2016年12月25日日曜日

アルファ・ラルファ大通り (ハヤカワ文庫)

コードウェイナー・スミス著 伊藤典夫/浅倉久志訳
 (カバー裏より抜粋) 〈人類補完機構〉未来史中、最大のイベントである〈人間の再発見〉期の珠玉の7短篇を収録する短篇全集・第二弾

 「スキャナーに生きがいはない 」に続く第二弾です。第一弾を先に読んでいたので、第一弾よりは世界に入り込みやすかった。短篇毎の順序は気にしない事。全体のテーマは〈人間の再発見〉。これは難しいですね。苦しみ、哀しみ、悲しみ、病、危険、悲嘆から解放された世界。逆に実は管理社会である。何を人間の幸せとするか?ですね。

 いくつかを簡単に紹介。「クラウン・タウンの死婦人」ジャンヌ・ダルクものです。テーマはキリスト教的。途中が平坦で退屈気味でした。「ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち」主人公の盗賊に感情移入できない。ママ・ヒットン頑張れだった。盗賊の追いつめ方と負わせた借金。面白かった。表題作「アルファ・ラルファ大通り」。〈人間の再発見〉の混乱期、もしくは過渡期。人類補完機構の保護下にある二人が、それ以外の地域にちょっと出掛けたら…。当たり前の事が当たり前でない現実。主人公は愚かにみえるけれど、自分が同じ立場に置かれたら…。

 第三弾は「三惑星の探求」。近日発売です。

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2016年12月23日金曜日

スキャナーに生きがいはない (ハヤカワ文庫)

コードウェイナー・スミス著 伊藤典夫/浅倉久志訳
 (カバー裏より抜粋) 1950年、あるSF雑誌に無名の新人の短篇が掲載された。異様な設定、説明無しに使われる用語、なかば機械の体の登場人物が繰り広げられる凄まじい物語…

 「人類補完機構」というシリーズです。用語に説明がないのは大概のSF小説はそんなものなので気にしなくて問題無しです。ただSF初心者向けではありません。結構展開が唐突ですしから混乱するかも。ただ読んでいくうちに世界観は理解できてきますし、こういうものなのだーと進めていけます。…と言いながらも、私は一度目あまり面白さが理解できなかったのです。半年程放置して2回目で嵌りました。

 いくつかかいつまんで紹介。「第81Q戦争」これを元ネタにした漫画か小説読んだ事あるような。一種のシュミレーション戦争のお話。表題作「スキャナーに生きがいはない」利権問題のお話。スキャナーは助かるけど、奴隷は安楽死。「人びとが降った日」どこかの国の人間の盾思い出しました。気分悪いなー。「鼠と流のゲーム」猫好き歓喜!「燃える脳」女って怖い…。あ、全然紹介になってないですね。とにかく面白い作品です。お勧め。

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2016年12月11日日曜日

世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫)

ハーラン・エスリン著 浅倉久志/伊藤典夫訳
 (カバー裏より抜粋) 現代における"パンドラの箱"寓話を描いてヒューゴー賞を受賞した表題作をはじめ、核戦争後、がれきの山と化したシティを舞台に力で生きぬくちんぴら少年と言葉を話す犬との友情を描く「少年と犬」など、全15篇を収録。

 ずーとタイトルが某映画っぽいな…と思い、よく見かけるけれど手に取る気になれなかった作品。同じ著者の「死の鳥」を読んで「全然別物かも」とこちらも読んでみました。全くの別物でした。(もっとも某映画を観たわけではありませんw)
 かなり好き嫌いの分かれそうな作品群です。私は作品によって好き嫌いがありました。
 それを踏まえて頂いて良かった作品。「世界の中心で愛を叫んだけもの」表題作です。淡々と感情の揺さぶりもなく話が進みます。それがいい。「101号線の決闘」フリーウェイでのレース。緊張感のある描写が楽しめます。そして終わりのない決闘の絶望感。「サンタクロース対スパイダー」始めは意味が分からなかったけど、読み進めていくうちに面白くなりました。おちゃらけた感じがいい。「聞いていますか?」他人から認識されなくなったとき、あなたはどうしますか?ヒッキー系ボッチの私ですが、主人公と共感できます。「満員御礼」ラストのオチが良かった。

