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2012年4月20日金曜日

外套・鼻 (岩波文庫)

(カバー解説より)ある日、鼻が顔から抜け出してひとり歩き始めた…写実主義的筆致で描かれる奇妙きてれつなナンセンス譚「鼻」。運命と人に辱められる一人の貧しき下級官吏への限りなき憐憫の情に満ちた「外套」。

 「外套」ロシアのアニメ作家が制作していたけど、完成したのかな?読んだ感想、主人公は哀れというか、運のない人っているよね…みたいな。でも、仕事大好きなのは羨ましいかな。でも執着心強すぎ。正直滑稽に読めた。でも、最期はやったね、みたいな感ですっきり。解説によると、どうも私の感想の方向性は著者とは違うらしい。俗物ですいません。
 「鼻」想像して下さい、礼服を着ている鼻を…。高飛びする鼻を。見世物を楽しむ大衆、鼻で金儲けを企むもの。最期は夢落ちかと思った。

2010年8月1日日曜日

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

ジェイムズ・P・ホーガン著 池 央耿訳
突如ガニメデに現れた宇宙船。そこから現れたのは、二千五百万年の旅を経たガニメアンたちであった。「星を継ぐもの」の続編。

 「星を継ぐもの」が面白かったので、続編を買ってしまった。期待した通り面白い。前作で推論とされていた部分が解明されている。ルナリアンについては謎を残したまま、これは次巻かな。前巻もそうだったのだけど、悪人がいない。臆病な人、懐疑的な人がぽつぽつオマケ程度にでてくるけど、悪人というわけではないし。どのような作品でもでてくるドロドロとした部分が描かれていない。異星人とのコンタクトとしては理想的な形。人間とガニメアンを比較しての批判等があるけど、強烈というわけではない。登場人物の行動よりも議論に重きが置かれていて、それが面白い。ゾラック、ちょっと万能過ぎ。こういうコンピュータはどうしても「2001年宇宙の旅」のHALと比較してしまう。最後、ダンチェッカーが前作同様おいしいところを持っていきました。

2010年6月4日金曜日

ガニメデのクリスマス アシモフ初期作品集2 (ハヤカワ文庫)

アイザック・アシモフ著 冬川亘・浅倉久志訳
アシモフの初期短篇集の第2弾。作品ごとにアシモフの解説が付いている。

 おお、第1集より面白みが格段に増している。違いが分かってしまう。表題作の「 ガニメデのクリスマス」好きだ、こういうちょっと滑稽なの。7日毎のクリスマスか…ありがたみが薄れる気もする。人間の感覚かな…でも7日でいっさい歳をとるのは嫌だ。「幽霊裁判」「スーパーニュートロン」「決定的!」もいい。難しい事はさっぱりだけど、どんでん返しが楽しい。「スーパーニュートロン」の会議方式は「黒後家蜘蛛の会」などの作品につながっていくのかな。「幽霊裁判」のオチは判例主義への皮肉でいいのか。
 そして、アシモフの解説があり作品がより楽しめる。今回は一般から見ての荒唐無稽が減っている気がした。

2010年4月17日土曜日

伽藍が白かったとき (岩波文庫)

ル・コルビュジェ著 生田勉 樋口清訳
ル・コルビュジェのアメリカについてのエッセイ。

 戦う芸術家という印象を持った。自分の信念を貫こうという生き方に敬服する。都市計画とかよく知らないのだが、著者が述べたい事は理解できる。土地の有効利用、時間の無駄を省く、自然のある環境…。1900年初頭、こんなにアパートメント( でいいんだよね )に抵抗があったとは知らなかった。価値観の変換期だったのかな。パリのような古くからの都市だと、変わりたいとは思わないのだろう。伝統とか素晴らしいとは思うけど、変化に柔軟にはなれないという欠点は困ったもの。著者にはアメリカは可能性の場所だったのか。でも、その本質をきっちり見抜いていた。p276「20世紀は人のために建設したのではなくて、金のために建設した」アメリカだけではなく、世界中がそのなってしまった。それが21世紀にも引きずられている。
 結局アメリカは横に広がったままだ。おまけにゲートでの仕切りを置くようになった。日本は?一時有名建築デザイナーの設計が売りの建築物がやたらあったけど、保全が全然できてなくて惨めな姿をネットでさらされてたり、問題点が報じられたりだった。デザイナーズとか昔もてはやされたけど、まさしく「金のために建設した」に当てはまるだろう。