくわかるし、私はきちんとした街並みは犯罪の減少などにも働く部分はあるのでよいとは思う。でも、ちょっとwwみたいな部分もあって、交差点の真ん中の木とかww事故多発だろ。門外漢な部分は書かない方がよいだろうね。人の命より景観かよ、人間性疑ってしまう。洗濯については、じゃ洗濯はどうするの??と。真面目に西欧とかどうしてるのかな、と思った。部屋干し気持ち悪いけど。あと、やたらコミニュケーションが好きなのはなぜ?コミュ障には地獄なのだが。
 きちんとした景観で思い出したのは、アメリカのゲートに囲まれた都市。かなり景観とかがんじがらめだったような。
 感想。観光には行きたいけど、住むのはこういう規定のない田舎でいいな、でした。

2014年11月23日日曜日

街並みの美学 (岩波現代文庫)

芦原義信著
(カバー裏より抜粋) 人間のための美しい街並みをつくる創造的手法を具体的に提案した街づくりの基本文献。

 美しい街並とは?現代の日本の街並みへの批判本…かな。考え方が面白くて納得もできる。内と外の考え方。私は内の自分の宇宙を大切にしたいタイプで典型的な日本人。それに他人の家の庭を見ていたら、怪しまれてしまうwwそれが現代の日本ですね。マコトちゃんの作者の家なんかは卒倒ものだろうな。著者の考え方は理解できるし、確かに必要なことなんだけど、自分の住みたい家…賃貸ならともかく…を規定されるのもな…とも思う。海外の街並は統一されていて綺麗だと思うけど。…日本の街並の看板にうもれたごちゃごちゃ観も好きなのです。
 ル・コルビュジエの話は読んでいて、デザイナーズマンションを思い出した。結局維持仕切れなくて…なんて話を昔聞いたな。今は違うんだろうけど。生活したいのに彫刻を作られたんじゃたまったもんじゃない。偉大な人だとは思うのだけど著者は信者すぎ。

2014年10月24日金曜日

宇宙の眼 (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 中田耕治訳
 (カバー裏より抜粋) 観測台から見下ろしていた見学者たちを、突然災厄が襲った。ー中略ー彼の知る現実世界とは、ほんの少し違っていた。

 カバー裏の解説に一言、ほんの少し違っていた…ってほんの少しかな??ディックの長編作品にしては珍しくラストが不気味に明るい。救いのなさがディックなのに。ちゃんとストーリーが通っているのも変…いや、小説として当たり前なんだけど。
 なぜマーシャが憎まれたか?理由は理解できる。本当に己の信念に基づいて生きている人間は、それができない人間に憎まれる。さて私は…マーシャの性格設定は理想だけど、なれないし憎む事もないけど、普通なら。でも憎む人間がいる事も理解はできる。マクフィークの弱さは普遍のもの。…で、精神世界では殺された人達は、現実では生きていた??でいいのかな。

2014年10月21日火曜日

都市 (ちくま学芸文庫)

増田四郎著
(カバー裏より抜粋) 西ヨーロッパにおける近代資本主義社会の幕開けのきっかけともなった「市民」とは、どのような概念なのだろうか。

 基本的にヨーロッパ万歳の内容です。さすがに今の時代に読むと「あいたた…」感は強いです。ただ古代から中世にかけては面白いですよ。ものすごく「市民」に拘っていて、権利の行使を謳っているのですが、対局の義務は?みたいな。日本についても、指摘されている事にあてはまる事も多いと思います。そして…何というか著者が喜びそうな市民の権利の主張の状況になってきているとは思います。あと、現代の北アメリカ、ヨーロッパの状況を知っていてこの著作を読むと…。仕方のない事です。先の事なんてだれも予見できないのですから。

2014年10月11日土曜日

日本数寄 (ちくま学芸文庫)

松岡正剛著
 (カバー裏より抜粋)著者の博識に身を委ね、歴史と現在を大胆に横断しながら見えてくる、無情迅速、日本のダンディズムの歴史。

 日本について知らないことがまだまだ多いのは分かっています。この著書を読んで、本当に物知らずなのだと思い知らされました。例えば仏壇。実家は田舎の浄土真宗で、それなりの仏壇があります。その仏壇の構成の意味…正直仏壇ってキンキラで趣味悪いと思っていましたが、構成の意味とか考えると確かに面白いものです。そして、私の長年の謎であった阿弥陀仏。なぜお釈迦様ではないのか??と子供の頃から非常に不思議でした。あと興味を持ったのは織部です。一時美濃の近くに住んでいたせいでしょうか。他にも興味深いお話ばかりでした。頭の固まったおばさんに、物を考える、繋げていくことをもう一度再考させてくれる内容でもありました。

2014年9月17日水曜日

マギ(少年サンデーコミックス)

 いい歳して、アニメに興味を持ちまして、漫画版を大人買いして参りました。恥ずかしー!!現在22巻まで単行本になっています。で、面白い。実はアニメ版は時々観ているというふうでして、主人公がアリババだと思っておりました。でも、タイトルがマギだし??みたいな感じで。漫画版でアラジンが主人公と分かりました。アリババもダブル主人公みたいな感じなんだろうけど。脇役の個性が強すぎて主人公霞む…。脇役が強い漫画は続くと私は思っております。内容は週間少年漫画のパターンをちゃんと踏んでいるという、良い意味で。お気に入りは、アニメではシンドバット王でしたが、漫画版ではモルジアナ!、あと紅明。私のツボをついてくれました。
 ストーリーの広がりも程よくて、上手にまとめて頂きたいと願っております。しばらくこれだけを飽きるまで読み返すつもりです。

2014年9月1日月曜日

漱石書簡集 (岩波文庫)

三好行雄編
(内表紙より抜粋) 友人の正岡子規、妻の鏡子、弟子の寺田寅彦・小宮豊隆などに宛てた手紙百五十八通。漱石を知るための基本資料であるばかりか、それ自身が見事な作品なのだ。

