2011年6月21日火曜日

伝統との対決 岡本太郎の宇宙3 (ちくま学芸文庫)

岡本太郎著
岡本太郎が伝統と切る!! 

 読んでいて気持ちいい。何だかすっきり。 著者の哲学がよくわかるし、筋が通っていると思う。京都に関してはかなり同意。著者は決して伝統を軽んじているわけではないと思う。ただ、新たな伝統…というか新しい動きを押さえつけ壊してしまう癌となっている集団、何ていうのかな、個人個人はいろいろ考えが持っていても、集団となると集団に流されてしまう存在達に対する批判。現在はどういう状況なのだろう。しかし「伝統」という言葉が新しいとは知らなかった。
 日本の伝統で、庭園について述べられている。登場する庭園で見たことのある庭はあるのだけれど、考えてみると印象薄い。ま、修学旅行生の余りの多さに鑑賞どころではなかったというのが本音だけど。

2011年6月18日土曜日

今日の積ん読

世界美術への道 岡本太郎の宇宙5 ちくま学芸文庫
「つながりの精神病理」 中井久夫 ちくま学芸文庫
ゲーテ スイス紀行 ちくま学芸文庫

 最近は岡本太郎を続けて読んでいる。面白い。両親も個性的な生き方だけれど、太郎氏もまた個性的というか彼の哲学は今でもまだ通用するというか、必要なのではないかと思う。もちろん全面支持というわけではないけれど、考えるところは非常に多い。 
 最近映画館へ行っていない。美術館、博物館、その他催し物…。そろそろ息が詰まってきた。

現在の積ん読 本:201冊 DVD:112枚

太郎誕生 岡本太郎の宇宙2 (ちくま学芸文庫)

岡本太郎著
岡本太郎の自伝集のような趣き。

 第二巻のメインは「母の手紙」…凄い母子だな、と。恋人みたい。かなり濃密。一般人なら息が詰まりそう。マザコン…なんてものじゃないぞ。渡欧には岡本かの子の愛人も同行していたそうだけれど、まったく触れられてない。「自伝妙」では、学校に馴染めない年少の頃が描かれているが、だろうな、という感じ。こんなに癖が強いと現代でも難しそう。これで軍隊なんて…よく生き残ったものだ。
 「岡本太郎」をまったく知らず、昔CMなどで見た変な人だけど興味あるという人にお勧め。このシリーズは、今を生きる若者にも読んでもらいたい。

2011年6月4日土曜日

指輪物語 追補編 (評論社)

J・R・R・トールキン著 瀬田貞二・田中明子訳
指輪物語をもっと楽しむための本。登場人物の後日談や年表、種族に関する事柄など。

 登場人物の後日談が良かった。好きなキャラクターは気になるから。ギムリは旅立ったのか…。いいコンビだなー。一番好きかも。アルウェンの最期は少し哀しかった。最初にある年代記は、名前で混乱してしまった。言語についても書かれているが、凄いな…と。著作のすべてが世界観を深めているようだ。
 指輪物語の世界が大好きな人は十分楽しめると思います。

2011年6月2日木曜日

対極と爆発 (ちくま学芸文庫)

岡本太郎著
生誕100年を迎える著者の著作集。

 生誕100年…時代は流れているのだと改めて実感。著作集の一冊目です。実を言うと、岡本太郎の作品にはまったく詳しくない。著作は数冊読んではいる。正直、時代を感じる部分はあるけれど、現代の人の心にも響くのではないかな。読んでいて、これは何だかな…とか思う部分もある、また支持できる部分もある。岡本太郎の考え方、自分の考え方、いろいろ視点を変えて眺め考えることができる。著者は同調を求めてはいない。意見のぶつかり合いを望んでいる。今は亡き著者だが、著作によって、思考の幅や生き方について考えることはできる。興味深く読むことができる一冊、個人的に万博の話の辺りは面白かった。