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2025年3月19日水曜日

魚で始まる世界史(平凡社ライブラリー)

 越智敏之著
(カバー裏より抜粋)都市の興隆を、自由と独立の精神を、ヨーロッパ近代をもたらしたー。魚でたどる目からウロコの世界史。

 ヨーロッパ…フランスとイギリスとオランダがメインで登場する国。となるとキリスト教と魚の関係が軸となります。断食でも魚はOKというところから話は始まります。そしてキリスト教の教派内の争いまで。
 
 そして漁の話へ。登場する魚はニシンとタラがメイン。そして国家間の争いから経済の変化、漁師の扱いなど魚をメインにして多岐のお話となります。一般の人が知っている話から知られていない話まで、なかなか興味深くて面白く読めました。
 私的にはお勧めの一冊。素人でも楽しめますよー。

2025年1月31日金曜日

サラゴサ手稿上・中・下(創元ライブラリ)

ヤン・ボトツキ著 工藤幸雄訳
 
(カバー裏より抜粋)サラゴサ包囲戦中、無人の館でエスパーニャ語の手稿を発見したフランス軍士官がその後捕虜となる。彼の持つ手稿が自分の先祖の物語だと知った敵の隊長は喜び、その物語を彼にフランス語に訳し聞かせた。
 
 なぜこの本を買ったかというと「パケ買い」でしたw そしてちょっと内容読んで「面白いかも」と。大概外れるのですが、これは当たりでした。

 カバー裏にあらすじありますが、どうでもいいかなですね。これの面白さは千夜一夜物語と同じです。物語が入れ子になっているところ。ただし千夜一夜では話し手と聞き手は同じ人物ですが、こちらは話し手は変わる、聞き手は主人公以外は変わります。
 話の内容は今時の人にはつまらないかも。私は面白かったけど。話し手によってはつまらないけど。面白い話し手が続くのではなく、途中で別の話し手の別の話になってしまって、また戻ってくるみたいな形です。基本は恋の話。こんなクズ男捨てろよとマジ思うパターンが多いですが、時代背景を考えると仕方ない。
 
 お勧めできる本ではないです。マジで。趣向で読み手選びますねー。本屋さんで内容確認してから買うべき作品です。

2017年8月25日金曜日

三惑星の探求 (ハヤカワ文庫)

コードウェイナー・スミス著 伊藤典夫・酒井昭伸訳
(カバー裏より抜粋) 〈人間の再発見〉の第二世紀。美しい砂の惑星ミッザー生まれの放浪者キャッシャー・オニールの驚異の冒険を描く〈三惑星の探求〉全4篇。

 待ちに待った「人類補完機構」完結編。主人公は母星を取り戻す為に星を放浪している。母星は独裁者の手に落ちている。「宝石の惑星」は今ひとつなのだけど「嵐の惑星」が面白い。亀少女「ト・ルース」が完璧過ぎ。そして私の好み過ぎ!!ご主人様のために長い時を生きる少女。主人公が霞んでる。そしてチート過ぎ。何と亀少女の力を主人公にトレースする、みたいな。
 簡単に母星に送り返されて、独裁者を超能力で改心させハッピーエンド。そして主人公は次の旅へ。ちょっと簡単過ぎでは…と思う部分も。そして旅の途中では、みなが主人公にひれ伏すみたいな。面白いのですが、後半ちょっとな部分もあります。

 あと、短篇が8編。短篇は中々面白かったです。個人的には「達磨大師の横笛」が良かった。救済も破滅も自由に選べる横笛がたどる運命。穴を閉じるか開くか。最後のオチが…。「親友達」…つらいなー。許されるべき妄想…。彼は彼らを待ち続けるのか。

 著者は早世されていて、作品が少ないのが本当に残念です。作品集はこれが最後かな…。

2016年4月1日金曜日

さよなら、ロビンソン・クルーソー (創元SF文庫)