 候文は飛ばしました、すみません(汗)。読むのがしんどい(疲れるという意味の方言)ので。漱石という人物が垣間見えて面白いです。芸術家だー。大学も彼に掛かるとけんもほろろ。それだけの頭をもってみえたのだから仕方ないか。あと病気がちだった様子が手紙から伺えます。ふと夏目漱石の作品で何を読んでいるか考えてみました。一番は「こころ」、あと「夢十夜」「我が輩は猫である」。「坊ちゃん」と「路傍の石」は苦手。手紙の中で「こころは小供がよむものではありません」というのがありました。「どうして住所を知りましたか」と。有名人は今も昔も大変ですね。でも確かに小供が「こころ」なんて読んだら中二病発病しそう。

スクラップ帖のつくりかた

杉浦さやか著

 ちょっと毛色の違う本…でいいのか??スクラップ帖の作り方というか、著者が作っているスクラップ帖の紹介ですね。たまーに何となく手に取って読んでいます。私はまめではないので著者の真似はできない。でも、いろいろノートを作る、書き込む時の参考になります。正直羨ましー。とても楽しそうで。とても可愛い本です。

2014年8月23日土曜日

グランド・バンクスの幻影 (ハヤカワ文庫)

アーサー・C・クラーク著 山高昭訳
(カバー裏より抜粋) グランド・バンクス沖合で氷山に激突、沈没したタイタニック号。1500人以上の犠牲者を出したこの悲劇の豪華客船を、沈没百年を記念して引き揚げようというのだ。

 いかにもアーサー・C・クラークの作品といった作品です。彼の単独の作品はワルツのように感じます。問題点は、私は数学が全然だめだということです。途中ででてくる数学?物理??さっーぱりです。たぶんそれを理解できたら、もっと面白く読めるのだと思います。そこは置いておいても楽しめます。私たちがいかに地球という天体を理解しきっていないか、謎に満ちているか。そして、地球の未知の変動による悲劇。まるで用意されていたようにスイッチが入り、人は地球に眠る。タイタニックの死者も失われた登場人物も。娘を失ったイーディスの壊れっぷり…頭が良いから余計悲劇だ。

2014年8月22日金曜日

小さな黒い箱 (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 大森望編
(カバー裏より抜粋) 書籍初収録作「ラウタヴァーラ事件」をはじめ、政治/未来社会/宗教をテーマにした全11編を収録。

 「ラウタヴァーラ事件」以外は他の短篇を扱った文庫で読んだかな…。でも初収録に釣られて買うのがファン。
 「ラウタヴァーラ事件」はちょっと考えるとこあり。脳が生きるってことだよね。何か脳死と結びつけてしまって…。見当違いなんだけど。「時間飛行士へのささやかな贈り物」ってこういう話だったのか。人類どころか宇宙全体が輪に巻き込まれているということ?ゾッとする。そして最後は全員が疲れてしまうんだ。
 デッィクの作品は基本救いがない。ハッピーエンドが好きな私がなぜ引きつけられるのやら。 

2014年8月20日水曜日

能・文楽・歌舞伎 (講談社学術文庫)

ドナルド・キーン著 吉田健一/松宮史朗訳
(カバー裏より抜粋) 日本人以上に日本文化に通暁するキーン博士が世界に比類のない日本の伝統芸能について、その歴史と魅力と醍醐味とを存分に語り尽くす。

 とにかく著者が能が好きなのはよーく分かったw。
 とても読みやすい著書です。能をたいして知らない人でも大丈夫…だと思う。私も能は実際には二度、あとはテレビ、しかも狂言目当て。初心者コースの知識はあります。その程度の知識でも十分理解できる、よい作品だと思います。ただ、あまりの能びいきが鼻につくかな。文楽は大好きなので (人形劇が大好きだから) 文楽のところは面白かったです。

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫)

カート・ヴォネガット・ジュニア著 浅倉久志訳
(カバー裏より抜粋) すへての時空にあまねく存在し、神のごとき全能者となったウインストン・N・ラムファードは戦いに明け暮れる人類の救済に乗り出す。

 …ひでー話。ラムファードの独りよがりの正義(ちょっと違うかな…)のお話。コンスタントやビアトリスがなぜこんな目に遭っているのか、私の一般人的な脳みそには理解不能。だからどんでん返し…でいいのか?…は「ザマー」!!幸せってなんだろう…

2014年7月8日火曜日

泉光院江戸旅日記 (ちくま学芸文庫)

石川英輔著

 文化九年九月(1812年10月)、一人の修験者が日向国佐土原を旅立った。

 言ってしまえば旅の日記。でも面白い。江戸時代、六年もの長い間の旅、すごいのは野宿がなかったこと。どこかの家、安い宿に泊まっている。江戸時代の農民のイメージはただひたすら貧乏で苦しくて…なのだけど、いや酷いあばら家もあったようなのだけど、余裕というか、(でも現代人の私では耐えられない生活だろうけど) 感じる事が出来る。以外と緩い感じがある。江戸という時代を見つめ直させてくれる一冊。個人的には平四郎…大変だったろう…同情した。

2014年7月5日土曜日

ヴァリス (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 山形浩生訳
(カバー裏より抜粋)友人グロリアの自殺をきっかけにして、作家ホースラヴァー・ファットの日常は狂い始める。ー中略ーさらに自らの妄想と一致する謎めいた映画「ヴァリス」に出会ったファットは…

 二重人格、しかも実在化??普通の二重人格は体はひとつだけど、どうも二人になっていて、友人も二人である事を認識していて、そして特殊な子供の一言で一人に戻る??また二人になる…。神学的な話はパス。理解できない。難解というか、見方を変えると厨二病になってしまいそうなお話。で、実際にこういう状態に嵌っている人がいそうで怖い。著者の自伝みたいな側面もあるし。ディックの小説といえば小説なんだけど、他の作品に比べると私には退屈だった。シェリーとかのあたりは面白かったけど。

2014年6月4日水曜日

師匠シリーズ「4つの顔」 (双葉社)

 師匠シリーズの二冊目です。何かネットで表紙とか人物紹介のイラストの評判いまいちのよう。私は好きなんだけど。合ってると思うけどなー。今回は加奈子さん出てこない…がっくり。でも充実はしています。表題作の「4つの顔」山下サーン、気がつかない間に行き来していたの??「雨上がり」「ビデオ」とこのシリーズの根幹に触れる部分が出てきます。歩くさんっていったい…。加奈子さんはどうなったん??

