2013年3月26日火曜日

オリエント急行殺人事件 (岩波文庫)

アガサ・クリスティ著 長沼弘毅訳
(カバー裏より抜粋) 豪雪のため、オリエント急行内に閉じ込められてしまった乗客たち。翌朝、その中の一人が無数の傷を受けて死んでいた。

 ポワロシリーズ、クリスティの名作です。さすが面白い。限られた空間で犯人は逃げられようがない状況。乗客の中に必ず犯人が存在する。提示されるいかにもな証拠。全員のアリバイ。私の可哀想な脳細胞では中々ついていくのが難しかった。元々推理小説が苦手でして、アリバイ、証拠、容疑者が混乱して分からなくなってしまう。そんな私でも混乱をきたしながら、楽しく読めた。さすが名作と言えると思う。推理小説ではあるけど、物語性が強いからかもしれない。

スペイン文学案内 (岩波文庫)

佐竹謙一著
(カバー裏より抜粋) スペイン文学の豊穣な世界を案内する文庫版文学史。

 スペインの小説というと…有名なのは「ドン・キホーテ」… くらいしか思いつかない。そのドン・キホーテも読んだことはない。中丸明著の「丸かじりドン・キホーテ」を読んで分かった気分になっている程度。(丸かじりドン・キホーテ」はとても面白い良い作品です。念のため)  西洋の歴史の中では重要な国で、そちらの方なら何とか分かるのだけれど。しかし、中々奥が深く濃い。なぜ一般に取り上げられないのか不思議…濃すぎるからかな?…。私みたいに、濃い作品を読むのはちょっと…だけど、スペイン文学齧ってみたい人にお薦め。もちろん、これから本格的に学ぼうという人の入門編としても良いと思います。

2013年3月16日土曜日

ゴッドファーザー (パラマウント)

監督 フランシス・フォード・コッポラ
主演 マーロン・ブランド
(カバー裏より抜粋) フランシス・フォード・コッポラの名を一躍有名にした傑作。…中略…マリオ・プーゾのベストセラー小説に基づき、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、ロバート・デュバルらが名俳優としての地位を築いた迫真の演技に支えられ、この燃えたぎるような激しい作品は10部門でアカデミー賞のノミネートを受け、1972年度作品賞ほか3部門を獲得した。

 私の大好きな作品の一つ。もちろん実際のマフィアがこんなものだとは思ってはいないけど。あくまで映画だよね。とにかくマーロン・ブランドが渋い。かっこいい、こんな老け方をしたいものだ。あと、トム役のロバート・デュバルもいい!正直私にはアル・パチーノは今ひとつだった。
 小説版を読んで、改めて見直したのだけど、よくわからなかった部分がなるほどと理解できて、より面白くなった。ネリとか、ただのボディガードと思ってたけど、重要な人物だったんだ、とか。どうしても映画ではここの人物を掘り下げるのは無理だしね。うん、小説版も映画もとてもよい作品だ。

茶の本/日本の目覚め/東洋の理想 (ちくま学芸文庫)

岡倉天心著 岡倉古志郎他訳
(カバー裏より抜粋) 岡倉天心が英文で書いた主著三部作(付『東洋の目覚め』)を収録。…中略…これらの著書で西洋思想に対する東洋思想の優位を説いて東洋の再生を宣言する。

 「茶の本」茶室という名のハイソな人たちのための劇場。何かなー…。庶民に向かって書かれた著作ではないので、上から目線も仕方ないのだけれど。茶の文化がもたらしたことの大きさは認めるけど、他の文化を貶めている印象が強くて…。例えばP57。同意できることも多いけれど、結局花を折る行為自体に何の違いもないのに、茶に関してのみ高尚になるって…??他を貶めることに排他的な印象と卑しさを感じてしまう。考え過ぎだろうけど。
 「日本の目覚め」あれ?と思う部分がいくつか…。歴史に詳しいわけではないけど、p160の女帝についての記述で、「女帝は男子の世継ぎがいても男女平等の序列にしたがって即位された」??そうだっけ?女帝は男子の世継ぎの繋の役割では…?他にもちらほらと。海外向けの著作なので、わざとこのように書いているのかな?とは思った。
 「東洋の理想」仏教のあたりは面白かった。  

