2010年5月31日月曜日

ムーミン、海へいく ムーミン・コミックス3巻 (筑摩書房)

トーベ・ヤンソン ラルス・ヤンソン著 冨原真弓訳
ロンドンの新聞で連載された漫画版「ムーミン」。

 本のカバーもぜひ外して覗いてみて。イラストがあるから。小説のニブリングが漫画版ではクリップダッスになってる。帽子かぶって服を着ていて可愛い。
 「スニフ、心をいれかえる」こういう奴いるよね。善行を前面に出して、他人に迷惑かけまくる人。スニフは最後に元に戻ったけど、リアルではそのまま突っ走ったり教祖になったりするからたちが悪い。

2010年5月30日日曜日

イタリア紀行 下 (岩波文庫)

ゲーテ著 相良守峯訳
第二回ローマ滞在編。

 下巻は思想に関したことが多くなっている印象を受けた。あと仲良しと思われていた人たちへの不満がちらほら。人間だから仕方ないか。適度な距離は必要だ。謝肉祭の模様が述べられているが、とても面白い。これがこの作品のメインディッシュといってもいいぐらい。めちゃくちゃだ。とても楽しそうだけど、怪我人、死人、ケンカ、殺人が大量発生しているのでは?
 読んでいて、とても人に恵まれている人だという印象を持った。みながゲーテに良くしている印象を受ける。才能も魅力もある人物なので当然だろう。でも私はひねているので、何か理由があったのでは?等と憶測してしまう。あくまでゲーテからの視点だし。

2010年5月29日土曜日

今日の積ん読

ギリシア案内記 上・下 パウサニアス著 岩波文庫

 本屋さんにに近づいてはダメだ。もう少し積ん読の数が減るまではと思っていたのに…。今月中に220冊台を見たかったけど、無理そうだ。来月は特に欲しい新刊はないけど、7月の岩波の大量復刊がやばい。5冊欲しい…。ダーウィンの「ビーグル号航海記」講談社学術文庫版買わなくて良かった。出たときに、これはもしかして岩波文庫の復刊するかも…と思って留まった。よかった。 別に講談社学術文庫版が悪いという意味ではなく、抄訳なのが不満だっただけなので誤解ないように。

現在の積ん読 本:236冊 DVD:101枚

 最近アイザック・アシモフをよく読んでいる。面白い。私は相性がいいみたいだ。どうせなら販売中のものでSFを買っておこうかと思ったのだが…絶版多いのね…。今持ってるのも去年末から今年初頭にブックオフで買ったものが多いのだけど、絶版かなり混じっていたんだ。運が良かった、しかも105円コーナーメインで。こういう時、電子書籍に期待してしまう。絶版も手軽に手に入るようにならないのかな。オクやマケプレは利用する気はないし(これは積ん読に対する歯止め)。多分 iPad、キンドル、その他メーカーの電子ブックリーダーが多様化しても、どうせ出版社は売れ筋を主で出してくるだろうから、期待はできないよね…。ブックオフ頼りになりそう。偶然を期待するか。

2010年5月28日金曜日

あこがれの遠い土地 ムーミン・コミックス2巻 (筑摩書房)

トーベ・ヤンソン ラルス・ヤンソン著 冨原真弓訳
ロンドンの新聞で連載された漫画版「ムーミン」。

 相変わらず皮肉がいっぱい。力一杯周囲に引っ張り回されているムーミン一家。スノークのお嬢さんの俗物ぶりがいい。本当によくいる女の子。 逆にムーミンママは天然だし。スナフキンは小説版と変わらぬキャラクター。スティンキーは悪党なんだけど「ムーミンママの小さなひみつ」の最後シーンのような憎めなさが好きだ。

2010年5月27日木曜日

アンデルセン童話集6,7 (岩波文庫)