ジョン・ヴァーリィ著 浅倉久志・大野万紀訳
  (カバー裏より抜粋) 少年少女が過ごす冥王星での"夏休み"の終わりを描く表題作をはじめ6編を収録。

 〈八世界〉シリーズ短編の2冊目。飲み込みの悪い私も、ようやく〈八世界〉が観えてきました。一番のお気に入りは「イークイノックスはいずこに」。現在と過去が入り組んでいるので、一読目は意味がよくわからず、再度読んでみて理解、そこから面白くなりました。究極の共依存!!のお話。「ブラックホールとロリポップ」も面白い。本当にブラックホールは意志を持ち彼女と接触したのか、それとも神経障害か??他の作品もお勧め。最近一番のお気に入りの作家です。手に入る作品は少ないのが残念。

2016年3月27日日曜日

さあ、気ちがいになりなさい (早川書房)

フレドリック・ブラウン著 星新一訳

収録作品…みどりの星へ ぶっそうなやつら おそるべき坊や 電獣ヴァヴェリ ノック ユーディの原理 シリウス・ゼロ 町を求む 帽子の手品 不死鳥への手紙 沈黙と叫び さあ、気ちがいになりなさい

 この作品集の目玉は「星新一訳」でしょう。他の短編集に収録されている作品もあるので、比べてみるのも楽しいかも。フレドリック・ブラウンの作品は元々読み易いし、そして星新一なのでお勧めです。
 私のお気に入りは「みどりの星へ」みどりの星地球へ帰るという望みが彼の望み。「ぶっそうなやつら」。目の前にいる男が脱走犯かもしれない…。いつでも攻撃態勢に入れるよう態勢を整えて…お互いに。こんな二人の間にまんまと脱走犯が…。「沈黙と叫び」音とは何か?男は本当に聞こえないのか?なぜ毎日同じ場所へくるのか?「さあ、気ちがいになりなさい」表題作。自分を偏執狂だと思っていたら実は…。そして本物へ。狂気とと正気とは…。
 軽く読み易いのですが、中々奥の深い作品ばかりです。

2016年2月7日日曜日

サキ短編集 (新潮文庫)

サキ著 中村能三訳
 (カバー裏より抜粋) 豊かな海外旅行の経験をもとにして、ユーモアとウィットの糖衣の下に、人の心を凍らせるような風刺を隠した彼の作品は、ブラックユーモアと呼ぶにふさわしい。

 「O・ヘンリと並ぶ短篇の名手」?しまった、私の趣味と違うの買ってしまった…。とりあえず読んでみたら面白い…というか黒い。結末が悲劇ではないのだけれど(悲劇もあるけど) うわー…みたいな感じで。推理ものではないけど、それに近いひねりのある結末。黒いのがお好みの方にお勧め。

2013年1月29日火曜日

最期からニ番目の真実 (創元SF文庫)

フィリップ・K・ディック著 佐藤龍雄訳
(カバー裏より抜粋) 世界を二分して終わりなくつづく核戦争。…略…戦争は10年以上前に終結しており、少数の特権階級の支配する世界ができあがっていたのだ。 

 始めに登場人物の紹介があるのは助かる。名前覚えるの、苦手で困る。で、主要な登場人物は主人公ニコラスとアダムス、ランターノ。他にも確かに登場はしているのだけれど、影が薄い。主要人物のはずなのに影が薄いんだ。正直、主要な登場人物三人も何か影の薄さを感じる。最後あたりの物語が、主人公の目の前ではなく、遠くで起こっているから、余計にそう感じるのだろうか。で、つまらないのか?と云われたら、すごく面白い。次がどうなるのか気になって、先を知りたくて読み続ける。でも、何だか読者が蚊帳の外、みたいな印象なんだ。不思議な作品。

2012年6月26日火曜日

サイキス・タスク (岩波文庫)