 中々楽しめました。二度、三度と読み返すと味がでてきそうな感じでした。

2016年10月15日土曜日

あまたの星、宝冠のごとく (ハヤカワ文庫)

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著 伊藤典夫・小野田和子訳
(カバー裏より抜粋) 地球からの異星調査隊が不思議な共生生物と出会い深い関係を結ぶ「いっしょに生きよう」神の死の報を受け弔問に来た悪魔の考えた「天国再活性化計画」

 個人的なお勧めは「アングリ降臨」。異星人の来地球の目的は??副主人公的なアングリがゆったりとしたイメージに読めるので、作品自体にのんびりとした雰囲気が漂っています。ゆったりとした内容ではないのですが。アングリに何もかもコントロールされて、それを受け入れるしかない人類。しかも生け贄(だと思う) を連れ去られて。でもアングリが性善説で天使的(ひたすら平和主義) なので頭を気持ちよく混線させてくれます。
「天国再活性化計画」も中々。作者は宗教テーマが好きなのかなー?初めての一冊なので分かりませんが。悪魔が亡くなった神の弔問へ。旧知の天使と色々話をして…なのですが、新たな創造主が…。宗教の知識がないのでちょっと理解できない部分も多いです。「もどれ過去へ」も私的好みの良作。タイムマシンで未来に旅立つ若人。ただし戻ってきても未来での記憶はない。未来で得た全ては戻った時点で失われてしまう。自分の未来を知った高慢な女子の決断。非常に愚かな。でもその愚かさが理解できます。自分の「嫌」に逆らえない。仕方がない、性格だから。ちゃんと惨めな最後を遂げてしまう。仕方ないのです。他も良作が揃った逸品。

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2016年8月19日金曜日

死の迷路(ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 山形浩生訳
(カバー裏より抜粋) 目的も告げられずに、未開の辺境惑星デルマク・Oに送り込まれた14人の男女。使命を伝えるはずだった通信は未達のまま、外部との接触を絶たれてしまった彼らは、その惑星で奇怪な光景をめにすることになる。

 ディック版「そして誰もいなくなった」。とんでもない惑星に片道切符で送り込まれたあげく、一人ずつ死んでいく…。死に方はもちろんディック的な死に方。疑心暗鬼、追いつめられる人々。そして最後の一人が…。死に方とか追いつめられ感とかが面白い。で、最後にまさかのどんでん返しが…。ネタバレすると夢オチ…というか、夢も現実も大した違いは無い。彼らは壊れた宇宙船の中で死ぬまでの時を過ごす。これ、凄く怖い。死ぬまでですよ。で、気晴らしにコンピュータが作り上げた夢の中で過ごす。夢の中の人間関係・殺し合いで現実の人間関係も悪化…最悪。そろそろ食料も付き始めている。さて、この先何が起こるのか…までは描かれていないけど、最悪の事態が起こるのだろうなとは想像させてくれます。ドロドロですよ。ディックの作品でドロドロでないのはありませんが。私は好きだなー。

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2016年8月3日水曜日

へびつかい座ホットライン (ハヤカワ文庫)

ジョン・ヴァーリイ著 浅倉久志訳
 (カバー裏より抜粋) 外宇宙からの侵入した謎の物体によって地球を破壊された人類は、水星、金星、月、火星など八つのり植民地で、ふたたび独自の文明を築き上げていた。その発展は、へびつかい座70番星の方向から超タイトビームで送られてくるメッセージなしには不可能だった。

 祝!!増刷。Amazon以外の通販、大手の本屋さんなら新品が手に入ります。このまま、ジョン・ヴァーリイの作品の復刊、増刷続くといいのですが。

 この作品は〈八世界〉シリーズの一つです。設定では、地球はインベーダーに侵略されています。そして地球を取り戻そうとする「トイード」は主人公「リロ」を利用しようとする…が…。クローン、クローン、クローンです。読んでいるうちにコピー元が分からなくなってきます。「リロ」のコピー元は無くなっていますが、他の登場人物のコピー元は、あれあれ状態ww で、この「リロ」がたくさんのクローンと上手に連携して「トイード」追いつめる。その過程で「へびつかい座」の謎が…みたいな。

 正直「へびつかい座」の正体に関しては(正体といっても完全に解き明かされたわけではない) がっかり。盛り上がってきたところに水を注された気分になりました。「トイード」の逃げっぷりとサイコパスっぷりには好感を持ってしまったww 主人公より脇役に魅力を感じる作品です。もう一度読めば印象変わるかな??