大畑末吉訳
「子供部屋で」「茶びん」など可愛いお話も多い巻。7巻最後にアンデルセンの解説がある。

 最後2巻まとめて。批判的な感想が続いたけど、あくまで個人の好き嫌いの範疇としてみてもらえるように。文学作品としては価値があるのは分かっているけれど、どうにも抹香臭さに抵抗があってダメだ。キリスト教徒的にはOKなんだろうけど。好きなお話もある。「銀貨」とか「ノミと教授」など、ちょっと滑稽なものが好み。
 時代の違いを考えなくてはならないのは承知の上で、ギリシア神話の神様はやたら人間臭くて我がまま、残酷だけれど、アンデルセンの描くキリスト教の神様は別の意味で残酷だ。ものすごく抵抗を感じた。
 面白いと思ったのは「緒言と解説」p306で アンデルセンが「初期のものは意義があるが、のちのものはそれにおとる、という人がままある。これはもちろん事実ではない」と述べている。続けて弁明を述べているのだけど、今の時代もよくある "読者が悪い" ときた。今も昔もだな。もちろん実際はどうなのかは私には判断がつかないけど、ちょっと笑えた。

2010年5月25日火曜日

イタリア紀行 中 (岩波文庫)

ゲーテ著 相良守峯訳
ゲータのイタリア旅行記。ナポリ・シチリア編。

 シチリアでカリオストロの話が出てきた。ゲーテの行動は酷くないか?投獄された息子 (カリオストロ) の身を案じている家族を自分の興味から騙して…。こういうところ読むと、どんな立派な事述べていても白けてしまう。あー、でも「若きウェルテルの悩み」の解説ではかなりアレな人物のように述べてられていたような。
 この作品自体に人間くささが少ない。何事にも淡々としているというか。でも、実際はかなりドロドロしていたのかな?と想像したり。

2010年5月24日月曜日

アンデルセン童話集5 (岩波文庫)

大畑末吉訳

マイナーな物語が続いている。

 「墓のなかの子供」これはよく似た話があちこちにあるね。グリムでもみたような。他よりもキリスト教色を強めた感じ。「氷姫」身もふたもない話。神様ってのは、何とも酷い性格だなと。氷姫は酷いけど、我がままで女王様なのだと理解はできる。でも神様は…バベッテを罠にかけているように思えるのだが。

2010年5月23日日曜日

黄金のしっぽ ムーミン・コミックス1巻 (筑摩書房)

トーベ・ヤンソン ラルス・ヤンソン著 冨原真弓訳
ロンドンの新聞で連載された漫画版「ムーミン」。

 ムーミンの漫画版。日本の新聞連載の漫画のようなもの。左から読んでいくのに、最初は違和感があった。慣れれば平気。小説版とは違う味がある。性格付け等はだいたい一緒かな。「ムーミンパパの灯台守」は小説版にもあるけど、ちょっと違っていてこれもいい。スティンキーは小説版で出演していたっけ?漫画版のみのキャラクターか。いかにも悪そうな、でも憎みきれないキャラクター、好きなんだ。周囲に振り回されてしまう住人たち。世間への皮肉が含まれているのだけど、小説版よりストレートに感じた。

2010年5月22日土曜日

今日の積ん読

DVD まぼろしの市街戦 20世紀FOX

 好きな映画なので今回の再販が嬉しかった。でもDVDは全然観てない。DVDプレーヤーの代わりにしていたiBookが壊れかけ状態になってしまったので、観るのがおっくうになっている。いいかげん消化しないと。 

現在の積ん読 本:235冊 DVD:101枚

 ムーミンが3Dになるという記事を見た。どうなることやら…すごい不安。というか、なぜムーミン?他に3Dにして面白そうな作品あるだろうに。Z級にならない事を祈る。
 iPad向けに京極夏彦氏が新作を発売するとか。半額はすごい。iPadは28日発売だったっけ。初動がどれだけ出るか楽しみ。どんな祭になるか、さくらのアルバイトも花盛りかな。個人的にAppleの初期ロットは…なんだけど。最近はどうなんだろ。
 私は目がよくないからiPadは…キンドルがんばれよ。それに私の読む本は今までのラインナップを見てもらうと分かるように岩波、筑摩がメイン、古典が多いので、このあたりが変わってこない限りはね…。京極夏彦氏あたりは興味持てないし。青空文庫のリーダーは欲しいけど。縦書きが読めるのが欲しいところ。

