2014年8月23日土曜日

グランド・バンクスの幻影 (ハヤカワ文庫)

アーサー・C・クラーク著 山高昭訳
(カバー裏より抜粋) グランド・バンクス沖合で氷山に激突、沈没したタイタニック号。1500人以上の犠牲者を出したこの悲劇の豪華客船を、沈没百年を記念して引き揚げようというのだ。

 いかにもアーサー・C・クラークの作品といった作品です。彼の単独の作品はワルツのように感じます。問題点は、私は数学が全然だめだということです。途中ででてくる数学?物理??さっーぱりです。たぶんそれを理解できたら、もっと面白く読めるのだと思います。そこは置いておいても楽しめます。私たちがいかに地球という天体を理解しきっていないか、謎に満ちているか。そして、地球の未知の変動による悲劇。まるで用意されていたようにスイッチが入り、人は地球に眠る。タイタニックの死者も失われた登場人物も。娘を失ったイーディスの壊れっぷり…頭が良いから余計悲劇だ。

2014年8月22日金曜日

小さな黒い箱 (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 大森望編
(カバー裏より抜粋) 書籍初収録作「ラウタヴァーラ事件」をはじめ、政治/未来社会/宗教をテーマにした全11編を収録。

 「ラウタヴァーラ事件」以外は他の短篇を扱った文庫で読んだかな…。でも初収録に釣られて買うのがファン。
 「ラウタヴァーラ事件」はちょっと考えるとこあり。脳が生きるってことだよね。何か脳死と結びつけてしまって…。見当違いなんだけど。「時間飛行士へのささやかな贈り物」ってこういう話だったのか。人類どころか宇宙全体が輪に巻き込まれているということ?ゾッとする。そして最後は全員が疲れてしまうんだ。
 デッィクの作品は基本救いがない。ハッピーエンドが好きな私がなぜ引きつけられるのやら。 

2014年8月20日水曜日

能・文楽・歌舞伎 (講談社学術文庫)

ドナルド・キーン著 吉田健一/松宮史朗訳
(カバー裏より抜粋) 日本人以上に日本文化に通暁するキーン博士が世界に比類のない日本の伝統芸能について、その歴史と魅力と醍醐味とを存分に語り尽くす。

 とにかく著者が能が好きなのはよーく分かったw。
 とても読みやすい著書です。能をたいして知らない人でも大丈夫…だと思う。私も能は実際には二度、あとはテレビ、しかも狂言目当て。初心者コースの知識はあります。その程度の知識でも十分理解できる、よい作品だと思います。ただ、あまりの能びいきが鼻につくかな。文楽は大好きなので (人形劇が大好きだから) 文楽のところは面白かったです。

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫)

カート・ヴォネガット・ジュニア著 浅倉久志訳
(カバー裏より抜粋) すへての時空にあまねく存在し、神のごとき全能者となったウインストン・N・ラムファードは戦いに明け暮れる人類の救済に乗り出す。

 …ひでー話。ラムファードの独りよがりの正義(ちょっと違うかな…)のお話。コンスタントやビアトリスがなぜこんな目に遭っているのか、私の一般人的な脳みそには理解不能。だからどんでん返し…でいいのか?…は「ザマー」!!幸せってなんだろう…