2014年5月24日土曜日

宇宙の小石 (ハヤカワ文庫)

アイザック・アシモフ著 高橋豊訳
(カバー裏より抜粋) 遥かな未来へタイムスリップし、怖がるべき陰謀の渦中に巻き込まれた老人の驚くべき冒険を、巨匠アシモフが、サスペンス溢れるミステリタッチで描く傑作長編。

 主人公のシュヴァルツ…スーパーじーさんに変身!悪い奴らをやっつけろ、みたいな内容。心を操るとかは設定としてちょっとずるくない?とか思ってしまった。でも内容はそれぞれの思惑が交錯していて面白い。最後、すっきりとミステリ解決。でもね…なんだか
シュヴァルツが救われないような気持ちが残ってしまう。だって、子供や孫の待つ時代には戻れないのだから…。すっきり終わらせてはあるのだけど、私はモヤモヤしてしまった。

2014年5月20日火曜日

ジュリアス・シーザー (新潮文庫)

シェイクスピア著 福田恒存訳
(カバー裏より抜粋) "おれはシーザーを愛さぬのではなく、ローマを愛したのだ" 高潔な勇将ブルータスは、自らの政治の理想に忠実であろうとして、ローマの専政君主シーザーを元老院で刺殺する。

 主人公はシーザーではなくブルータスなのか。ブルータスの高潔…正しくあろうとして、失敗を犯す。アントニーを生かしておくという大失態。そして自らが追いつめられる。なんというか、始めから行き当たりばったりを認めているからね、本人達が。そしてシーザーの幽霊を見るというのは、自らの行動への疑問というか自責の念があるのだから、やめておけばよかったのだ。理想に酔い、自分を見つめる事のできない人物でもあったのか?
 シェークスピアのブルータスは高潔の人だけれど、実際のブルータスはどういう人物だったのだろう。立派に描かれれば描かれる程に気になる。

ソクラテスの弁明 クラトン (岩波文庫)

プラトン著 久保勉訳
(カバー裏より抜粋)プラトンの初期の作であるが、芸術的にも完璧に近い筆致をもって師ソクラテスの偉大な姿を我々に伝えている。

 私は俗人です。正直読んでいて、ソクラテスのような人が周囲にいたら嫌だな…と。何というか賢いのだけど、適当な周囲との付き合いに対してはバカだなと。本人にとってはそれが正しい生き方なのだから余計なお世話なんだけど。でも、自分が賢者か確かめるために他人を貶めているようにしか思えないし、恨まれて当然だし…。
 ま、生き方も考え方もそれぞれという事で。

2014年5月19日月曜日

ミクロの決死圏 (ハヤカワ文庫)

アイザック・アシモフ著 高橋泰邦訳
(カバー裏より抜粋) 手術不可能な脳内出血で昏睡状態にある彼を救うため、医師らを潜水艇ごとミクロ大に縮小し、博士の体内に注入する事になるが!?

 例えば「あり」から見た世界は?生物は大きさによって世界観は全く変わるだろう。人間だって子供の頃と大人になってからでは、世界観も時間感覚も大きく変わる。ましてや体内、そこは一つの宇宙。体内の描写はこの作品の魅力の一つ。白血球ってどんなだろう。そして体内で主人公たちに襲いかかる困難。とても面白い作品なのですが、著者は不満だったようです。

2014年5月18日日曜日

アントニーとクレオパトラ (新潮文庫)

シェイクスピア著 福田 恒存訳
 (カバー裏より抜粋)多様な事件と頻繁な場面展開を用い、陰謀渦巻くローマ帝国を舞台に、アントニーとクレオパトラの情熱と欲情を描いて四大悲劇と並び称される名作である。

 アントニーが実に人間らしく描かれている。強さと弱さ、海戦の最中、女の尻を追っていくなんて本当に情けなくてそして人間臭い。シーザーは逆に魅力を感じないな。主役じゃないから仕方ないか。クレオパトラは…ここで描かれている限りは根っから女といった雰囲気。実は国を守るために…という話もあるけど、シェイクスピアの戯曲の中ではの印象。私は面白かった。今時の人にはどうかな??

2014年5月15日木曜日

砂男/クレスペル顧問官 (光文社古典新訳文庫)

ホフマン著 大島かおり訳
 サイコ・ホラーの元祖と呼ばれる、恐怖と戦慄に満ちた傑作「砂男」。芸術の圧倒的な力とそれゆえの悲劇を幻想的に綴った「クレスペル顧問官」。魔的な美女に魅入られ、鏡像を失う男を描く「大晦日の夜の冒険」。ホフマンの怪奇幻想作品の中でも代表作とされる傑作3篇。(Booksデータベースより)

 人間が何より恐ろしい…。狂気…それが幻か現実なのか分からないけど、主人公たちは運命を狂わせていく、周囲を巻き込んで。いつも思うのだけど、周囲の人間の我慢強さには本当に驚いてしまう。「砂男」のクララには「もうほっとけば??」とか思ってしまう。その点「大晦日の夜の冒険」の奥方はよかった。突き放し方が最高。