グリコ LEE 30倍 2010年版


毎年夏の風物詩、グリコ LEE 30倍の2010年版が発売された。これをみると「ああ夏だ」という気分になる。さっそく購入、増強ソースがいい顔してます。私はカレーはご飯で食べるより茹うどんにかけて食べる方が好きな邪道趣味なので、さっそくうどんを茹でて準備。胃を保護するための牛乳と冷たい井戸水を用意。赤い斑点のようなものが増強ソース、いかにも辛そうでよい。食べる。一口目、特に普通。食べ続ける。何か辛いんですけど。口が…。水と牛乳を飲み飲み、口に運ぶ。辛い…でも美味い。口が痛いので、休憩を入れつつ完食。ごちそうさまでした。
 口が痛くなる辛さだけど食べられない辛さではないので、 胃の弱い、口・喉に病気がある、その他病を持たれている人以外は大丈夫。でも昔のLEEはもっと辛くなかったかな。私の記憶では、何年前に食べたかは忘れたけど、やたら赤いLEEが最強だった気がする。グリコのサイトでは2005年に赤いのが発売されているようだけど、これだったのかな。口はボーボー、胃は熱い、耳が痛みだす( 私は耳が弱い )、2,3日胃と耳がおかしくしてくれた、ある意味最悪、ある意味最高のLEEだった。あのLEEを食べてしまったので、いまのLEEは正直物足りない部分もある。でも市販ではこのレベルが無難なのかな。でもでも、もう一度あのLEEを食べてみたいのだ…。

2010年5月21日金曜日

イタリア紀行 上 (岩波文庫)

ゲーテ著 相良 守峯訳
ゲーテのイタリア紀行文。カールスバード出発~ローマまで。

 このところディケンズ、ギッシング、そしてゲーテとイタリア紀行文を続けて読んでいるけど、一番読みやすいのはゲーテ。もちろん、それぞれ目的、興味などの違いがあるのはわかった上で読み易さだけ考えてのこと。訳者によりなのかな。知らない名前が沢山でてくる。適当に注釈を見ながら、イタリアに空想の旅をしよう。解説によると、有名な建物、作品について触れられていないことが批判の対象になっているらしけど、私程度の人間は、イタリアの有名無名はさっぱりなので気にせずに楽しめる。逆に詳しい人は、なぜゲーテが外しているのか考えるのも楽しいかも。
 とにかく博学で興味が広い。素晴らしい旅だ。西欧の芸術家にとってローマは特別な場所なのだと改めて感じた。

2010年5月20日木曜日

アンデルセン童話集4 (岩波文庫)

大畑末吉訳
知らない話ばかりだな。「パンをふんだ娘」はお話のその後が綴られている。

 暗い、重い話が多い。グリム童話とどうしても比べてしまうのだけど、あちらは残酷といわれるけど、こちらも残酷さは負けていない感じがある。童話というより宗教説話といった雰囲気。今回は「ソーセージの串でつくったスープ」が童話らしくて好きだった。

2010年5月19日水曜日

治療文化論 (岩波現代文庫)

中井久夫著
精神医療の概念、及びその考察。

 シャーマンと精神科医との協力体制というのは面白い。お祓い、エクソシスト等等バカにしてたけど、ちゃんと意味がある行為なんだ。あと某宗教の教祖について述べられていた。一線を越えてしまったのか…。たぶんこういう人は今も存在するんだろうな。教祖となるか、狐憑き、精神病とみなされるか、運次第?!
 日本の精神病理は力一杯西洋型に爆心している印象を持った。精神病な自分に酔っている人もいるし。
 著者の本は私の頭では難しい。理解した気になっていてもうまくまとめられないのはわかってないのだ。でも、面白いから読んでしまう。

2010年5月18日火曜日

アンデルセン童話集3 (岩波文庫)

大畑末吉訳
あまり有名な話がない?ようだ。私が知らないだけかもしれない。

 相変わらずキリスト教臭がプンプンしている。西欧の道徳なので、理解できない部分が多い。「おとなりさん」どう受け取っていいのかさっぱりだった。「千年後には」はよかった。よくできた皮肉だと思う。ヨーロッパの人ってアメリカ人軽蔑していたんだね。

