2015年10月30日金曜日

未来世界から来た男 (創元SF文庫)

フレドリック・ブラウン著 小西宏訳
(カバー裏より抜粋) SFのショートショートの名手ブラウンの傑作集。趣向を凝らした戦慄と幻想の世界があなたの目の前に展開します!

 本の後ろにその出版社の本が紹介されているが、それを見て購入。ネットで一応チェックしたら、星新一との比較がされていた。読み出して納得。星新一系の作品が好きな人にはお勧めかな。どうだろう。どちらもSF系ショートショートなのだけど、味わいにかなり差が有り。落ちに面白さを感じられない作品もあり。個人的にお勧めは「人形」。ちょっとゾクッとした。

2015年10月16日金曜日

スは宇宙のス (創元SF文庫)

レイ・ブラッドベリ著 一ノ瀬直二
 (カバー裏より抜粋) 「ヴェルヌがぼくの父親、ヴェルズが懸命なる伯父さん、ポオは蝙蝠の翼を持った従兄弟でシェリー夫人は僕の母親だったこともある。

 「火の炎」が良かった。映画にもできそうなストーリー。墓に眠る遺体が焼却処分されていく中、一つの遺体が甦った…。仲間を増やすために殺人を続け、焼却場を破壊していくのが面白い。怖いと思ったのは殺人する主人公ではなく、まだ意識を持つ主人公を焼却処分するその時代の人間。何事もなかったことにしてしまったのだから。「あの男」こういう奴いるいるという典型の船長。むかつく。
 「ウは宇宙船のウ」とこの短編集、他はあまり読んでいないけど、著者の危惧する未来像がはっきり示されている。まー人間が感情を去勢されることはないというか、無理だと思うけど。

ウは宇宙船のウ (創元SF文庫)

レイ・ブラッドベリ著 大西 尹明
 (カバー裏より抜粋) 「太陽の金色のりんご」「霧と炎」「霧笛」など、ブラッドベリ自身が16編の自選した珠玉の短編集!

 「タイムマシン」が良かった。まさにタイムマシン。こういうほのぼの系は清涼剤になる。何となく重い話が多いので、余計そう感じるのかも。表題作は未来を夢見る少年の物語なのだけど、残される人々の影が…。「長雨」SFとして好みだけれど、これって太陽ドームが見つかって助かったのか?著者が何を語りたかったのか、戸惑う作品が多いように感じた。自分の感じたように受け取れば良いのだろうけど。

2015年10月7日水曜日

10月はたそがれの国 (創元SF文庫)

レイ・ブラッドベリ著 宇野利泰訳
 (カバー裏より抜粋) 叙情詩人ブラッドベリの名声を確立した処女短編集『闇のカーニバル』全編に、新たに五編の新作を加えた作品集。

 ちょっとオカルトっぽい。メンタルヘルスに問題を持つ登場人物ばかりで…ちょっと気持ち悪くなる部分もあった。例えば「こびと」。主人公はちょっと自分の正義が強いタイプ?と思っていたら、ちょっとではなかったww その友達はこびとの男を笑うしか能のないDQN。なんかなー。「熱気のうちで」主人公達…笑うしかない。他の作品も偏った人達のオンパレード。
 好きな作品は「ダッドリー・ストーンの不思議な死」。これは別の短編集にも掲載されていた。気持ちよく読める作品。

 私はSFのブラッドベリが好きです。