2014年5月12日月曜日

火星の笛吹き (ちくま文庫)

レイ・ブラッドベリ著 仁賀克雄訳
レイ・ブラッドベリの短編集。20編はかなり多い。SFというジャンルだけには収まりきれない作品ばかり。

 SFというよりファンタジーの趣のある作品が多いような印象。 科学的かと問われれば否という作品が多い。でも、ロマンチックがいいのですよ。
「地球のはぐれもの」真実とは?人間の幸せとは?エカテリーナ女帝は幸せだと思う。
「海中の監視者」うーん、ロマンすぎるでしょう。
「宇宙ヒッチハイカー」ヒッチハイカー…恐…。

変種第二号 (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 大森望編
「変種第二号」「ゴールデンマン」と映画化された作品を含む短編集。初翻訳の「戦利船」も掲載。

 他の短編集に収録されている作品が多いかな。私の未読は「戦利船」「奉仕するもの」「歴戦の勇士」。「戦利品」は設定が面白い。非科学的かどうかはさっぱりだけど。あの文学は実は…とか考えると楽しい。「歴戦の勇士」もそういうことみたいな感じで良かった。「奉仕するもの」は後味が悪いというか…ディックの作品に後味を求めてはいけないのだが…。
 「変種第二号」は何度読んでも怖い…。

2014年5月7日水曜日

にょっ記 (文春文庫)

穂村弘著
 歌人穂村弘の日記。体の力を抜いて穂村ワールドを楽しもう!

 穂村弘氏は歌人である。言葉のプロである。彼のエッセイの類いはとても面白い。この日記も面白い。難しいことは考えずに、ただただ楽しもう。

2014年5月6日火曜日

おとぎの国のモード (勁草書房)

酒井妙子著
 なぜ絵本に登場する動物達は服を着ているのか?児童文学からその謎、理由を解き明かす。

 服を着ている事に何の疑問も感じた事がなかった。ああいうのは擬人化だから、人が服を着ているのと一緒といった感じで。だから、この本に興味を持った。これは人の衣服の意味にも通じるから。著作の中で、様々な文学、絵本の登場人物の衣服について考察されている。そしてそこから浮かび上がる、人間社会。使われている挿絵がイギリスの古い時代を感じさせて、これもとてもいいです。

宇宙ランデブー (ハヤカワ文庫) その2

アーサー・C・クラーク著 山高昭訳
 ラーマ2が出現。再び調査隊が組織され突入した。それぞれの思惑が交錯、地球はラーマを危険と見做し、核弾頭を発射する。

 前作より人間臭くなってしまった。叙情詩的な部分は無くなり、人間たちの思惑が交錯する。ここから先主人公は最終巻までニコルという女性。ラーマ人なども登場。正直、がっかりした。本当に普通のSFになってしまったから。宇宙人の描写とか止めてほしかったよー。
 否定的な事ばかり書いてしまった、ごめんなさい。ストーリーとしては、山あり谷ありで面白いです。ラーマ3の中で地球より乗り込んだ地球人が、地球と同じ組織を作り上げる。当然と言えば当然。その中でニコルは自分の正義を貫く。そして最後まで自分の生き方を自分で選択する。その当たりは気持ちいい。その子供達はそれぞれの生き方を持つが、母であるニコルのロボット(だったっけ) を生活の中に置くものも現れる。ニコルの絶望…は大げさだけれど、それは自分の存在への否定にもつながるだろう。あー、こういう展開って2001年宇宙の旅でもあった。続刊がだんだんと人間臭くなっていくのよね。

空飛ぶ円盤地球襲撃す (1956 アメリカ)

フレッド・F・シアーズ監督
観測衛星が破壊される事件が発生。マービン博士は空飛ぶ円盤と遭遇する。やがて空飛ぶ円盤に攻撃される事件が多発。彼らは地球を第二の故郷としようとしていた。

 続けてみたハリーハウゼンものの中では一番の出来。円盤や宇宙人の造形は…だけど、空飛ぶ円盤の動きと破壊力は魅せてくれます。何より核を安易に使わなかった事は拍手。で、ヒロインの胸はやはりしっかりしていました。
 最後は音波のような武器でやっつけていましたけど、マーズアタックはここからきてるのか、と。やはり古いSFはいいなー。

地球へ2千万マイル (1957 アメリカ)

ネイザン・ジュラン監督
イタリア海岸沖にロケットが墜落。金星より帰還したロケットは金星生物を持ち帰っていた。生物は孵化し巨大な怪獣となる。

 ハリーハウゼンの特撮もの!!です。怪物の動きは「あー、ハウゼンだー」みたいな感じで、堪能できます。象との絡みとかどういうふうに撮影したの??先に象?演技させるのが大変だ。
 で、ストーリーですが…。怪物を博士に売りつけた上、軍からお金を巻き上げたぺぺ少年だったっけ、色々な意味で大物になると思われます。ヒロインとヒーローの絡みはありがちで、ヒロインの胸は相変わらず凄いなと。ところで死病の設定は??感染はしないのね。すでにロケット墜落で突っ込めるし。んで象は基本おとなしい動物だし、あんな怪物と対面したら逃げないか??巨大になった生物をあんな陳腐なところに縛り付けただけで、何安心してるの??…古い映画にツッコミを入れるのは間違っていると思うのだけど、ま、それも楽しみの一つかな、と。
 最後に敗れた怪物が再び目を開かないところが、時代だな。現代だったら絶対もう一暴れがある、絶対。 

2014年4月30日水曜日

水爆と深海の生物 (1955 アメリカ)

ロバート・ゴードン監督
 原子力潜水艦が巨大な物体を発見、追跡され囚われそうになる。調査を担当したカーター教授、レズリーによって、この巨大生物がタコである事が判明した。

 ストーリーはありがちで陳腐です。ヒーローとヒロインはすぐにできてしまう、タコだといっても信じてもらえない、犠牲者が出る。やっと本格的な対策が…。で、みなさん、放射能に耐性ありすぎ。時代だから仕方ないけど。でも何と言ってもハリーハウゼンの特撮!!かなりの低予算映画のようですが、タコは中々の迫力。でもあまりタコの全体像がでなくて足だけのシーンが多い。ま、タコの価値は足ですから、いいっか。橋を壊すシーンが見所。あと、ヒロインの胸かな。しかしなぜ巨大なタコが海に居るのに、みんなフェリー乗り場に集まるの??

