2017年2月21日火曜日

くじ (ハヤカワ文庫)

シャーリイ・ジャクスン著 深町真理子訳
 (カバー裏より抜粋) 毎年恒例のくじ引きのために、ムラの皆々が広場へと集まった。子供たちは笑い、大人たちは静かにほほえむ。この行事の目的を知りながら…。

 シャーリイ・ジャクスンの作品の後味の悪さ天下一品です。←褒め言葉。表題作「くじ」は、もうねえ…。穏やかなのだけれど不気味な雰囲気が…。でラスト。偏見といわれそうだけど未開発の国の田舎ならありそうな話と思いました。「魔性の恋人」…恋人が魔性というより、主人公やばい、怖い。相手が魔性でよかったレベル。他どこかしら狂った人達で構成されている物語群。でも、これをもっと軽くした状況なら現実にありそうで怖いのですよ。読んで凄く嫌な気分になるのですが、止められないのは世間の現実とリンクする部分があるからかなと思うところもあるのです。優れた作品とは思うのですが、人には勧められないな…。

2017年2月19日日曜日

死の鳥 (ハヤカワ文庫)

ハーラン・エリスン著 伊藤典夫訳
 (カバー裏より抜粋)「「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった」など、半世紀にわたり、アメリカSF界に君臨するレジェンドの、代表作10篇を収録した日本オリジナル傑作選。

 作品によっては難解です。←私のレベルでは、です。「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった」はストーリーは分かるのですが、ラストが今ひとつ理解が…。内容は面白いです。だからこそラストが理解できないのが悔しい。ハーレクィンのしたことはないよりましーなことだったのか??「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」うーん、映画の題材になりそう。コンピュータに取り込まれて…。ちょっと気持ち悪い部分もあります。「プリティ・マギー・マネー・アイズ」スロットに閉じ込められた女が自分の代わりとなるターゲットを見つけたという話ですが、これが中々面白い。特にラストが…。「世界の縁にたつ都市をさまよう者」切り裂きジャックのその後。自分が皆を恐怖に陥れていると持っていたら、ただの見せ物でした。「死の鳥」は面白いのですが、意味がよくわからない…。哲学的なものは苦手です。他、難解なものが多いです。特にオチをどう理解したらいいのかな…と戸惑うものが多い。読んでいて面白い作品ばかりなのですが。

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2017年2月3日金曜日

ルーフォックス・オルメスの冒険 (創元推理文庫)

カミ著 高野優訳

 (カバー裏より抜粋) 名探偵ルーフォック・オルメス氏。オルメスとはホームズのフランス風の読み方。シャーロックならぬルーフォックは「ちょっといかれた」意味する。

 シャーロック・ホームズのパロディ短編集です。短い話ばかりなので軽い暇つぶしにと思って購入したのですが、私、シャーロックホームズって大して読んでいない…。軽く読めるのですが、元話が分からないと面白さが半減という感じです。あと「スペクトラ」というライバル怪盗が登場してから、ちょっとつまらなくなります。原作というかホームズ読んでいる人にはお勧めだと思います。