2012年10月28日日曜日

太陽系最期の日 (ハヤカワ文庫)

アーサー・C・クラーク著 中村融編 浅倉久志・他訳
(カバー裏より抜粋)人類のために奮闘する異星人たちを描いた表題作の他、 …中略… 大戦中の空軍士官クラークの体験をつづるエッセイ、年譜などを収録した日本版オリジナル短篇集第一弾。

 日本版オリジナル短篇集ということで、過去に出版されている作品集とダブっている作品はある。けれど作品集初収録の作品もあるし、いままでクラークの著作を読んだことのない人も手始めにはいいのではないかと思う。気に入った作品の感想。表題作「太陽系最期の日」オチでの「あの種族はこうと決めたら梃子でも動かない種族だと虫が知らせるんだ」に笑った。地球人類を救出した後大変だろうな、とその後を想像して笑える作品。「歴史のひとこま」何の映画を見たんだろう??。現代の考古学の偉い人達のこともちょっと考えた。大変だな…。「かくれんぼ」大してSFを知らない私が言うのは失礼になるのかもしれないけど、分かり易くて楽しめるきちんとしたSF作品。

2012年10月19日金曜日

今日の積ん読

モンティ・パイソン ライフ・オブ・ブライアン ソニー・ピクチャーズ
きょうも上天気 角川文庫
怪異考/化物の進化寺田寅彦 中公文庫
通過儀礼 ファン・ヘネップ 岩波文庫
やし酒飲み エイモス・チュツオーラ 岩波文庫
メソポタミヤの殺人 アガサ・クリスティー ハヤカワ文庫

 あーー…我ながら呆れる。読まないと…。でも、最近眠いのよね…。休みの日は用事に潰れるし。言い訳ばっかりだ、私。睡眠時間が短くてすむ人が羨ましい。 

現在の積ん読 本:156冊 DVD:148枚

2012年10月16日火曜日

アイヌ神謡集 (岩波文庫)

知里幸惠編
(カバーより抜粋) アイヌの一少女が、アイヌ民族のあいだで口伝えに謡い継がれてきたユーカラの中から新謡13篇を選び、ローマ字で音を起こし、それを平易で洗練された日本語訳を付して編んだのが本書である。

 謡だけれど、童話として楽しむことができる。独特の特徴のあるお話。悪いことをしたので罰があたった、あたった側も当てた側も神様。民族の教育…というか道徳の一つとして謡い継がれてきたのかな、と思った。

偶然世界 (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 小野芙佐訳
(カバー裏より抜粋) 九惑星系の最高権力者ヴェリックが失脚した。だが。その政策に間違いがあったわけではない。公共の偶然発生装置ーボトルのランダムな動きによって決定されたのだ。

  ディックの長編作品は、とにかく始めからかっ飛ばす。読み始めたら止めどころが分からなくなる。読み始めは世界観がちょっとつかめなかった。けど、進めていくと慣れてくる。偶然で権力者が選ばれるけれど、ほぼ同時に刺客も選ばれ、常に命を狙われることになる。って、こんな調子で命を狙われ続けたら、政策立案どころではないだろ??と言いたい。逃げるのが仕事みたい。で、この刺客のペリグがよくできていて、一種のアンドロイド。操縦者の精神だけがそこに移動する…みたいな。それはよくある設定なんだけれど、その操縦者が幾人もころころと交代して、権力者をガードするディープ部隊を混乱させてしまう。筋書きも面白いけど、登場人物も個性的でいい。敵側がみんなくせ者すぎて、作品を面白くしている。でも、プレストンがちょっとよく分からなかった。

今日の積ん読

太陽系最期の日 アーサー・C・クラーク ハヤカワ文庫
90億の神の御名 アーサー・C・クラーク ハヤカワ文庫
メデューサとの出会い アーサー・C・クラーク ハヤカワ文庫
アジャストメント フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫
流れよわが涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫
オリエント急行殺人事件 アガサ・クリスティ 創元推理文庫
牛乳屋テヴィエ ショレム・アレイヘム 岩波文庫

 うわー、やってしまった…ストレス溜まっていたのね、可哀相な私…。クラーク、短篇集出ていたんだ、本屋で見つけてしまったのが運の憑き…「憑」がふさわしい気がするので、敢えて。ディックとクリスティは少しずつ読んでいこうとは思っていたのでいいか。牛乳屋は立ち読みしてみたら、面白そうというか、私の好みのように思えたので買ってみた。

