2012年12月27日木曜日

ザ・ザ・ペンギンズ from マダガスカル メリー・キッズマス

監督 ブレット・ハーランド
(カバー裏より抜粋) あのペンギンズが、クリスマスミッションで大活躍!どこに行けばサンタに会える?

 ひよこ可愛い!!まー、女心をくすぐる可愛らしさ。新人のお気に入りだったりする。で、今回のお薦めは、表題作もよかったけど「ゴールデン・スクイレル〜失われたお宝〜」。人の欲望の亡者にしてしまうお宝の鍵。それに魅せられることのなかったのはジュリアンただ一人…っていうか、元々欲望のまま生きているような存在だから…。あとすっとぼけたリスがよかった。全体の感想としては、もう少しだけ毒が欲しいかな。

2012年12月20日木曜日

牛乳屋テヴィエ (岩波文庫)

ショレム・アレイヘム著 西成彦訳
(カバーより抜粋) ユダヤ人集落のしきたりを破って伝統の枠から飛び出してゆく娘たちの姿に民族離散の主題を重ねた、イディッシュ文学の金字塔。『屋根の上のバイオリン弾き』の原作。

 調子のいいおっちゃんが主人公…なんだけど、子供が次々と離れていくのは読んでいて辛い。ツェィトルが一番幸せな結婚だな、と思ったけど、亭主に先立たれて子供抱えてって…。弄ばれて身を投げた娘の話は哀しいし。革命家と結婚した娘の後日談は出てこなかったけど、どうなったんだろう。玉の輿のはずの娘は零落してしまうし。おっちゃんと最期に一緒にいるのはツェィトルとハバァだけだけど、ハバァも幸せだった様子でもない。でも、生きていく力というか強さを感じさせられる作品だった。重い作品なのに語り口が軽快というか軽い調子なので、読み易くもあった。

今日の積ん読

儀礼としての消費 メアリー・ダグラス、バロン・イシャウッド 講談社学術文庫
怪物ベンサム 土屋恵一郎 講談社学術文庫
書国探検記 種村季弘 ちくま学芸文庫
王権 A.M.ホカート 岩波文庫
古代仕事大全 ヴィッキー・レオン 原書房
大聖堂・製鉄・水車 中世ヨーロッパのテクノロジー ジョセフ・ギース、フランシス・ギース  講談社学術文庫
EXIT THROUGH THE GIFT SHOP バンクシー 角川書店
空飛ぶモンティ・パイソン 3 ソニー・ピクチャーズ
ザ・ペンギンズ from マダガスカル パトロール隊始動 パラマウント
ザ・ペンギンズ from マダガスカル ミッションはインポッシプル?ポッシブル!? パラマウント
ザ・ペンギンズ from マダガスカル メリー・キッズマス  パラマウント 

現在の積ん読 本:153冊 DVD:157枚

 寸志も出たし…って買い過ぎ…。正月休みもない仕事なのに、いつ読みんで観るのやら…。で、酔っぱらった勢いで買ったセーラームーン最終回シリーズとマジンガーZ、グレートマジンガーの最終回DVDの感想。マジンガーZは、そうそうグレートマジンガー登場したんだみたいな。グレートマジンガー…主人公が兜甲児=マジンガーZに完全に喰われているじゃないか…主人公の内面を描くスタイルは今時当たり前だけれど、この時代には早過ぎたのかな。セーラームーンは…私はどんな作品・ジャンルとわず、基本主人公贔屓なのですが、何かセーラームーンイライラする。レイちゃんは当時それほど好きではなかったけど、今更ながらこういうタイプ好きかも、だった。最終回で一番好きなのは「無印セーラームーン」。すっきりしていて良かった。

2012年12月18日火曜日

やし酒飲み (岩波文庫)

エイモス・チュツオーラ著 土屋哲訳
(カバーより抜粋) 旅路で出会う、頭ガイ骨だけの紳士、幻の人質、親指から生まれた強力の子…。神話的想像力が豊かに息づく、アフリカ文学の最高傑作。

 解説を読まずに本編を読み出したのだけど、始めは古い時代の伝説、物語の類いかと思った。ただ、途中で写真とか現代の名詞がでてきたので「あれ?」となって、解説みてびっくり。著者は1920年生まれ。不思議な感じだった。物語はカバーにあるように、酒飲みの旅の途中でおこるさまざまな冒険を描いている。冒険といっても、淡々としている。いや、内容的には大冒険なのだけれど、文章から受ける印象が…訳者によるのかもしれないけど。別に悪いわけではなく、神話的なイメージをより深くしていていいと思う。ちょっとだけ、酒飲みの幻覚??を描いてるのかな、とも思った。

2012年12月14日金曜日

艶笑滑稽譚 (岩波文庫)

バルザック著 石井睛一訳
(カバーより抜粋)  「未来に於ける私の最高の栄誉」となる作品と、バルザック自負した『艶笑滑稽譚』。社会・風俗への諷刺をきかせたエロティックで大らかな笑いの世界は、文豪の隠れた名作として愛されてきた。

 時代背景や言葉の遊びが中々に難しい。解説はついているんだけれど、度々みるのも面倒だし。内容はフランスの時代の風俗や王様、坊さんを揶揄して楽しもう、といったところ。訳者の人は大変だっただろうな。雰囲気がよく伝わってくる文章。「ルイ11世陛下のご遊楽」の「くそ」とか大変だったと思う。ただ、言葉遊びを含む物語を楽しめるのは、それなりにフランスに通じている人でないと無理かな…というか、私にとっては面白くなかったんだ。

怪異考/化物の進化 (中公文庫)

寺田寅彦著
(カバー裏より抜粋)怖がりだった著者の好奇心と興味を大いに刺激した、怪異な出来事に関する考察を集めた。

 著者の化物・怖い出来事に関する著者の考え方は好きだ。共感できる。怪奇現象と科学との関わり。著者の時代からかなり過ぎているけれど、まだまだ私たちの周辺には科学でも分からないことはたくさんある。神秘主義と科学のどちらにも偏りのないバランスの大切さを感じた。
 …で、著作自体はいいんだけれど、解説がねえ…。いわゆる放射脳()。とにかく結びつけたくて仕方ないらしい。すっごい白けた。

アジャストメント (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 大森望編
(カバー裏より抜粋) ディックが生涯にわたって発表した短篇に、エッセイ集「人間とアンドロイドと機械」を加えた全13篇を収録する傑作選。

 この短篇集で私の一番は「凍った旅」。コールドスリーブ中なのに意識だけ目覚めてしまったら…。考えただけでゾッとする。肉体は眠っているのに、意識だけがある。で、宇宙船(コンピュータが制御している)は夢をみさせて何とかしようとするのだけれど…。ひたすらループ、ではなく夢が繰り返される度に状況が悪くなっていく。最期は現実が認識できなくなって…いや現実として描かれているけれど、本当に現実なのか?? 「電気蟻」も良かった。自分がロボットだと知ったら?ロボットに現実を提供する装置を消去したら?「おお、フローベルとなりて」もそうだけれど、現実や自身の存在をテーマにした作品が多かった。私の好きな分野なので、充分楽しめた。