2013年12月21日土曜日

明治富豪史 (ちくま学芸文庫)

横山源之助著
(カバー裏より抜粋) 富国強兵、殖産産業といった言葉で語られることの多い明治日本の「近代化」。ー中略ー 社史には決して書かれることのない明治裏面史。

 カバー裏を読んでみると、起業家たちの搾取を描き出しているのか?という印象を持つが、そんなことはない…と私は思った。もしかしたら描かれているのかもしれない。私が読み取れないだけで。どっちかというと、立身出世とまではいかなくても、現在も残る、また既に消えた企業の始祖が成り上がっていく様子が描かれているだけでは。内容は普通に面白い。ま、汚いことをして…みたいなことを描きたかったのかもしれないけど、こんなものだろうね、といった感想だけかな。ただ私がこういう感想を持つ過程には、こういう著作を世に出し続けた人々の労は確実にあると思う。あと、海外編はちょっと退屈だったかな。

2013年12月20日金曜日

今日の積ん読

 過去カラ来タ未来 アイザック・アシモフ パーソナルメディア
ジェイン・オースティンの読書会 カレン・ジョイ・ファウラー ちくま学芸文庫
短篇 小説日和 英国異色傑作選 ちくま文庫
怪奇小説日和 黄金時代傑作選 ちくま文庫
空飛ぶ円盤地球襲撃す フレッド・F・シアーズ監督
地球へ2千万マイル ネイザン・ジュラン監督
水爆と深海の生物 ロバート・ゴードン監督

 「過去カラ来タ未来」未来を描いたイラストが多数掲載されているのだけど、こういうテーマのものが大好き。今の時代から見たらばからしいかもしれないけど、過去の人々はこのイラストにどれほどトキメイタだろう。
 DVD (ブルーレイは持っていない) は全てハリー・ハウゼンによる特殊効果作品。7のセット売り。後は昨今オカルト話に凝っている (いい歳して師匠シリーズが好きというか加奈子ファン) のでちくま文庫二册と本屋で欲しくなった「ジェイン・オースティンの読書会」。会社の合併で思ったよりボーナスが出た記念で、久しぶりたくさん購入。本はともかくDVDが全然観れていない。
 本屋をブラブラしていたら、美術手帖のかぐや姫特集が目に入った。というか、表紙イラストが好みだった。手に取って内容を見ると、鬼気迫るかぐや姫の表情。これは買わねばなるまい…。かぐや姫以外の特集は興味持てなかった&おっさんのグラビア (監督の高畑氏の写真はともかく) いらないし。他のアーティストのイメージイラストもなー…。美術手帖の読者に問いたい。自分の興味以外があるのは雑誌として仕方ない、当然だ。でも、意味不明のおっさん (有名イラストレーターだけど) のグラビアっている? あー、誤解ないように言っとくと、アニメーターの人とかの写真の話じゃないよ、そういうのは別に何とも思わない。ニューヨークだったっけ、警察に叱られたイラストレーターのことww。私は超一般人だから余計そう思うのかもしれない。

2013年12月7日土曜日

文章心得帖 (ちくま学芸文庫)

鶴見俊輔著
(カバー裏より抜粋) 「余計なことはいわない」「紋切型の文章を突き崩すこと」等、現在でもそのままあてはまる実践的かつ本質的文章論が展開された、一般人向け文章教室を再現。

 「紋切型」…耳が痛い。書かれている内容は、趣味であれ仕事であれ文章を書こうとする人にはとても役に立つ。分かりやすい例文を用いてみえる、かつ理解しやすい解説。大人ばかりでなく、中高生にも読んでもらいたいかな。

狂人日記 (岩波文庫)

ゴーゴリ著 横田瑞穂訳
 (カバーより抜粋) 長官の娘に恋してしまった小心な小役人の「おれ」。日記につぎつぎと吐き出される主人公の滑稽かつ悲痛きわまりない饒舌の中に人間の悲劇がうかびあがる。

 「肖像画」を目当てで買ったんだけど、「狂人日記」がなかなか面白くて良かった。人は急に狂いだすのではなく、少しずつ何かがずれていくものではないかと思っているのだけれど、この主人公40代小役人、いかにも自尊心高そう (日記の中では誰でもそういう傾向あるだろうけど) で、でも現実はそれに見合ったものではない。そして決して手の届かない令嬢。最後のおっ母さんへの言葉…と思ったら…落ちが効いている。