 この作品はまで続きそうな雰囲気で終わっています。続きは書かれているのだろうか。〈八世界〉は各作品の主人公、登場人物より世界観に魅力を感じる作品です。もっと〈八世界〉を味わいたいのですけど。

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2016年7月24日日曜日

吉兆味ばなし (暮しの手帖社)

湯木貞一著

 著者の湯木貞一氏は料理屋「吉兆」の創始者です。私の年代で「吉兆」と聞くと「賞味期限偽造」「食べ残しの使い回し」事件の印象が強いですね。著者が亡くなった後の事ですが、草葉の陰で嘆いてみえたでしょう。この著書(というか氏へのインタビューをまとめている) では氏の料理への真摯な姿勢がとてもよく現れています。

 この著作は一種の料理本です。季節の食材を取り上げ、料理屋での料理から家庭での料理まで、氏の経験からどのようにしたら食材が生きるか、美味しいかを描いてみえます。意外かもしれませんが、家庭向けの料理だと味の素がよく出てきます。家庭では一手間は加えるけれど、できるだけ簡単に美味しくと考えてみえたようです。ただし、これは今の時代の家庭料理としては難易度高し!!今は鶏肉屋さんはないですし、魚は家でさばく事は余りないのでは?でも参考にできる部分は多いですし、何より食への姿勢に敬服してしまいます。

 料理本とはいってもインタビュー集ですので、読み物としても十分な面白さです。ちょっと変わった料理本を読みたい方、将来料理に関わる仕事に就きたい方にはお勧めの一冊です。

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2016年6月29日水曜日

遊びと人間 (講談社学術文庫)

ロジェ・カイヨウ著 多田道太郎・塚崎幹夫訳
 (カバー裏より抜粋) 遊びのすべてに通じる不変の性質として競争・運・模擬・眩暈を提示し、これを基点に文化の発達を考察した。遊びの純粋な像を描き出した遊戯論の名著。

  アゴン(競技)、アレア(賭け)、ミミクリ(模倣)、イリンクス(渦巻き←肉体的な錯乱・混乱)という遊びの要素から、色々な視点を導きだしていく…遊び とはこんなにも学問だったのか!と考えさせられました。遊ぶほうはただ楽しければOKですが、それを著者は学問として、社会学その他様々な視点から捉えて います。うーん、奥が深い…。

 今の時代の遊び…過去と違ってきているものは何かあるのかな。TVゲーム系(電子頭脳というか)も多少触れていたような。著者が「ホイジンガ」の著作と自己の考察をうまく交差させて著書を書いているように、誰か「カイヨウ」の考察から今の時代の新たな遊び論を
 導いてほしいな。

 内容は、私程度でも何とか理解できます。遊び論の古典として、興味のある方はご一読を。

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2016年6月11日土曜日

CHILDHOOD'S END -幼年期の終り- (TVドラマ版)

 AXNで「CHILDHOOD'S END-幼年期の終わり」が放映開始され5話目まで観ました。
原作は大御所アーサー・C・クラーク、「幼年期の終わり」は大好きな小説です。クセがあると言えばあるので万人にお勧めというわけにはいきませんが。興味のある方はご一読を。で、ドラマ版ですが…とにかく1話目から飛ばしてるなと。ドラマのCMでいきなりネタバレ??かなりの重要人物カレルレンの正体を…。ドラマは、いきなりラストシーンから?!あ、小説版もですが黒人の俳優をあてているのは、人間の祖先がアフリカで発生したことと掛けているのかな。宇宙船の登場シーンはワクワクしました。 あと人間ドラマがかなり追加されています。ドラマだから仕方ないか。で、かなりパニックが起こっています。実際こういう時どうなるのだろう。私はこんなに はならないとか思ったけど、うーん。