 現在の積ん読 本:189冊 DVD:130枚

 手帳の季節到来。毎年浮き浮きしてしまう。何というか、手帳が変わる=仕切り直しみたいで、気分を変えるのに一番のアイテムだから。家用に一冊と持ち歩き用に一冊。家用のはコクヨや無印が出しているマンスリーノートタイプを予定。でも、どれも12月始まり…。我慢我慢。持ち歩き用、今はロルバーンを使用しているけど重いし、リングタイプは書きにくいので変えたかった。で、今日ムーミンのミーの手帳発見!!厚み、大きさ、重さはOK、で私は実はミー大好き。9月始まりだったので買いました。さ、気分一新。

2012年10月14日日曜日

トータル・リコール (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 大森望編
(カバー裏より抜粋)本邦初訳作「ミスター・スペースシップ」に「非O」「フード・メーカー」の短篇集初収録作ほか、全10篇を収録した傑作選。

 わざわざ映画に媚売ってタイトル変えなくてもいいのに。仕方ないか、出版社も大変だろうし。この短篇集は地球は誰のものか?みたいなテーマが多いような気がした。個人的に好きだったのは「訪問者」「地球防衛軍」。核のために原地球人は防具なしでは活動できなくなった世界、かたや論理的なロボットが地球を守っていた世界。面白いな、と思った。「吊るされたよそ者」他の短篇集で読んだ気がするけど、後味悪いというか、怖いよー。

2012年10月11日木曜日

高い城の男 (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 浅倉久志訳
(カバー裏より抜粋)第二次大戦の勝敗が逆転した世界を舞台に、現実と虚構の微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書き上げた…

 「If」もしも…という場合をテーマにしたSF。第二次大戦で勝利したのはドイツと日本だった。その中でもう一つ「If」が登場する。勝利したのがアメリカとイギリスだったら?という「If」。その「If」は私たちの現実とはまた違った世界。そして、この作品のキーワードである「易経」はそれが真実と告げる。ディックの作品らしいな…と。交錯した「If」の中で、交錯した人間関係。この作品の主人公って誰?一応フランクとジュリアナ??田上とかチルダンとかヴェゲナー、ホーソーン、それぞれが独自の物語を持ち絡んでいく。で、SFにありがちな最期ではなく、「If」ではない現実にそれぞれが生きていく。これがいい。

2012年10月10日水曜日

今日の積ん読

トータル・リコール フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫
偶然世界 フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫

  やっぱりディックは面白いということで、今出版されているものだけ集めようという気になった。手始めのニ冊。「トータル・リコール」は旧題「追憶売ります」、最近リメイクされた映画の原作。評判が今イチなので観にいかなかった。やっぱりシュワちゃんが一番よ。で、この本、パラパラと見たところ別の短篇集に収録されているタイトル有り、お初のタイトル有りで買うことにした。ハヤカワ文庫から出ているのは、こういう傾向が強くて困る…。「偶然世界」は長編。私は長編は苦手なんだけど、ディックの作品は勢いで読ませてくれるから好きだ。

 現在の積ん読 本:184冊 DVD:130枚

 政治の話とか好きじゃないけど、マスゴミの話はしようと思う。昔あれほどうるさく言っていた「任命責任」という言葉は忘れたのかな?…っていうか、安倍さんの病気に対して扱い酷すぎだろ。ますますテレビ等マスゴミ観る必要性のなさを実感する。あと、Twitterが「馬鹿発見器」と云われて久しいけど、真面目に実感する今日この頃。いつも思うんだけど、テレビタレントとか俳優とかちょっと名の知れた企業社長、幹部クラス等々、何文化人顔してるの?と。確かにのし上がってきた実力、運は確かなのだと思う。でも、人間性は全く別物だしね…。と、書きながら「文化人」とは?という疑問がわいてきた。

2012年10月6日土曜日

ユービック (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 浅倉久志訳
(カバー裏より抜粋) 1992年、予知能力者狩りをおこなうべく、ジョー・チップら反予知能力者が月面に結集した。だが予知能力者側の爆弾で、メンバーの半数が失われる。

 とにかく最初から飛ばしている、という印象。さすがディック、とにかく面白い。次々と展開していって、止められなくなる。で、だんだんと混乱していく。半死者と生者が逆というのはなんとなく「ははーん」と感づかせてくれるのだけど、ジョリーがここまで関わるとは思わなかった。で、ラストの落ちでまた混乱。どういうこと??つまり、生者側と思っていた世界も実は?それとも現実が半死者の世界とリンクし始めたのか?謎で終わってしまった。すっきりしない。