2011年8月19日金曜日

80年代SF傑作選 下 (ハヤカワ文庫)

小川隆・山岸真編
80年代はSFの変革の年であった。時代を飾った傑作のアンソロジーの下巻。


 何というか、救いのない話ばかりな気が…。大袈裟に言うと「生きる」「人間」について考えようという機運をこの選集に感じた。でも、どうにも暗くて…。いや、そういう話ばかりではないのだけど、そういう時代だったのかなと思ってしまう。 個人的なお気に入りは「祈り」無神論バンザイ。「鏖戦」何かライトノベル系の読者に好まれそう。

2011年8月12日金曜日

マゼラン 最初の世界一周航海 (岩波文庫)

ピカフェッタ トランシルヴァーノ著 長南実訳
マゼランの香料求めて世界一周。マゼラン自身の記録ではなく、乗組員による記録。マゼランは早い段階で居なくなります。

 マゼランって全然主役じゃない。何となく脇役です。でも読んでいて楽しい航海記。民俗誌としても優れた旅行記です。ま、欧州やキリスト教にはうんざりするし、読んでもいて腹が立ちます。だって勝手に他人の生活している土地を領地設定ですから。しかし、部族の王様たちも世渡り上手。たぶん、いろんな国の船が来る度に、その国の王や宗教を讃えるふりをするんだろうな…と。

ディスコルシ「ローマ史」論 (ちくま学芸文庫)

マキャヴェッリ著 永井三明訳
群雄割拠のルネッサンス期。フィレンツェがかなり危うい時代。生き残るための方策をローマ帝国に求めた。

 ちょーとローマを持ち上げ過ぎではないか??という気がする。かなり美化されているような。そして、笑える位綺麗事。正論だとは思うけど…ちょっと変と思う部分もあったが。で、フィレンツェには厳しい。ダメダメの国のように書かれている…実際この時代のフィレンツェはそうだったようだけれど。
 私がこの作品で優れていると思った面は、大衆の描かれかた。国、時代が違えど、大衆のやる事考える事は大して変わらないな…と。よく日本人は集団になると集団としての思考に流されるようなことを言われるけど、ローマ、フィレンツェの大衆も同じじゃないの。

2011年8月5日金曜日

今日の積ん読

日本に就て 吉田健一 ちくま学芸文庫 

現在の積ん読 本:201冊 DVD:112枚 

 ネットではフジテレビ関係が弾けてますね(笑)。思ったのは「視聴率下がってるとかいってるけど、みんなテレビ観てるんだ」ということ。私は会社で昼休みに付いてたら、付き合いで観るくらいだな。女同士は気を使うのですよ。TVも韓国もくだんの俳優さんにも興味ないけど、この状況全体にはとても興味あります。

2011年8月1日月曜日

世界美術への道 岡本太郎の宇宙5 (ちくま学芸文庫)

岡本太郎著
海外の古代遺産を著者の視線で見つめ直す。

 「岡本太郎の宇宙」のシリーズを読んできて、ちょーと飽きてきたかな。同じ事が繰り返し語られているから。でも、それは著者が一貫した姿勢を貫いているからなんだけど。内容は世界に広がってきて、面白みは増していると思う。特にメキシコ、褒めちぎってます。
 最期に思ったこと。私は深く本を読む事ができないので、もっとちゃんと読んでみろと言われそうだけど、結局著者はどんな世の中を望んでいるのかとか、わからなかった。