2014年4月22日火曜日

宇宙ランデブー (ハヤカワ文庫)

アーサー・C・クラーク著 南山宏訳
太陽系に突如現れた謎の物体「ラーマ」(地球人命名)。ついに宇宙人とのランデブーかと思いきや…。
内容紹介

 あくまで私の印象なのだけど、アーサー・C・クラークの作品は全体に淡々としていると感じる。悪い意味ではない。叙情詩といってもいいかな。特にこの作品ではそれを感じた。内容は起伏に富んでいるし、ラーマの内部の探検は私たちに別世界を体験させてくれる。あ、そっか、敵が存在しないからか。まだまだこの作品は序盤で、いずれ続きを読んでいくつもりなので、またその時に。で、クラークって本当に海が好きなんだ。

今日の積ん読

砂男/クレスペル顧問官 ホフマン 光文社古典新訳文庫
変種第二号 フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫
にょっ記 穂村弘 文春文庫

 あら、2月から買ってなかったんだ。なかなか読む時間が少ないのも泣き所。異動で勤務時間が変わるし、自分で時間の裁量がきく仕事になるから、昼休みも人の居ない時間狙えってもう少し読めるようになるだろう。どうしてもパート同士のおしゃべりというお付き合いはあるのです…。 
 フィリップ・K・ディックの短編集は地道に出版されています。ファンとしてはとても嬉しい。「砂男/クレスペル顧問官」はなぜ買おうと思ったのだろう??「にょっ記」は新聞の本のコーナーで紹介されていた。穂村氏のエッセイも作品も好きなんだ。あと、漫画だけど「ローゼンメイデン10」を購入。ついに最終巻。長いおつきあいだったわー。最後の落ちは賛否両論あるけど、私としてはいいんじゃないかな、と思った。ちょっと絵が荒れている気もしたけど…。
 あと、アフリエイトっていうのを始めようかと。 はっきり言うと貧乏なんです。別の生活ブログに色々書いているけど…。ま、読んでいる人が居るのか非常に疑問なブログですけど。

2014年4月4日金曜日

遊星よりの物体X (アイ・ヴィー・シー)

監督 クリスチャン・ナイビー
(カバー裏より抜粋)極寒の極地に強烈な放射能を放つ空飛ぶ円盤が墜落した。ー中略ー 恐るべき姿を現した生命体を放置すれば人類は絶滅する。

 「遊星からの物体X」はこの作品のリメイク版で、原作はジョン・W・キャンベルの「影が行く」 。1951年制作の作品なのでツッコミどころは多いのですが、そういう事は無視しておけば、楽しめる作品です。配役などはありがちで、ちょっといっちゃってる科学者…こいつが生き残ったのが気に入らない…正義感の強い軍人とその恋人、その他大勢と物体Xといえばワンちゃんたち。モノクロの画面は夜の場面を際立たせ、黒い衣装の物体Xへの恐怖を盛り上げてくれます。ちょっと物体Xがフランケンシュタインの怪人みたいだったのは時代だから仕方ないか。SFもののセオリーをキチンとこなした作品です。現代のSFXやCGとは違う良さがあると思います。古いSF作品に私が好感を持つのは、昨今の作品の後を引くというか次回作を意識したエンディングではなく、きっちり終わらせてくれるところかな。「遊星からの物体X」は有名な名作ですが、原作の「影が行く」も名作なので、ぜひご一読を。

2014年3月19日水曜日

一枚の絵から 日本編・海外編 (岩波書店)

高畑勲著
(内表紙より抜粋) 漫画映画監督である著者は、美術への強い関心から、こまめに展覧会に足を運びー中略ー思いと興味はいろいろに、一枚の絵から広がる豊かな世界。

 まず、内表紙の「漫画映画監督」に引っかかった。漫画とアニメは別物だろ…。全然分かってない奴が紹介文書いてるだろ…。
 日本編・海外編それぞれ一冊になっている。 著者が自分の気に入っている作品について考えを述べている…というかエッセイっぽいかな。私は油絵はあまり好まないので、どうしても日本編のほうを面白く思った。絵巻っていいよねー。一度私自身も現代絵巻みたいなものを作ってみた経験があるのだけど、難しかった。でも、漫画やアニメと違う良さがあるのよ。あと、徳川家康の肖像画。なにかで観た覚えがあるのだけど、その由来を初めて知った。他にもこんな面白い作品があるんだ、と興味を湧かせてもらった。あー美術館とか行きたい。本当にご無沙汰だ。海外編もインド、中国の作品はいいなー。エル・グレコの「受胎告知」、誰か漫画家の絵に似ている。この作品自体が漫画チックに思えた。他にも幅広く収められているので、興味のある方、監督のファンの方はぜひ。

2014年3月13日木曜日

短篇 小説日和 英国異色傑作選 (ちくま文庫)