2010年5月17日月曜日

河童が覗いたトイレまんだら (文春文庫)

妹尾河童著
河童氏の有名人トイレインタビュー。

 トイレがいろいろ。広いトイレ羨ましい!蘊蓄が多くて楽しめる。中国とかトイレに個人の仕切りがないのは有名だったけど、アメリカも田舎の方ではそうだったのか。意外。あとトイレで本読んだりする人多いんだ。本棚やら雑誌、机まで、不思議空間、何でもあり。
 有名人の「本当は私こういう人なんです」みたいなの多い。この作品の初出が1990年代初頭なんだけど、あの頃はこういうのが新鮮だったのかな。さすがに今は食傷ぎみだけど。

2010年5月14日金曜日

神々の国の首都 (講談社学術文庫)

小泉八雲著 平川祐弘編
著者から見た明治の風習、風俗を鮮やかに描き出す。

 知らないことがたくさんありすぎて、日本人として恥ずかしい。妙法蓮華経の音はサンスクリットだったのか。検索してみて驚いた。地域によって同じ行事でも風習が違うことが多いな。神道と仏教がごっちゃになっていて、著者の記述と私が教えられていた事と違う部分もある。浄土真宗って神道ダメな地域があったんだ。私の住んでる地域も真宗だけど、昔から何でもウエルカムだな。お年寄りはコレクターかなと思うぐらいいろいろやってるし。
 読んでいて、書かれている話は確かに日本の事なんだけど、別の日本のように感じた。ちょっと…いやかなり褒め過ぎでは?外人さんの前でいい顔していただけのように思うのは、私がひねくれているからだろうか。西洋中心目線で他の国を書いている著作とか嫌いだけど、ここまで美しい日本には、また疑問を感じてしまうのだ。すぐ前に「遠野物語」を読んだので、余計に不思議に思うのかもしれない。

2010年5月13日木曜日

少女古写真館 (ちくま学芸文庫)

飯沢耕太郎著
可愛い少女達の写真のコレクション。

 芸術家の人は面白い。深読みが笑えてしまう。フロイトは精神医学より小説など芸術の分野で好まれていると何かで読んだけど納得した。私のような鈍感にはよくわからない世界だ。ルイス・キャロルも登場。写真は可愛い。アンティークぽいくていい。文庫よりせめて単行本サイズだったらと思った。

2010年5月12日水曜日

遠野物語 山の人生 (岩波文庫)

柳田国男著
有名な「遠野物語」と山人についての考察。

 簡単に人を殺していたんだな、と。山人は大きな猿と思って怖くて鉄砲を撃ったのだろうけど、それだけではないのでは?とちょっと疑ったり。赤ん坊も恐らく奇形だったので悲観してというのもあるだろうけど、でも歯が生えてたからってそれだけで…。時代が違うといえばそれまでだし、私も自分とは明らかに違う人間の形をしていても、そうとは看做せない者がいたら防御するだろう。でもね…。
 何百歳という長寿を名乗る人の考察には納得。彼等の話すのが「平家物語」「義経記」等有名な話で暗記していたから田舎の人は信じてしまったと。ありえるかも。こういうの今もあるのでは?他、神隠しについての考察なども面白かった。
 柳田国男の著作は前に読んだ本がすごく嫌な感じだったのだが、この作品は普通に面白かった。

2010年5月11日火曜日

南イタリア周遊記 (岩波文庫)

ギッシング著 小池滋訳
ギッシングの南イタリア紀行。 

 情景が想像できるような描写が続いている。風景も街並、宿屋等、良い事も悪い事も描かれている。こんな旅は私みたいなチキンにはできない。熱病にかかるような環境…、今も紛争地域とか行く人たちがいるけど、コトローネのような状態、さすがにもっと酷いかな。こういう旅に憧れはするけど、本の中だけにしておこう。
 著作の中にも述べられているけど、今も昔も観光地でない限り地元の人間は遺跡跡とか興味持たない、知らないんだよね。私もそうなんだ…。遠隔地の人に教えられてそうなんだと知る事が多い。著者は昔の名残が無くなっていくのを嘆いているけど、そこで生活している者にとっては観光地ならともかくね…土地の人間は困る。
 この作品、全訳のようなんだけど、旅の途中で終わってる。原文がそうなのか?残念。

