2018年6月26日火曜日

ホームズと推理小説の時代 (ちくま学芸文庫)

中尾真理著
(カバー裏より抜粋) イギリス、アメリカ、そして日本の推理小説を概観し、正当な評価を与えるべく英文学者、愛好家の視点から考察する。

 正直言いますと、ホームズは大して読んではいないのです。どちらかというとクリスティが好きかな。マープルとかポアロとか。でも推理小説への興味というか歴史には関心があるので購入してみました。
 ホームズ関連の話は面白いです。意外だったのは本当に推理小説といえるものが少ないということ。でも、そんなことは関係なく読ませる魅力があるのでしょうね。ただ復活に関しては、今時の漫画をパターンを思い出して「昔からあるんだー」と笑いました。ホームズは今もドラマ・映画になっています。それだけの魅力があるのですね。私はエレメンタリーホームズ&ワトソンが好きです。そしてホームズの設定は大概変わり者、ワトソンは愚鈍で率直な常識人。
 ホームズの話だけではなく、ホームズ以前の推理小説…ポーについて、ホームズの影響を受けている推理小説、様々な視点で語られています。日本の推理小説の歴史も述べられています。
 ホームズをメインにおいて推理小説全般について語られています。推理小説自体にちょっと関心があるという方でも楽しめると思います。

2018年6月19日火曜日

ヨゼフ・チャペックエッセイ集 (平凡社ライブラリー)

ヨゼフ・チャペック著 飯島周編/訳
(カバー裏より抜粋) 鋭い観察眼で人々のの暮らしや社会、芸術、戦争などを見つめたエッセイ26編とナチス強制収容所で死の直前に綴られた詩9編。

 正直に言います。カレル・チャペックと勘違いしてました。お兄さんのほうのエッセイ集です。チェコという国、政治背景がなかなか難しい国です。そして有名な芸術家を多数輩出している国でもあります。私はアニメーションが好きで観ることが多いのですが、テーマの重さは常に感じます。この作品も然り。背景が分からない部分が多いので、著者の本音がくみ取りにくかったり。始めのテーマ「人々」のあたりは面白く読めるのですが、それ以降は厳しいです。未来派、ピカソを皮肉っているのかなーとか私の知識の限りで頑張りましたが、無理でした。そして段々と重くなる…。

 背景が理解できている方にはお勧めです。そうでないと飽きるかもしれません。