西崎憲編
(カバー裏より抜粋) 短編小説はこんなに面白い!十八世紀半ば〜二十世紀半ばの英国短編小説のなかから、とびきりの作品ばかりを選りすぐった一冊。

 ホラーっぽいものからファンタジーっぽいものまで、幅広く収められている。純文系はないけど。お気に入りは「羊飼いとその恋人」。主人公のミス・ギレスピーは苦労の中で頑張ることに生き甲斐を感じる人。平穏な人生の中では彼女は、空気の読めないおせっかいなんだけど、苦労を背負うことによってその性格が良い方向に生かされる。ミス・ギレスピーの気持ちわかるわー。で実は導きが…みたいなお話で、オチもよかった。「八人のみえない日本人」もいい。こういう女いるよねー、みたいなお話。日本人の存在がよく効いている。特に気に入ったのを上げてみたけど、他のお話も良質。同じ編者の「怪奇小説日和 黄金時代傑作選」は正直いまひとつだったのだけど、こちらはわたしにとっては当たり。

2014年3月12日水曜日

バベットの晩餐会 (ちくま文庫)

イサク・ディーネセン著 桝田啓介訳
(カバー裏より抜粋) 女中バベットは富くじを当てた1万フランをはたいて、祝宴に海亀のスープやブリニのデミドフ風など本格的なフランス料理を準備する。その料理はまさに芸術だった…。

 淡々とした文章なかに隠された登場人物たちの人生。人は芸術に触れるとき何を想うだろう。絵や音楽に心を打たれるように、登場人物たちは、料理に心を打たれ、長い間の小さなしこりを溶かしていく。そしてそれを読む私も、文学という芸術に触れて、心温かになった。
 で、同時収録の「エーデンガード」。実は表題作よりこちらの方が長い。物語というか童話といってもいいかもしれない。心強き乙女の忠誠の物語。カゾッテ氏の赤くなった顔を想像して楽しかった。

2014年3月11日火曜日

バイオハザード5 リトリビューション (ソニー)

監督 ポール・W・S・アンダーソン
主演 ミラ・ジョヴォヴィッチ
(カバー裏より抜粋)アンブレラ社が開発したT-ウイルスが蔓延し、地球はアンデッドに覆いつくされようとしていた。人類最後の希望であるアリスはアンブレラ社に囚われ、ある極秘施設の中で目覚める。

 とにかくアクション!ストーリーなんて添え物です。流れていればOK。メインはアクション、時々ドラマでいいのです。特に舞台が海中施設で、完全な箱庭状態。下手に広い舞台…砂漠や制限なしの街中より、バイオハザードには合っていると思う。1、2が楽しめた人なら楽しめるのでは?と。ちょっとアクションが冗長かなと思うところもあったけど。ラスボスが意外な人だった。最後のゾンビの群れ…吸血蝙蝠化した鳥たちが中々よい。でも何もかもがいいというわけではなくて、吹き替え…。特にエイダ…。棒読みにも程があるだろ。あと、ジルは黒髪のほうがよかった。レオン、美青年…(泣)。
 しかし、登場人物がコロコロ変わる。Kマートやクリスはどこ??

2014年3月9日日曜日

時は乱れて (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 山田和子訳
(カバー裏より抜粋) レイグル・ガム。新聞懸賞クイズに2年間ずっと勝ち続けてきた全国チャンピオンだ。ある日同居する弟夫婦の子供が、近所の廃墟からひろってきた一冊の古雑誌が引き金となって、彼を驚くべき真実へと誘ってゆく。

 ディックだなー、良い意味で。読み始めはごく普通の生活…懸賞で生活できるのかは疑問だけど…。その中に綻びができ始める。作られた箱庭、出口がない。考えると気が狂いそう。でも今作の主人公は正常。正常のまま自分の決めた道を歩んでいく。ディックの作品としては珍しい??箱庭の中に居た参加者が気の毒。マーゴ、ヴィック、サミーなんて子供で…。レイグルが居なくなった後、元に戻れるのか??ま、余計なこと考えずに箱庭からの脱出と真実 (ちょっとうーんだった) を楽しもう。

2014年2月24日月曜日

今日の積ん読

バベットの晩餐会 イサク・ディーネセン ちくま文庫
お菓子の髑髏 レイ・ブラッドベリ ちくま文庫
時は乱れて フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫
ルネサンス 経験の条件 岡崎乾二郎 文春学藝ライブラリー
一枚の絵から 日本編・海外編 高畑勲 岩波書店
遊星よりの物体X クリスチャン・ナイビー監督

 久しぶりに本を買ったー!!他にまたまたぬりえの本。「ロージー・フローのぬりえ」可愛い。「秘密の花園」これは細かい。色鉛筆かな。ロージーはクレヨンもよさそう。画材はいい。見ているだけで楽しい。最近は田舎でも、そこそこのものは手に入るようになったけど、やはり都市部の大手の画材屋さんには全然かなわない。最近は出かけるのが億劫になってるけど、ゆっくり見に行きたいな。

読んでない本について堂々と語る方法 (筑摩書房)

ピエール・バイヤール著 大浦康介訳

 タイトルだけ読むと、読んでいない本を読んだふりしてみせるかというハウツー本のように思える。そういう側面もないとはいえないし、ハウツー本かなといえばそうかも。何がいいたいのやら。本を読むということを再考するための本かな。本を本当に読んでいるのか?読むという行為の意味と価値。本を読まねばならない状態、状況での自分自身への脅迫。難しくない程度に考えることを要求され、また、「わー私もあるある!!」状態になる本です。書かれていることは、本だけではない日常にもあてはまるのです。

2014年2月21日金曜日

過去カラ来タ未来 (パーソナルメディア)

アイザック・アシモフ著 監修:石ノ森章太郎

 無名のイラストレータージャン・マルク・コテのカード作品を、アイザック・アシモフが解説している体裁をとったイラスト集。日本版のタイトルが中々良い。序章でアイザック・アシモフが "楽しい空想を描いたイラストレーターを大いに讃えようではないか" と述べているが、本文ではひたすら突っ込みまくりである。ちょっとイラストレーターが気の毒になってしまう。でも、それがアシモフの愛なのだろう。ま、ちょっとプロペラが回ってなくても、空中で停まっていても、水中でドレスを着こなしていてもいいじゃないか。あとp59の "ピルのディナー" (避妊薬ではなくサプリメント全般のこと) に関しては、行き過ぎたダイエットしている人はこの食事やっているのでは??という気がする。p65の "勉強詰め込み機" は昔懐かしい睡眠学習を思い出してしまった。こういうイラスト集は眺めるのが楽しくて仕方ない。