2010年5月10日月曜日

明治の話題 (岩波文庫)

柴田宵曲著

明治の話題を文人、政治家、日常生活から綴った随筆集。

 明治という時代を大仰に述べるのではなく、日常から見つめている。私個人としては、政治家云々の話より風物や風俗の話題に興味がそそられた。のんびりと構えずに読めるところがいい。今はもう見られなくなった風俗もあり、今でもありそうな「きんとん」の話、金を得て存分に食べようとしたら、もう沢山になってしまったという。私はケーキでやった。
 明治は遠くなりにけり、年号だと3つ前。こういう書物で思いを馳せるのも一興だと思う。そういえば泉鏡花の現代語訳がでているようで、びっくりした。

2010年5月9日日曜日

イタリアのおもかげ (岩波文庫)

ディケンズ著 伊藤弘之・下笠徳次・隈本貞広訳
ディケンズのイタリア紀行。

  ー(傍線?棒線??) があちこちにあって読みづらい。1ページ一カ所程度ならいいけど、連続されるとわけわからなくなる。これがないところは読みやすいのに…。イタリアでの経験が生き生きと記されているのに…。
 皮肉というかアイロニーっていうのが多くて、意味が理解できないところがある。これは私の知識不足のためだけど、イタリアに詳しい人には分かるのかな。羨ましい。現在でも乞食や物乞いは多いのかな。読む限りでは一つの産業だね。
 印象としては、イタリアというところは業が深いなと。

2010年5月8日土曜日

ヘンリ・ライクロフトの私記 (岩波文庫)

ギッシング著 平井正穂訳
ヘンリ・ライクロフトという虚像を通して、ギッシングが本来のあるべき自分を求める。

「ギッシング短篇集」を読んで、自分の鏡を見るような思いをした。それでこの著者に興味を持って、代表作と云えるこの作品を読んでみた。
 主人公のヘンリ・ライクロフトは著者の代理でありながら、著者とのギャッブがかなりある。解説に述べられていた著者の経歴を見る限り、はっきり言って愚かな人…。ヘンリ・ライクロフトの世界は著者のまさしく虚像、嘘と叫びで塗り固められた仮面かな。家、農村、家政婦、イギリス、食事…、理想的だけど違和感がある。
 主人公のというか著者の偏り方、自分が肥大したようですごく嫌なんだけど、共感できる。

2010年5月7日金曜日

アフターマン (ダイヤモンド社)

ドゥーガル・ディクソン著 今泉吉典訳
人類が滅びた後の動物の進化を考察する。 

 TVだったかで「フューチャー・イズ・ワイルド」を観て興味を持って購入したんだけど、こういうのは映像の方が分かりやすいと思った。先に映像観たのが失敗だったか。
 人類の滅亡時の状況の考慮はなしという前提での進化を取り上げている。子どもと一緒に進化を考えたりするのに良い本だと思う。私が読んでいて、これはどうなのかな? とか思う部分とかあって、それを考えるのは楽しかった。

2010年5月6日木曜日

アラブが見た十字軍 (ちくま学芸文庫)

アミン・マアルーフ著 牟田口義郎・新川雅子訳
イスラム教徒から見た十字軍を描く。

 ちょ…序盤ずっとフランク(十字軍)のターン状態。虐殺虐殺、異教徒皆殺しだぜ!ムスリムというと、よくも悪くも信仰のために突撃!のイメージがあったから、弱腰ぶりにはびっくりだ。読んでいて「何やってるんだ」ととにかくイライラした。内部での足の引っ張り合いが酷い。これではエルサレムをとられても仕方ない。でも、ちゃんと英雄が出てくるんだね。それだけ酷い時代だったという事だけど。暗殺教団とか小説に出てきそうな狂信集団まで登場して、まさしく事実は小説より奇なり。キリスト教もイスラム教も宗派が違えば異教徒扱いなんだ。キリスト教はギリシア正教がカトリックから酷い目に合わされてる。
 現在のギリシア人はソクラテスとかの時代とは人種が違うと聞いた事があるけど、この辺りで人種の入れ替えがあったんだ。十字軍は歴史の大きな転換点だったということか。西洋は中東の進んだ文化と取り込んで進化を果たして現在に至る。中東は…現在はどうなってるの?キリスト教側からの十字軍の歴史と読み比べてみるのが面白いかもしれない。

