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2025年5月2日金曜日

賄賂と民主政 古代ギリシアの美徳と犯罪(講談社学術文庫)

 橋場弦著
(カバー裏より抜粋) 古代ギリシアは、贈与交換を「美徳」とする社会だった。では、贈与と賄賂はどう違うのか。賄賂はなぜ厳しく断罪されるようになったのか。
 
 贈与と賄賂…。古代においての贈与と賄賂の微妙なライン的な話ですが…。怖いわー、古代ギリシア…。戦争和議を提案したら石打ちとか、戦争で勝ったら賄賂で敵に引かせた、負けたら敵から賄賂をもらった、いったいどうしろと? 戦争で敵を買収して寝返らせてもアウト!なのか??
 その裏では、個人の贈与は行われている。なんだかその時の空気を読めなかったものが生贄にされていたのでは?と思えなくもない。どうしてもこういう著作は起こった事例を並べるので「古代ギリシアってヒステリーっぽい」と思えてしまう。
 
 いや、面白いですよ、これ。贈与と賄賂の関係は考えるところありですし。でも一度槍玉に上がったら…やはり怖い世界です。

2016年1月2日土曜日

WORLD'S END (ユニバーサル)

監督 エドガー・ライト
(カバー裏より抜粋) "世界を救うため"、12軒目のパブ"ワールズ・エンド"を目指して、"酔っぱらいたち"の"どうしようもない戦い'が始まる。

 …今回はダメだった。退屈してしまった。ごめんなさい。基本おバカ映画なんだけど、テンポが今ひとつ悪くて…うーんでした。困ったなー。

2013年6月24日月曜日

私の「本の世界」 (ちくま学芸文庫)

中井久夫著
(カバー裏より抜粋) 高校時代以来六十余年、精神科医となってからも、著者の傍らにはいつもヴァレリーの書があった。
コレクション最終巻。

 精神科医だからそういう著作を読んでみえるのは当然で…私とは世界が違うわ…。でも、本の紹介を読んでいると読んでみたくなるのですよ。多分、いや絶対読んでも難しくて投げ出すだろうけど。で、現在「表と裏」土井健郎著を読んでる途中。難しいけど、投げ出さずには済んでいます。読んでみようと思わせるのも、著者の物を書く力量なんだろうなと改めて思った。

2010年11月23日火曜日

私の個人主義 (講談社学術文庫)

夏目漱石著
夏目漱石の講演から五本収録。

 講演が収録されているのだけれど、決して難しいことを述べているわけではなく、分かり易く理解し易い。だが、夏目漱石の理想とするところを実践できる人間はどれほどいるだろうか。「道楽と職業」のp25はとても良い例。要約すると、夏目漱石は博士の授与を断った。理由は博士というのは偏っているから。ここで会場から拍手…そうだよねという同意の拍手だろうけど、それに対して漱石は、「明石に医学博士が開業する、片方に医学士があるとする。そうすると医学博士の方へ行くでしょう。いくら手を叩いたって仕方ない、誤摩化されるのです。」はい、すいません…としかいいようがない。
 漱石は明治時代の人だけれど、現代にも十分通用する内容。こういう講演ならぜひ聞きたいなと思う。ま、私はちょっと意見が違うかな、とか思う部分もあったりするけど、そういうのも明治と現代、個人の背景を考えて考察してみるのも面白いと思う。

2010年7月11日日曜日

和辻哲郎随筆集 (岩波文庫)

哲学者和辻哲郎の随筆集。25篇を収録。

 哲学者の著作というと難しい文章が並べられているというイメージがあるけれど、これは読みやすい。もちろん読み易い=内容が無いというわけではなく、読みながら考えたり、思い出したりさせられる作品だった。一番好きなのは「文楽座の人形芝居」。実際見た事ない…テレビでは好きで観てたな。浄瑠璃からサンダーバード、ナイトメア( も入れていいよね )等等、人形劇大好き。この短文で述べられている浄瑠璃の世界にうっとり。成る程と思うところが多い。「世界の芸術と変革」…。この後第二次世界大戦。短文の始まりを読んで胸が痛む。著者の願いだったのかな。「埋もれた日本」述べられている事はもっともで理解できるけど、鎖国によって守られたものもあるしね…。哲学者にとって大切なのは思想だろうけど、もしあの時代の時点で思想の自由を大きく許していたら、キリスト教によって多くの文化財は破壊されただろうし、アフリカと同じような運命を辿る事になったのではないかと。もちろん迫害が正しいとは思わないけど。うーん、ま、素人の戯言です。「露伴先生の思い出」のところの「なければならない」は興味深い。今は当たり前に使っているだけに、そうなのかと驚いた。
 この時代の著者は総じて文章が美しい。日本語が丁寧で、今は使われない言い回しの持つ美しさ。それに触れるだけでも価値があると思う。こういう文章を書きたいものだ。

2010年6月17日木曜日

われはロボット (ハヤカワ文庫)

アイザック・アシモフ著 小尾芙佐訳
映画「アイ ロボット」の原案 (でいいのか? 原作ではないし) 。アシモフの描くロボットの歴史。有名なロボット三原則について作品中に考察されている。

 「アイ ロボット」は映画館で観て "まあ、面白いかな" とい感想を持っていた。今回この作品を読んで、何となく曖昧に観ていた部分が補充された感がある。中々奥が深い。作品は「キャルヴィン博士」が関わってきたロボットに纏る事件を短篇の連作の形で掲載している。読み進むにつれ、だんだんとロボット三原則の解釈が複雑になってくる。人間の脳が進化して感情の面で複雑になってきたように。最後はロボットの支配か…。アシモフはこれを肯定的に描いてみせてるようにみえるけど、私には逆を述べているようにも感じた。特に好きな作品は「うそつき」。キャルヴィン博士、怖い…。でも気持ちは理解できる。
 この作品はいまタイトルに「完全版」とついて出版されてるけど、どこか変更があるのだろうか?

2010年4月1日木曜日

若きウェルテルの悩み (岩波文庫)

ゲーテ著 竹山道雄訳
空気が読めない男が愛に苦しみ、自殺する話。

 悲劇、うん悲劇なんだけど笑えた。本当に私はこういうの向いてない。ウェルテル、最初から最後までロッテとやりたいと言っているとしか思えなかった。p138「もし誰かがあの男の逃亡を幇助することがあったら、それを不問に付していただきたい」逃亡させたいけど、自分は罪に問われたくない。しっかり逃げをうってる。あとp112からの妄想レイプ野郎の話の辺りなどは爆笑した。しかし文章次第でレイプも芸術的になるのだ。感心した。
 ロッテも夫は夫で置いといて、お気に入りのウェルテルも側に置きたい、結局一番ヤバい自己中心型、でも何とか自分を安全圏に置こうとしている。とにかく普通の人アルベルトが気の毒な話だった。嫁さんに恵まれなかった悲劇。
 この本が出版されて自殺が流行したと解説にあるけど、ナルシス多い時代だったんだ。いや、今もタレントの後追い自殺とかあるから変わらないか。本、映像なんかで影響されても、生活に戻って食事してトイレで大きいのしてなんてしてたらバカらしくならないかな?