2012年7月29日日曜日

七つの時計殺人事件 (新潮文庫)

クリスティ著 蕗沢忠枝訳
(カバー裏より抜粋) チムニーズ館に招かれた客の一人が、睡眠薬の飲み過ぎで死んだ。ベッドの下に置いたはずの八個の目覚まし時計は、なぜかマントルピースに整然と並んでいた

 登場するキャラクターがいいなー。ケイタラム卿好き、ロマックス関わらず遠目で見るには楽しいキャラ。私は推理ものには基本的に向いてなくて、犯人さっぱり検討つかなかった。なかなか面白かったです。

二人で探偵を (創元推理文庫)

アガサ・クリスチィ著 一ノ瀬直二訳
(P1より抜粋) おしどり探偵、トミーとタッペンスのベレスフォード夫妻が開いた、国際秘密探偵社に持ち込まれる難事件、怪事件の数々。

 他のシリーズの探偵役よりも完璧感がない分、好感持たれやすいのかな?いろいろな探偵シリーズへのリスペクト?というか、でてきます。が、私は詳しくないので…。ブラウン神父とホームズくらいしかわからない。探偵小説詳しい人のほうが楽しめるかも。

2012年7月27日金曜日

アクロイド殺人事件 (新潮文庫)

クリスティ著 中村能三訳
(カバー裏より抜粋) 財産家アクロイド氏が刺殺された書斎から消えた一通の手紙ー。それは事件の前日の謎の自殺を遂げたファラーズ夫人からのものであった。

 発表当時議論を呼んだ作品だそうで。今では普通に使われるトリック(でいいのかな) なんだけど、その先駆けとなった作品と考えると、やはりアガサ・クリスティはすごい。作品としてもとても面白い。結末を知ってからもう一度読み返すと、また別の味わい…というか、登場人物の心理状態をいろいろ想像して楽しい。一冊で二度面白い作品。

ポワロの事件簿1・2 (創元推理文庫)

アガサ・クリスティ著 厚木淳訳
(P1より抜粋) ホームズと並んで世界的に有名な小さなベルギー人エルキュール・ポワロの活躍する短篇は、いずれ劣らぬ粒ぞろいの傑作集。

 ずっと名前は知っていたのだけれど…というキャラ。こういう性格設定だったのか。悪くない。ちょっと鼻につく位のキャラは、創作の世界ならOK。実生活では嫌だけど。短編なので、推理小説が苦手な人でも気楽に構えず楽しめると思う。ホームズとはまた違った魅力がある。うまくいえないけど、広い世界の中をうろうろする作品より、一つの箱庭の中で起こる事件タイプが面白いと思った。

フィレンツェ史 上・下 (岩波文庫)

マキャヴェッリ著 齊藤寛海訳
(カバーより抜粋)  「君主論」で名高きマキャヴェッリが晩年に書いた歴史書。古代ローマ時代のフィレンツェの起源から1492年の大ロレンツォ・デ・メディチの死まで扱われる。

 歴史をなぞった創作…かな。メディチ万歳本。メディチに仕えている人だから仕方ないけど。 他の歴史本で扱われている、メディチ側として出したくはない部分は書かれていない。それでも、今でもよくある創作の加わった歴史書としては、面白いと思う。
 しっかし、戦争ばっかりやっているような気がする。実際は各戦争の間には期間があるのかもしれないけど 、まあ、戦争ばっかり。人口減少しないのか??すぐに寝返るし、裏切るし。何だかよく知らないくせに「やっぱりイタリアだな」と思ってしまった。

2012年7月26日木曜日

はてしない物語 上・下 (岩波少年文庫)

ミヒャエル・エンデ著 上田真而子・佐藤真理子訳
(カバー裏より抜粋) 少年バスチアンが読んでいた本の中のファンタージエン国は、正体不明の<虚無>におかされ、滅亡寸前に。

 物語の内容と現実が少しずつリンクしていく。そして登場人物が、またそれぞれの物語を編み出していく。本当にはてしない物語。上巻では、アトレーユの冒険を読む少年バスチアン。下巻は物語の中に入った少年バスチアンの成長物語。バスチアンがだんだんと絶対感から傲慢になっていく様子は心が痛い。とても人間らしいし、まだ子供だしね…。もちろんハッピーエンドで終わるけど、その過程がとてもいい。大人も子供も楽しめると思う。

2012年7月25日水曜日

アガサ・クリスティー99の謎 (ハヤカワ文庫)