2010年5月5日水曜日

御取越

 私の住んでいる地域は、基本は浄土真宗なのだが (神道、観音教、御岳信仰、その他いろいろやってる) 、この間親戚の家で「御取越」があった。年寄り曰く「ご先祖さんのお祭りで本当は毎月やるもの。やらないけど」とか。ググル先生で出てくるのとはちょっと違う。地域による違いか、長い間に認識が変化したのかわからない。私は恥ずかしながらこの歳まで法事と御取越の違いを知らなかった。でも私よりお年上の方々も知らなかった。70歳代以上はさすがに知っていた。風習が残っている田舎でさえこんなものだ。
 今回は法事と兼ねて執り行われた。二時から御経め、その後親戚が残って食事。この親戚が問題。親戚のイメージは血縁関係が遠くても分かっている程度だと思われるだろうが、わからないんだ、困った事に。「この家とはどういう血縁?」と聞いても「わからん」年寄りですら分からない血縁関係の親戚たちがいっぱい。血縁関係がない親戚もある。昔は田舎に別の地域から事情があって引っ越してきた場合「子どもの歳が近いから親戚付き合いしましょう」という形で地域に入り込む手段としていた。今はないよ、私の住んでいるところでは。別に血縁云々はいいんだけど、出しゃばり方はものすごい、うんざりするほど。
 で、親戚と称する家のご婦人方は、食事用の料理の手伝いに行かなくてはいけない。だいたい家ごとに一人。ところがだ、今回も私の家は本来なら母一人行けば良かったはずなのに、御取越をする親戚の家の (くそ)ジジババが御取越の二ヶ月以上前から事ある毎に、私に御取越に来てくれ、来てくれと連呼。食事だけ食べにいくのは流石に礼儀知らずすぎるので (私の地域では後で間違いなく悪口を言われる)、私までお手伝いに行かなければならなくなった。今から考えると、多分他の親戚にも連呼していたのだろうし他の親戚は華麗にスルーしていたのだから家もそうすればよかったのだが、なんせ家の爺婆は見栄っ張りだから…。
 その手伝いの人数の多い事!その御取越をする親戚の家の孫嫁陣が4人ぐらいいたかな、それプラス10人だぜ?人数はお手伝いの人含めて30人…35人くらいかな。料理は基本が料理屋のパック。それプラスサラダやら天ぷら類、漬け物などもろもろ。バッカみたい、パック料理は40cm×30cm弱くらいの大きさ、かなり量が多い上にプラス料理だぜ?パック料理だって元は料理するのが大変で手間がかかるから、という事で取り入れられたのに、田舎の見栄っ張りが結局他にも作らなくちゃ恥ずかしいという感じで、元の木阿弥状態。とにかくお手伝い大杉。天ぷらあげるのに6人掛かり(笑)。いくら田舎で大きな家といっても一般家庭の台所に14,5人がうじゃうじゃ、互いに邪魔だわ、危ないわで、うんざり。13時から19時までたいしてやる事もないのに拘束されました。時給頂きたい気分です。
 御取越など行事を大切にするのは良い事だと思う。ただ余りにも色々な意味で無駄過ぎ。人的にも料理的にも、坊さんの料金的にも。(浄土真宗は葬式仏教が特に酷いのでは? うんざりしてる ) 料理もパック料理おいしくない、コンビニ弁当のほうがずっとおいしいレベルで、作った料理も余りまくり、ご飯一升分残ってた。赤飯もチラシ寿司も。合理的なのが素晴らしいとは言わないけど、もうちょっと何とかするべきだと思う。もしかしたら昔よりも酷くなっているんじゃないかな。あー、でも最近は御取越も法事も行われる事自体が少なくはなってきているけど。昔は法事も御取越も近所付き合いの一つとして意味があったと思う。御馳走だったし、酒を飲んでゆっくり膝を突き合わせ、ご婦人方も取り留めなく噂の花を咲かせて。今はね…。私も私の代になったらやらない。宗教嫌いだし、必要なのは命日にきちんとお墓で手を合わせる事だと思うから。