今日の積ん読

私の「本の世界」 中井久夫 ちくま学芸文庫
小説の森の散策 ウンベルト・エーコ 岩波文庫

 本をゆっくり読みたい…ただそれだけ。茶とちょっとお菓子を置いて、寝転んだり座ったり好きな格好で、疲れたらちょっと寝てみたり。今欲しいのはそういう時間。
 私、相当疲れてる…。旅行もいいな。本をたくさん持っていって、ホテルでひたすら読むんだ。時々ホテルのロビーに移動してみたり。美術館とかも全然行ってない。行きたい。環境を変えたい。とにかく四十九日が終われば一息つけるだろう。相続が片付いたら、旅行しよう。
 で、最近塩まじないやってる。ググる先生に調べてもらえば、簡単にヒットします。ただの気休めなんだけど、今の自分が抱えている問題、悩みを書くことで、では何をしていけばいいのか考えることができる。しばらく放置しなければ仕方ないこと、行動が必要なこと、それぞれ自分自身で解決の糸口を探るきっかけになる。高い占い師に頼る前にお試しあれ。

2013年3月3日日曜日

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫)

アイザック・アシモフ著 福島正実訳
(カバー裏より抜粋) 突然、警視総監に呼びされたニューヨーク・シティの刑事ベイリは。宇宙人惨殺という前代未聞の事件の担当になったことを知らされた。しかも指定されたパートナーはロボット、R・ダニールであった。

 読んでいて、映画の「アイ・ロボット」思い出した。ロボット嫌いといい、ラストの部分といい、かなり似ている。原作と言われてもおかしくない。あの映画もアシモフ原作だったような。とにかく、ベリィのダニールに対する感情の激しさには読んでいてウンザリする。ベリィの奥さんも何かなー。それだけにラストの引っ繰り返り具合が面白い。犯人も意外だった。いつも思うのだけれど、SF作家の人は、宇宙人の思考について、どのような定義をもっているのだろう?ロボットの思考は、アシモフはとてもわかりやすい。宇宙人もロボットに近い描き方されているのよね。興味深いところです。

2013年3月2日土曜日

今日の積ん読

空間亀裂 フィリップ・K・ディック 東京創元社
レディーの赤面 坂井妙子 勁草書房
ゴッドファーザーPART3 パラマウント

 家が忙しくて、2月は更新しないまま終わってしまった…。まだしばらくは落ち着かないけど、ボチボチ読んで書き込んでいこう。
 フィリップ・K・ディック、未訳分がでてきて嬉しい。ゴッドファーザーはPART3はいろいろ言われているけど、私も1,2に比べるとウーンと思うところが多いけど、酷い作品というわけではないし、揃えておいてもいいかなと思って購入。
 最近Macbook proを購入。…使いにくい…。ユーザーの自由度が減ってきているな…という印象。もちろん、いろいろ詳しい人や内部までいじれる人はそんなことはないと言うだろうけれど、ただ気楽に使いたいユーザーにはちょっと…だった。…寂しいけど、Mac買うのはこれが最後になりそう。…といっても新しいWin8だっけ、店頭で観たけど非常に微妙!!

ゴッドファーザー 上・下

マリオ・プーヅォ著 一ノ瀬直二訳
(カバー裏より抜粋) 全米で最も強大なマフィアの組織を築き上げた伝説の男、ヴィトー・コルレオーネ。…中略…独自の非合法な社会に生きる者たちの姿を赤裸々に描き映画かもされた名作。

 実は「ゴッドファーザー」に原作があることを最近まで知りませんでした。恥ずかしい…。映画版は大好きなので、原作も面白かろうと読んでみた。面白い!!映画版で今ひとつわかっていなかったこと、人間関係とか登場人物の立場とか…ルカ・ブラージとかやっと理解した。内容はそれほど映画版と変わらないけれど、観ることとは違う、読む楽しさを味あわせてくれる。成り行きはわかっているのに、次を読みたくさせてくれる。楽しめました。ただ、ルーシーとジュールズの成り行きは、ここまで必要だったのか?という疑問もあった。