早川書房編集部編

 クイズ形式のアガサ・クリスティの雑学集。うーん…微妙。暇つぶしにはいいかな。著者の作品を読み込んでいる人には不要だと思う。もうちょっと内容が濃ければいいのに。残念。

今日の積ん読

おとぎの国のモード 酒井妙子 勁草書房
霊魂観の系譜 桜井徳太郎 ちくま学芸文庫
アガサ・クリスティー99の謎 ハヤカワ文庫
秘密の武器 コルタサル 岩波文庫

 読んだ本が溜まってる…。感想書かないと…溜まるばっかり。暑くてやる気が…。

現在の積ん読 本:198冊 DVD:127枚

2012年7月22日日曜日

ねじの回転 デイジー・ミラー (岩波文庫)

ヘンリー・ジェイムズ著 行方昭夫訳
 (カバーより抜粋)  <アメリカ的なもの>と<ヨーロッパ的なもの>の対立を扱い、一躍ジェイムズの文名を高めた「デイジー・ミラー」。その解釈をめぐって議論百出の感のある、謎に満ち満ちた幽霊譚「ねじの回転」。

 期待以上に面白かった。「デイジー・ミラー」、何というか自由ってこういうことか?支配者の傲慢しか感じなかったけど。最期は二人の男性に、それぞれの理由で見捨てらたという…。羨ましいといえば非常に羨ましい女性「デイジー・ミラー」。そして「ねじの回転」。ヒステリー…。情緒に問題のある主役たち…顔が可愛いくても嫌だよ、こんな子供達。叔父さんは子供が不気味で関わりたくないのでは??と思ってしまう。ごく普通の愛情深い使用人たち。この使用人たちも何か怖い。何もかもが不気味なところに、主人公のヒステリー。怖いよ、先生、あなたが…。

2012年7月18日水曜日

吸血鬼ドラキュア (創元推理文庫)

ブラム・ストーカー著 平井呈一訳
(カバー裏より抜粋) 不死者と人間の果てしない闘いが始まろうとしている…時代を越えて読み継がれる吸血鬼小説、最高最大の傑作!

 吸血鬼小説といえば「ドラキュラ」、映画化も何度もされている名作。映画のドラキュラは観たことがあるので、そのイメージで読み始めた。日記形式とはビックリ。主要な登場人物が日記や手紙に書いたことで物語が進んでいく。時系列は流れの通りなので分かり易い。ただ、始めのジョナサンが閉じ込められた時の雰囲気から、舞台がロンドンに移ってからの雰囲気が、何というか重厚な恐怖からちょっと軽くなった気がする。でも、さすが名作、どんどん読ませてくれました。

2012年7月17日火曜日

遊戯の終わり

コルタサル著 木村榮一訳
 (カバーより抜粋) 崩壊する日常世界を、意識下に潜む狂気と正気、夢とん区政の不気味な緊張のうちに描きだす傑作短篇集。

 なんか文体がボルヘスに似てる…と思ったら訳者が同じでした。でも、なんだか内容というかテーマ自体が似ている気がする。アルゼンチンの作家がこういう感じなのかな。ホラーっぽいのがあり、不可解な感覚の作品、どれも面白かったけど、「夕食会」よく意味が分からなかった。ボルヘスが好きな人なら楽しめると思う。

2012年7月3日火曜日

クリスティ短編集(一) (ニ) (新潮文庫)

クリスティ著 井上宗次・石田英二訳
アガサ・クリスティの初期作品集二冊。

 ポアロ、ミス・マープル、パーカー・パイン…お馴染みの主役が登場。短篇集で特に難解すぎるということもなく、推理小説が苦手でも楽しめる。ミス・マープル、パーカー・パインは特に好き。人間の心理に重点が置かれているように思えるからかもしれない。今のところクリスティに外れなし…かな。たいして数を読んだわけではないけど。短篇はもっと読んでみたい。

ホビットの冒険 上・下 (岩波文庫)

J.R.R.トールキン著 瀬田貞二訳
 (カバー裏より抜粋) ひっこみじあんで、気のいいホビット小人のビルボ・バギンズは、ある日、魔法ガンダルフと13人のドワーフ小人に誘いだされて、竜に奪われた宝を取り返しに旅立ちます。

 指輪物語に登場するビルボの冒険のお話。指輪物語とのつながりもあって、こうだったのか…とか、ゴクリも登場します。とても楽しいお話なんだけど、指輪物語に比べると…かな。なんというか、街の人は、やっぱりとばっちりだと思う。