メディチ家の人びと (講談社学術文庫)

中田耕治著
メディチ家の有名人の人物像を追う。

 よくあるメディチ家史。特に目新しい事が述べられているわけではない。評伝のライトノベルといったところ。メディチ家のことを知りたい人の入門編にはいいかもしれない。ただし、著者が陶酔しているのではないかと思われる部分が多いので鵜呑みにはしないことというか、素直に小説書けばよかったのではないだろうか?

2010年5月4日火曜日

イブン・ジュバイルの旅行記 (講談社学術文庫)

イブン・ジュバイル著 藤本勝次・池田修訳
ムスリムの巡礼旅行記。

 神様讃える文章を除いたら、本文が1/3位減りそうだ (笑)。著者がムスリムだから仕方ないけど。千夜一夜物語もそんな感じだったし。とにかくスルターンが超善人扱い。フランクは豚。著者は十字軍のすぐ後くらいに生まれたようだから仕方ないか。キリストやモーゼが讃えられているのに驚いた。預言者だから当たり前なのだが、どうしても十字軍とか頭に浮かんでしまい敵と受け取ってしまう。あくまで敵はキリスト教なんだ。
 旅の行程は面白いのだけど、建物の描写は退屈というか、わけが分からなくなる。実物の写真見ないとわからない。 とにかくどの建物も素晴らしい事は分かった。そして商人がたくましいことも。戦争中も行き来があるのか。

2010年5月3日月曜日

時の娘 (ハヤカワ文庫)

ジョセフィン・ティ著 小泉喜美子訳
ベット探偵がリチャード三世の真実を探る。

「歴史は勝者によって作られる」「トニィパンディ」私は歴史学者でもないし、詳しい歴史の事実は分からないけど、これもありえるよね、とは思った。遥か昔〜現代、今この時にも日本で世界で歴史は操作されているのかもしれない。メディアの発達は真実を知る機会よりも歪める機会を与えた。そして人は一度信じた事を否定されるのを嫌う。p181のローラの手紙が響いた。
 物語としては歴史を追っていくだけで、設定された舞台上で殺人が起こるわけでも事件が起こるわけでもない。唯一の事件は、主人公がマンホールに落ちた事だけ。なのに読むのがやめられないのだ。トマス・モア、ボロクソにされてるので、信者は読まない方がいいかも(笑)。
 p19に「積んどく」という表現がでている。この本は1977年改版発行なのだが、「積ん読」も30年以上の歴史を持つのか…。

2010年5月2日日曜日

ブラウン神父の醜聞 (創元推理文庫)

G・K・チェスタトン著 中村保男訳
ブラウン神父シリーズ最終巻。

 シリーズ物はどうしてもパターン化してちょっと飽きがくることが多いのだけど、ブラウン神父はそれがないと思う。トリックはパターンになっているのだけど、それが気にならないのはブラウン神父のキャラクターが立っているからだろう。これで宗教色がもう少し弱ければ…。もう慣れたけど(笑)。

2010年5月1日土曜日

今日の積ん読

文化と抵抗 エドワード・W・ザイード ちくま学芸文庫
イタリア紀行 上・中・下 ゲーテ 岩波文庫
ミッキーマウス DVD BOX vol4 宝島社

 うーん、今月はもう買わないと誓ったはずなのに…最後の最後で…。用事で5時間程空き時間が出てしまったんだよね。映画観るつもりだったけど人が多いのにうんざりして、ショッピングモールの休憩コーナーで本読む方がましだし、うんうん。 

現在の積ん読 本:249冊 DVD:100枚

 本屋さんぶらついていたのだが、付録付きの雑誌多いね。しかもそのエリアはたいてい荒らされてる。ぐちゃぐちゃになっていて付録は飛び出していて、本屋さんも大変だ。