 で、観続けていくうちに…タイトルとちょっとストーリー借りました…なドラマだと気付きました。なんというかこの小説をそのままドラマにするのは凄く難しいとは思います。人間ドラマの追加は仕方ありません、が。陳腐。いっぱい腹の立つ設定変更もあります。ドラマはドラマとして観るしかないのでしょうが、このドラマでクラークの「幼年期の終わり」を読んでいない人につまらない作品と思われてしまうのは悔しい。

 でも悔しいので最後まで観ます。

2016年5月29日日曜日

団扇の画 (岩波文庫)

柴田宵曲著 小出昌洋編
 (カバー裏より抜粋) 宵曲が親近し、その精神形成を培った隠逸の先人たちの思い出を綴った文章は、古き良き趣味人たちの面影を彷彿させてやまない。

 エッセイではない、これは随筆です。
 三部に分かれていて、一部は昔から伝わる逸話、物事をテーマに。二部は食べ物について、三部は著者の知人の話。正直に言います。一部と二部は面白かった。三部が今ひとつでした。特に一部が面白かった。私が昔話の類いが好きなためもあります。落語になっている話「そば清」「のざらし」などの元の逸話について語られていたりもします。「杜子春」は元の杜子春について語られていて、とても興味深い(芥川龍之介版が正伝だと思っていました。恥ずかしい…)。
 二部は食べ物のお話。「桑の実」ってなに??「甘藷」サツマイモはこんな上品な名前だったのか!等々、著者の時代では当たり前だったことが、今の時代ではとても新鮮です。三部は「古き良き趣味人たち」の話です。が、何となくつまらなく思ってしまいました。私の興味の問題です。
 この随筆集の中で好きな言葉をひとつp18「真の科学は宇宙の不思議をなくするものではないらしいのに、浅薄な科学の洗礼を受けた人は、好んで不思議を否定するような口吻を弄する」ですよね〜。 
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2016年5月20日金曜日

ポーに捧げる20の物語 (ハヤカワ文庫)

スチュワート・M・カミンスキー編 延原泰子訳
(カバー裏より抜粋) ボー生誕200周年記念アンソロジー。ホラーやユーモア・ミステリ などヴァラエティ豊かな20篇を収録。

 エドガー・アラン・ポーの作品やポー自身をテーマにした作品を集めた短篇集。ポーの作品を知らなくても読める…とはちょっと言い難いかな。「黒猫」あたりは知っている人も多いだろうけど。探偵ものの祖といわれていますし、彼の作品を元にした映画も多く作られています。ちょっと読んでみても面白いと思います。創元推理文庫から作品集が出ていますので、興味を持たれたらぜひ。
 で、この短篇集。実は始め通しで読んだ時は「イマイチ」。そういう時はひと月以上寝かせてから再度読みます。それでダメなら「さようなら」古本屋へ。この短篇集は2回目は面白く読めました。理由はわかりません。もちろん個々の作品により好き嫌いはありますが。で、今回のお気に入り「告げ口ごろごろ」祖母の財産を狙う孫が、祖母を恐怖に陥れて発狂死を狙う…ものの大失敗、そこまではお笑いだけれども、孫は少しずつ…。 「ネヴァーモア」これは静かな作品。ポーの作品を作中に用いた形。死に向かう父との誤解を解き寄り添う息子…。っていうか、父が浮気したように誤解を与えて育てた母親サイテーとかそっちに思考が行ってしまった…。「エミリーの時代」エミリー逃げてー、な作品。自己肥大した教授とその投影である猫ピージーの物語…。「告げ口ペースメーカー」告げ口心臓のパロディ…オマージュ??主人公の狂気が面白い。他も面白い作品が揃っています。ただしポーの作品ではありませんので、それを念頭に置いて興味を持たれた方はご一読下さい。
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2016年5月15日日曜日

うまい犯罪、しゃれた殺人 (ハヤカワ文庫)