2014年2月13日木曜日

痴愚神礼讃 ラテン語原典訳 (中公文庫)

エラスムス著 沓掛良彦訳
(カバー裏より抜粋)ルネサンス期の大知識人エラスムスが、友人トマス・モアに捧げた驚天動地の戯文。

 説明には「驚天動地の戯文」とあるけれど、あくまで時代背景から考えてということで。現代なら大したことはないけど、キリスト教全盛期(なのかな) にこれを書くのは中々凄い。いくらパロディっぽくみせていても。現代人の私としての感想は「にんげんだもの みつお」って感じかな。後半はちょっと飽きがきてしまった。解説読んでから読む方がいいかもしれない。

2014年2月11日火曜日

師匠シリーズ「師事」 (双葉社)

 ネットのオカルト系で有名なシリーズ。ついに単行本化。これ、日本文学でいいのか??と自問。もっと分類多くすれば良かった。過去の直すの面倒だし…。でも、ライトノベルとSFを増やそう。
 内容は、著者で主人公のウニ氏が体験、又聞いたオカルトのお話。私の好きなのは「貯水池」。理由は大好きな加奈子さんが登場しているから。あと「将棋」がよかった。「田舎」は弓矢は何処からきたの?とか色々疑問が…。ファンブックみたいなところがあるから、初見で購入されると意味不明な作品かもしれない。ネットで「師匠シリーズ」で検索すると、過去にネットに投稿された作品が読めるので、気になっている方はそちらを読んでみて、楽しめそうなら購入してみるといいと思う。私は師匠シリーズの朗読サイトで嵌ってしまった。上手な人が読むと、本当に楽しめるのよー。

2014年2月7日金曜日

ファウンデーション 銀河帝国興亡史1〜3 (ハヤカワ文庫)

アイザック・アシモフ著 岡部宏之訳
(カバー裏より抜粋)第一銀河帝国は、何世紀にもわたってすこしずつ、だが確実に荒廃と崩壊をつづけていた。しかし、その事実を完全に理解している人間は、帝国の生んだ対語の天才科学者ーハリ・セルダンただ一人であった。

 1〜3まで読んだ。各巻ごとに主人公も時代も流れていく。前知識が全くなかったので、あららだった。戦闘シーンなどは皆無…といってはいいすぎだけど、ほとんどない。だいたいが会話で進んでいく。そのやりとりの面白さがキモなのかな。正直に言います。私はアシモフの作品は好きなものが多いです。でもこれはちょっと合わなかった。人気があるのは理解できるし、素晴らしい作品なのですが…好みの問題かな。でも3は好きかな。アーカディアの行動力が好きだ。

夜明けのロボット 上・下 (ハヤカワ文庫)

アイザック・アシモフ著 小尾芙佐訳
(カバー裏より抜粋) 惑星オーロラで、ベイリはジスカルドとダニールというふたりのロボットとともにロボット破壊事件に取り組むが、捜査は難航をきわめる。

 アシモフのロボットシリーズ。人間の弱点ー外見で判断するーそれを間違いとするか、そうでもないとするか、難しいところ。実際この作品もそこがポイントとなっている。人間に近い外見を持つ存在は、近ければ近いほど優れていると考えてしまう。ロボットアニメも (昨今のアニメについてはよくしらないけど) 人間型は多いと思う。序盤・中盤といろいろ起こるのだが、やっぱり最後が見所。裁判からベイリの推理した真実。中盤だらけても、最後が面白いので、頑張って読んで下さい。

変数人間 (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 大森望訳
(カバー裏より抜粋) すべてが予測可能となったになった未来社会、時の流れを超えてやって来た謎の男コールは、唯一の不確定要素だった。ー中略ー超能力&サスペンス全10篇を収録した傑作選。

 既に別の作品集に収録されている作品も何編かあるけれど気にしない。気に入ったのは「あんな目はごめんだ」。小説の表現をそのまま現実に置き換えたら…という話だけれど、こういうの楽しい。確かにあんな目はごめん被りたい。今ひとつ意味不明だったのは「猫と宇宙船」メクノス人側の考えが…所詮私は地球人。で、表題作の「変数人間」。色々突っ込みどころにはあるにしろ、それを楽しむのが通というもの (何だそれw) 平凡な人間が実は天才とかいう設定が好きなんです、ごめんなさい。

市に虎声あらん (平凡社)

フィリップ・K・ディック著 阿部重夫訳

 核戦争、新興宗教、セックスと暴力、迫りくる黙示録の恐怖、狂気の主人公と主人公に依存する奥さん。この作品はSFではないが、いかにもディックの描く作品と主人公。狂気がすぐ裏側に隠れている。そして、自己破壊に走る。迷惑を受けたのは、思いっきり一般人のファーガンス。あなたのせいじゃないよ、気に病むなよ、と言ってあげたい。主人公は狂気だが、その嫁さんもどうかしている。どうみても狂っていて、子供を危険な目に遭わされ、普通なら逃げ出すし逃げ出していもだれも非難しないだろう、という状況でも側を離れない。とにかく狂っていく過程に引き込まれていく。いや始めから狂っていたのかもしれないけど。

2014年1月31日金曜日

レディーの赤面 (勁草書房)

坂井妙子著

 「ヴィクトリア朝社会と化粧文化」というサブタイトル。化粧文化についての著作かな、と思い読み始めた。…赤面がメインとは!!タイトルは赤面だから正しいのだけど。とにかく驚いたのは、赤面についてダーウィンも研究していたこと。観相学から入り、有名小説における赤面を取り上げ、そこにまつわる化粧との関係。私も緊張しやすくて赤面することが多いのだけれど、これほど赤面が奥が深いものとは思いもしなかった。
 挿絵は良かった。あの手のイラストは大好き。テーマにされている時代を醸し出していて、本文とも合っていた。

