2019年1月29日火曜日

帝国の陰謀 (ちくま学芸文庫)

蓮實重彦著
 (カバー裏より抜粋) 純粋な「形式性」と期限なき「名前」の流通によって現実が作られる時代。それはいかにして生まれたのかー。

 あー、スターウォーズの本ではありません。あと歴史の本でもありません。私は出だしをちょっと読んで歴史関連と思って買ってしまいました。いや、歴史も関係あるのですが、歴史をメインにした内容ではありません。蓮實重彦氏の時点で気が付けばいいのに…私のバカ。

 そんな頭の悪い私が何とか理解した内容はー。ナポレオン3世の治世。大統領から皇帝へのジョブチェンジ。暗躍する父違いの弟「ド・モルニー」。国民議会の解散を布告する印刷物。署名は無名の(次期内務大臣)のド・モルニー。その時点で無名の彼の署名に強制力はないはず。しかし布告は国民議会の解散という結果をもたらし、結果によって「ド・モルニー」の名前に権威がもたらされた。普通逆じゃないの??有名人、権力者の名前があってこそ布告は結果をもたらす…と思うのだけど、「ド・モルニー」の場合は違った。
 たぶん間違ってるかも…。ま、こんな感じの内容だと思って下さい。

 全体には、私の悪い頭でも面白いと思えます。ちょっと途中退屈もしましたが。帝政辺りの歴史も関わっていますし、興味のある方は是非。ただし、歴史のみ興味がある人は止めておいた方がいいです。

2019年1月22日火曜日

ジーヴスの事件簿 才知縦横の巻 (文春文庫)

P・G・ウッドハウス著 岩永雅勝・小山太一訳
 (カバー裏より抜粋) 気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年バーティには、厄介事が盛りだくさん。ー ーだがバーティには嫌みなほど優秀な執事がついていた。

 事件簿と言っても殺人事件等は起きません。日常の厄介事に主人公が巻き込まれて、それを執事が解決するというお話です。この優秀な執事が完璧。主人公の主人は有閑青年。叔父さんの財産で毎日を楽しく暮らしいてるボンボン。ボンボンらしく鷹揚でいい人だけどおつむが…。この主人公の語りで話は進みます。(ただし1話だけ執事目線)

 主人公の周囲がクセのある人物ばかりで、殺人事件は起きませんが、いろいろな厄介事が持ち上がります。ちょっと主人公にイライラします。イライラして感情移入できない…。スゴくテンポが良くて、内容が軽くて、短編で、と私の好みなはずなのに。

 主人公が私の好みから外れていました。ただそれだけです。他の人が読めば間違いなく楽しめる作品です。はい。

2019年1月1日火曜日

アガサ・クリスティー完全攻略 (ハヤカワ文庫)

霜月蒼著
(カバー裏より抜粋)1册でクリスティー100作を網羅した傑作評論集。

 裏面の内容通りの評論集です。私はクリスティーは有名どころしか読んではいないライトファンです。というか作品多過ぎて読み切れません。本屋でこの評論集を見掛けて衝動買いしてしまいました。今まで読んだ以外でどれを読むべきかの参考になるかな?と思いまして。

 もう少し各作品のあらすじを詳しく載せて欲しかったかな。あと黒塗りはどうよ??あれは読む気が失せる。(著者がネタバレになると考えた部分が黒塗りにされてある。後のページで黒塗りの部分が分かるようにはなっています) それなら軽いネタバレ有りでも良くない??とか思いました。が、推理ものだと知りたくない人も多いでしょうから…難しいなー。とにかく黒塗りは止めて欲しい。

 どうしてもネタバレを避けているので、内容の上っ面を掬っている感じが否めない。今ひとつクリスティーの面白さが伝わらない。
 あと著者は短篇に苦言を呈してみえますが、私みたいに短篇面白いみたいな者もおります。個人の元々の嗜好もあります。クリスティーの著作を読んだことのない方には参考になるとは思いますが、参考程度にですね。