ヘンリイ・スレッサー著 高橋泰邦訳
 (カバー裏より抜粋)ヒッチコックが愛した短篇の名手スレッサー。その傑作群から、ヒッチコック自身が精選した十七篇を収録した、珠玉の短篇集

 各短篇ともそのまま映画になりそうな内容ばかり。後味の悪い作品が多いのですが、上手く言えないけど、スマートに終わらせているというかまとめているというか。で、各短篇の主人公の性格、ヤバいのばかりです。解説の方は魅力的と書いてみえますが、ある意味魅力的かもしれないけど、こんな人達が周囲にいたら嫌ですけど、私。
 個人的なお勧めは「逃げるばかりが能じゃない」20万ドル横領した主人公がお金を預金して自首、出所後二十万ドルを返還、でも多額の貯金の利子を得た…。12年間、20万ドルで8万ドルの利子…。アメリカではあり得るのか??実はそこに頭がいってしまってww 「恐ろしい電話」登場人物がどこにでもいそうなタイプで怖い。他人の行動を監視し、気に染まないと邪魔に走る人、いませんか?「競馬狂夫人」競馬の借金が返せなくて寸借詐欺、お金を手に入れたら天啓(言葉のキーワード) を得てまた競馬。詐欺はともかくあるあるだなーと。他の作品もかなりドロドロだけれどそれを感じさせない軽快さ(なのかな)で楽しめます。

2016年5月13日金曜日

ジャック・リッチーのびっくりパレード (ハヤカワ文庫)

ジャック・リッチー著 小鷹信光訳
(カバー裏より抜粋) 100%予想不可能なほどの〈びっくり〉が保証付。日本初訳25篇を集めたオリジナル短篇集。

 またまたジャック・リッチー作品です。実はかなり好き。この短篇集は発表年代別に構成されています。作品の変化を御堪能下さい。で今回の作品集のお勧めは「洞窟のインディアン」一番最後に掲載されている作品で、他の作品の軽快さの後だとかなり雰囲気の違いに驚かされます。(この作品は未完で息子さんが手を入れられたものです。)何というか締めくくりに相応しい作品と感じました。死に場所を求めて逃避…主人公にめちゃ共感してしまいました。他「カーデュラ探偵社」ものもあり、自分が殺した女の幽霊にできてしまった男の話「帰ってきたブリジット」も面白い。幽霊に嫁さん面されてますww ヘンリー&ラルフのシリーズもあり。〈びっくりパレード 〉というタイトルに相応しい内容となっています。

2016年5月9日月曜日

ジャック・リッチーのあの手この手 (ハヤカワ文庫)

ジャック・リッチー著 小鷹信光訳
(カバー裏より抜粋)巧みな展開と伏線、おとぼけなユーモアセンス、してやられたと感嘆する結末が待ち受ける!ーあらゆる手段を用いた絶品23篇収録のオリジナル短篇集。

 ジャック・リッチーの短篇を内容ごとに分類して楽しめるようになっています。どの作品も軽快で楽しい作品です。推理小説が苦手という方でも大丈夫。推理小説というよりユーモア小説(ってジャンルあるのか?) といって良い(良い意味で) 作品ばかりです。個人的なお気に入りは「保安官が歩いた日」。閉ざされた地域の保安官の妻が失踪!その地域を訪れた主人公に周囲は「保安官が妻を…」と噂話。その主人公の正体は…。「子供のお手柄」も好きですね。日本人では謎解きはまず難しい、アメリカ人でもなかなか難しいのでは。とにかくどんでん返しというかオチが楽しい作品ばかりです。ぜひご一読を。

2016年5月4日水曜日

なんでもない一日 (創元推理文庫)

シャーリイ・ジャクスン著 市田泉訳
(カバー裏より抜粋) 家に出没するネズミを退治するため、罠を買うように妻に命じた夫が目にする光景とは…ぞっとする終幕が待ち受けるネズミ。