フレイザー著 永橋卓介訳
(カバー裏より抜粋) 政治、結婚といった社会制度の成立に俗信が果たす役割を厖大な民族史的資料を駆使して明快に説明する。

 1939年初版のままの再販。古い漢字を覚えていく自分って凄いと思わせてくれました。内容は、西欧から視た蛮族と呼ばれる民族の俗信を書いているのだけれど、まーすごい。不倫や近親婚が災いをもたらすと信じていて…これは仕方ないことかもしれない…義理の両親とは顔を合わさないとか、自分の子供でも異性とは顔を合わせないとか、その他諸々。で、不倫が発覚したら、大概死刑かリンチ…。いったい何人が無実の罪で…。王様というのも大変。家から出られないな、これは…。死んだら死んだでまた…。この著作に書かれていることが全て真実とは限らないことを一応念頭に置いて、その上で興味深いです。ただ、同じような内容がひたすら繰り返される傾向がある…この著者の作品ではよくあることだけど、ので退屈してしまう部分も多い。

2010年11月16日火曜日

最新世界周航記 上・下巻 (岩波文庫)

ダンピア著 平野敬一訳
 十七世紀海賊が、航海を重ねながら綴った手記。

 海賊の手記、イギリスという国自体が海賊を奨励していた時代だったような。文章自体は淡々とした印象。訳の人がそういう文章を書く人なのか、元々そんな感じなのか分からないけど。略奪やら戦闘やらをやっているのだけれど、簡単に物事が起こりすぎているような感じを受けてしまう。実際は酷い状態なんだろうな。内容は海賊行為の他自然、風俗やらの記述が多く、とても興味深い。ウミガメさん、食べられ過ぎ。ダーウィンも航海の手記を書いているけれど、こちらの方が読み易いかな。著者の「自分はこんなに判断力等に優れているぞ」という感がちょい鼻につく気もした。

2010年4月9日金曜日

山椒魚戦争 (岩波文庫)

カレル・チャペック著 栗栖継訳
SF小説の古典。山椒魚が進化し、世界侵略を開始した。

 内容は同じ著者の「ロボット(R.U.R)」と同じ。ロボットが山椒魚に変わっただけ…なのだが、とにかく比喩やら皮肉やらの詰め合わせ。知識無しが読んでも面白いのだから、歴史を知っている人が読めばもっと楽しめるのだろう。企業や国の倫理、大衆の問題点は現代にも十分当てはまる。さて、現実は山椒魚を進化させ人類を片隅追いやるか?現実の山椒魚は何だろう?この小説、最後は著者が自分自身と対話して結末を導きだすのだけど、この結末がこの小説の結末でいいのかな。
 訳者の思い入れの強さに敬服。解説やあとがきに作品に対する愛が溢れ出している。訳注もいい!蘊蓄として楽しめる。訳注を必要ないという人がいるのか。必要だろ。私みたいな知識無しも読むんだぞ。
 これは右翼にも左翼にも嫌われた素晴らしい作品なので、ぜひ読んでほしい。結論としては、ソ連はケツの穴が小さかった (笑)。そして岩波文庫は製本汚い。なんで私はボンド山盛りに当たるんだろ?

2010年3月23日火曜日

サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)

オスカー・ワイルド著 西村孝次訳
表題作の他「まじめが肝心」が収録されている。戯曲。

 戯曲なのでト書き以外は会話だけで進んでいくが、リズムがあってとても読みやすい。「サロメ」は悲劇なのに読んでいて楽しいのだが、なぜだろう。残り2編は喜劇なので楽しくていいのだけど。失礼を承知で書くと、深さがないのがいいのだと思う。えっ?お前が馬鹿なだけ?そうかもしれない。鍵になる物があって、うまく大円団に持っていってる。その過程が楽しい。強引というかご都合主義とも言えるけど、そのご都合主義も楽しめる。
 簡単なあらすじ「サロメ」は有名なので置いといて 「ウィンダミア卿夫人の扇 」は娘を捨てた母が娘を守ろうとする話、「まじめが肝心」は4人の男女を中心としたコメディ。