2014年1月25日土曜日

ジェイン・オースティンの読書会 (ちくま文庫)

カレン・ジョイ・ファウラー著 中野康司訳
(カバー裏より抜粋) ジョスリンは、友人たちと「ジェイン・オースティンの読書会」を企画する。個性的な6人が毎月オースティンの長編小説6冊を読み進めていく中で、思いもよらないさまざまなドラマが次々と繰り広げられる。

 ジェイン・オースティンに関しては、読んだことはない。「エマ」は映画は観たことがあるといった程度。でも、それぞれの章でテーマになる作品については巻末で説明があるし、よく知らなくても問題なく楽しめる。もちろん知っていればもっと楽しめるだろう。作品の批評と平行して、登場人物の人生が語られる。この辺りの絡み方はうまいと思った。最後は気持ちよく終わってくれているのも良かった。一人、超羨ましい人物がいた。私とは正反対の人生だ。憧れるー。

今日の積ん読

痴愚神礼讃 エラスムス 中公文庫
読んでない本について堂々と語る方法 ピエール・バイヤール 筑摩書房
師匠シリーズ「師事」 ウニ 双葉社

 この他に「刺し子の技法」と「ぬりえの時間 フランスからやってきた大きなぬりえブック」を購入。刺し子は前から興味があって、やりたかったから。まず基礎から。塗り絵は脳みその老化防止のため。表紙のクジャクが印象的でポチッとしてしまった。
 で、いい歳して師匠シリーズ買ってしまった。パラッと中を見たのだけど、私の大好きな加奈子さん、出てこない??ガーン!! 加奈子さんのために買ったのに…。いいけど…。
あと、ローゼン・メイデン、終わっちゃった。

2014年1月21日火曜日

夢幻諸島から (早川書房)

クリストファー・プリースト著 古沢嘉通訳
(カバー裏より抜粋) 時間勾配によって生じる歪みが原因で、精緻な地図の作成が不可能なこの世界は、…中略… 死と狂気に彩られた〈夢幻諸島〉の島々には、それぞれに美しくも儚い物語があった。

 読み始め、かなり退屈を感じた。本当に夢幻諸島の観光案内かよ?みたいな印象で。読んでいくうちに、作品の構成というか島々のつながりが理解でき始めて、色々な軸の物語が折り重なっている面白さに引き込まれた。もっとも物語が連続している訳ではないので、登場人物の名前が覚えられずに、何度もこの人物はこのエピソードの人かと確認に戻ったりしてたけど。あと、カウラーのエピソードは、時間軸が今ひとつ分からない。時間勾配の歪みによるものなのかな。
 本文部分の紙質にちょっとびっくり。黄色い。日焼けかと思った。始めからだろうけど。

2014年1月18日土曜日

怪奇小説日和 黄金時代傑作選 (ちくま文庫)

西崎憲編訳
(カバー裏より抜粋) 古典的な怪談から新感覚の恐怖譚まで、本物の恐怖と幻想を呈示する本格的怪奇小説アンソロジー。巻末に怪奇小説論考を収録。

 ここのところ オカルト話に凝っているので、ちょっと買ってみた。結果、昨今の都市伝説等々に毒されている自分を知った。正統派の怪奇小説が読みたい方にはお薦め。ネットのよた話がお好みの方は止めておいた方がいい。ゾクッとするとか言う感じではなく、じんわりとした怖さというか、うん。「七短剣の聖女」に関しては言いたい。何だ、この馬鹿男は…。

2014年1月15日水曜日

ザ・ペンギンズ from マダガスカル パトロール隊始動

監督 ブレット・ハーランド
(カバー裏より抜粋) ペンギンズが新たな任務にチャレンジ。今回はドクター・シオフキーに空飛ぶシャチなど、新しい仲間たちも登場。

 今回は新人が活躍するアニメが多かった。キング・ジュリアンは相変わらずで、安心して楽しめます。ちょっとマンネリ気味。

ザ・ペンギンズ from マダガスカル ミッションはインポッシプル?ポッシブル!?

監督ブレット・ハーランド
(カバー裏より抜粋) ペンギンズの大活躍のエピソードがぎっしり。得意のアクションも満載。ハチの襲撃やゾウの脱走など、動物園は今日も大騒ぎ。

 「クール&ヒート」うまくやったつもりが…相手が上手だったのが面白かった。あと、チラチラ意外な一面が見えてきて、それが楽しい。リコの意外な…というかありがち設定かもしれないけど、お人形趣味が素敵。 キング・ジュリアンが実はマリーンに…等々。お子様向けなので、毒気が少ないのが哀しい。

2014年1月1日水曜日

今日の積ん読

バイオハザードV ポール・W・S・アンダーソン監督 ソニー
宇宙人ポール グレッグ・モットーラ監督 ユニバーサル

 明けましておめでとうございます。本自体はそこそこ読んでいるのだけれど、感想かけてない。でも、自分で決めたことだから、ちゃんとやろう。今年は読んだら即書き込み。しっかしDVDは全然観てない。本を読む手軽さがないのが面倒くさがりの私にはきつい。でも買う。購入した2本は映画公開時に1000円になったら買おうと決めていた一品。バイオシリーズはとことんつき合おうと思う。だんだんつまらなくなってるけど。1と2が面白かったなー。
 他のお買い物も色々いいものがあって、今更なのも多いけど、別ブログで書いていこうと思っている。うん、思っている…。
 31日まで仕事+残業で疲れた。持病の腰痛が悪化。薬のドーピングが効かない。今日元旦だけはゆっくりする。