2026年3月26日木曜日

ブリタニア列王史(ちくま学芸文庫)

 ジェフリー・オヴ・モンマス著 瀬谷幸男訳
(カバー裏より抜粋)   本書を通じてその生涯や事績がはじめて体系化されることになったアーサー(アルトゥールス)王や魔術師マーリン(メルリヌス)らの活躍が鮮烈な印象を残す、ロマンス文学の先駆的古典。
 
 と裏には買いてありますが…ロマンスとは??な著作です。書かれた時代を考えると「まーこうなるよね」という内容ですが、ちょっとドン引きするくらい血生臭く殺戮や殲滅が行われます。
 実はこの本、深く考えずに、裏面も読まずに、中身をチラ読みして「おお、ブリタニア側から見た歴史物!!」と思って買って読んで、マーリンが登場して「あれ??」ようやく創作物と気がついた始末。ローマ軍が弱すぎで、ローマ史も軽く上っ面は読んでいるのですが「あれあれ??」とは思っていました。
 
 そしてアーサー王の扱い軽い…三分の一に満たなくないか?あっという間に療養に旅立ってしまった。ま、アーサー王物語ではなくて、各時代の王様の話だから仕方ないかー。
 
 血生臭さがなければ面白く読めます。あとマーリンの予言のところは退屈で飛ばしました。 

2025年7月18日金曜日

語るボルヘス(岩波文庫)

 ボルヘス著 木村榮一訳
(カバー裏より抜粋)  一九七八年にブエノスアイレスの大学で行われた連続講演の記録。「この五つのテーマは私の内面と深くかかわっていて、これまで自分が思念を凝らしてきたものなのです」
 
 個人的なお勧めは「書物」。始めは書物の歴史からですが、途中からが肝です。ボルヘスも積読してた??若干ニュアンスは違うけど。
 
P27 私は今でも目が見えるようなふりをして、本を買い込み、家じゅうを本で埋め尽くしています。先だっても、一九六六年版のブロックハウスの百科事典を贈り物にいただきました。家の中にその百科事典のあることがはっきり感じとれ、私は一種の至福感にひたっていました。
 
 わかるわー!!そこに本のある幸せ。積読な人には「書物」はお勧めです。
 
 そしてこの講演、目が見えなくなってからなのですよ。アンチョコ無しです。ものすごく記憶力のある人物ですが、超人ですね。
 
 あと「探偵小説」も好きです。有名どころが取り上げられていますから、馴染みやすいと思います。
 
 訳がいいので、読みやすくて分かりやすいです。これはお勧めです。 

2025年5月6日火曜日

英国古典推理小説集(岩波文庫)

 佐々木徹編訳
(カバーより抜粋)本邦初訳を含む、古典的傑作八篇を収録。読み進むにつれて推理小説という形式の洗練されていく過程が浮かび上がる、画期的な選集。
 
 この作品集の中で一番面白かったのは「ポー」でした。ディケンズの「バーナビー・ラッジ」 が抜粋の形で掲載されていて、ポーが書いた書評が載っています。こちらも抜粋です。抜粋ですが、面白い。推理小説作家でなくとも、物書きには必要な事が説かれています。ま、マウントぎみなのは仕方ないかー。推理小説作家の元祖と言って良い作家ですから。
 
 次に面白かったのはブラウン神父ですね。面白さは鉄板。名作です。
 
 個人的に迷作と思ったのは「ノッティングヒルの謎」です。読んでいて疲労した…。推理小説というよりホラー寄り。双子の女性達の病状をそれぞれ日付を用いて証言者によって組み立てて行くのですが、疲れる…。そして、犯人・元凶の男爵の一人勝ち??どうなる??みたいな形で終わっているのが不満点。
 
 現代の推理小説と比べると、謎解きは甘いと思われる作品が多いのですが、私みたいに複雑なものより適度な楽しめる小説を読みたい者にはうってつけです。現代より近世の雰囲気も好きな点ですねー。

2025年5月2日金曜日

賄賂と民主政 古代ギリシアの美徳と犯罪(講談社学術文庫)

 橋場弦著
(カバー裏より抜粋) 古代ギリシアは、贈与交換を「美徳」とする社会だった。では、贈与と賄賂はどう違うのか。賄賂はなぜ厳しく断罪されるようになったのか。
 
 贈与と賄賂…。古代においての贈与と賄賂の微妙なライン的な話ですが…。怖いわー、古代ギリシア…。戦争和議を提案したら石打ちとか、戦争で勝ったら賄賂で敵に引かせた、負けたら敵から賄賂をもらった、いったいどうしろと? 戦争で敵を買収して寝返らせてもアウト!なのか??
 その裏では、個人の贈与は行われている。なんだかその時の空気を読めなかったものが生贄にされていたのでは?と思えなくもない。どうしてもこういう著作は起こった事例を並べるので「古代ギリシアってヒステリーっぽい」と思えてしまう。
 
 いや、面白いですよ、これ。贈与と賄賂の関係は考えるところありですし。でも一度槍玉に上がったら…やはり怖い世界です。