高階秀爾著
(カバー裏より抜粋) ルネッサンス美術の繁栄に大きな役割を果たしたメディチ家とはどのくらい金持ちだったのか。当時の人間像を代表する傭兵隊長なるものは、どのくらい球菌を貰い、どのような戦争をしたのか…。
私の大好きな一冊です。ルネッサンスをテーマにしたエッセイ集…みたいな、ちょっと違うかな。
まずはルネッサンスといえばメディチ家。成り上がってフランス王妃まで輩出した一族。その 一族がどのくらい金持ちだったのか?当時の納税から確認すると意外な事実が。有名なロレンツォが最盛期と思っていましたが、その頃には落ち目だったとか。フィレンツェの特殊な政治形態も面白い。二ヶ月で議員交代とか、長期的な政策とかやりにくくないのか??とか。
特に興味深いのが市民であったルカ・ランドウィッチという人物の日記。淡々とした視線で時代を見つめる内容が面白そうで。どうしても歴史においては有名人の動向がメインとなり、市民の目線は大きくしか捉えられません。その中のこのような日記はすごく有用です。
他ルネッサンス期のイタリアの戦争とか←正直他のルネッサンスの歴史読んで「戦争ばっかやってる」というイメージだったのですが、実際は…戦闘パレードもどきだったと。
時代の学者、占い←人相学がなかなかで、有名な絵画も出てきます、そして時代を彩る女性たち… 持参金が興味深い。ルカ・ランドウィッチの日記にも出てきていたのですが、この時代の女性の持参金、そして男性側からの支度金。結婚って今も昔も金が掛かるのね。
他、いろいろと興味深い内容満載です。そして文章が上手いのです。読みやすい。学者先生の本は読みにくいことも多いですから。気楽に読める一冊で、おすすめです。