 この著者の作品に、気持ちの良いラストを求めてはいけません。気持ちが凍るまたは憮然とするラスト…を覚悟して読んで下さい。推理というより心理ホラーと言っていいと思います。トップの「スミス夫人の蜜月」Ver1と2がありますが、私はVer1押し。予感して待つ主人公より、無邪気なまま終わりに突き進むほうに怖さを感じます。「なんでもない一日にピーナッツをもって」はとても親切な主人公の気持ちのいい一日と思いきや…。「メルヴィル夫人の買い物」などはこんな客実際いるし…みたいな怖さが…。どの作品もいろいろな意味で楽しませてくれます。登場人物達のヤバさといったら、もうね…。ハッピーエンドを求める方は読んではいけません。あと鬱気味の方も絶対ダメ!!心理ホラー好きの心身とも健康な方にお勧めします。

2016年5月3日火曜日

火星タイムスリップ (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 小野芙佐訳
(カバー裏より抜粋) 水不足に苦しむ火星植民地で暮らすジャックは、イー・カンパニーの修理工として毎日ヘリコプターで各地を飛び回っていた。

 途中、頭を混乱させてくれるました。あれ?同じページ読んでる??って。私も幻覚に入り込まされてしまいましたww 主人公はジャックですが、傲慢アーニー、自閉症少年マンフレッド(自閉症はフィリップ定義の自閉症です)、その他脇役の行動も濃く、主人公影薄い。で、みんな精神がアレな人ばかり。ディックの作品だから仕方ありませんが。健康なのはジャックの妻シルヴィアぐらいか。山師で火星の土地に投機するジャック父レオもテレパシーとか言ってるし。キーワードはマンフレッド。彼は自分の未来を見て恐怖し、未来予知に周囲が振り回され、その幻覚に侵されていく。ラストは中々でした。主人公がまともになってしまったのが意外でした。あと解説の人、なんか解説になっていないような…ww

2016年5月1日日曜日

秘書綺譚 (光文社古典新訳文庫)

ブラックウッド著 南條竹則訳
(カバー裏より抜粋) 芥川龍之介、江戸川乱歩が絶賛したイギリスを代表する怪奇小説作家の傑作短編集。

 この作品はアマゾンのおすすめ商品で気になって購入した一冊です。レビューのひとつに古くさいみたいなことが書かれていたので、私向けか?とピンときて。結果正解!!古くさいというより古典です。ジム・ショートハウスのシリーズをメインにその他作品が掲載されています。ジム・ショートハウス、なかなか面白いし私の好きなキャラクター!ちょっと自信家で注意深く事件を切り抜ける…と思っていたら、最後が…でした。でも人間の脆さが感じられてよかったかも。こういうキャラクターのシリーズで、惨めなラストは珍しい気がします。あと、すっきりしないラストの作品が多いような。「炎の舌」のようなグリム童話にあってもおかしくないようなお話もあり。(これは他人の悪口ばかり言っている二人の舌が…というお話) この短編集を読んで恐怖を感じるか?と言われたら否ですが、万国共通の人の業のようなものを感じるのです。訳者の方が上手いのか読み易いのもよかったです。

2016年4月23日土曜日

特技監督 中野昭慶 (ワイズ出版)

中野昭慶・染谷勝樹著
(カバー裏より抜粋) 日本特撮映画史上にその名を残す中野昭慶監督の世界を、作品ごとにインタビューし解説した、特撮ファン必読の書『特技監督中野昭慶』を再編集

 中野昭慶監督へのインタビュー集。私はおたく、マニアではないけど、さすがにその名前は知っている有名監督。『爆発の昭ちゃん』だったかな、派手な爆発シーンの監督というイメージを持っていた。特撮というとゴジラ・ウルトラマンなどを筆頭にした怪獣映画というイメージだけれど、一般映画・ドラマ(という言い方も変だけど) でも活躍している。…ということをこれを読んで知った。考えてみれば当たり前なんだけど、全然頭に浮かばなかった。あと、ディズニーランド等のアトラクションや舞台にも関わってみえるとか。奥が深い。特撮映画は観ていなくてもタイトルはある程度知ってるかな私、とか思っていたけど、まだまだひよこでした。とにかく特撮…映画を観せることに対するこだわり、リアリティに対する考えなど、非常に興味深いインタビューです。映画の裏側も面白い。特撮にちょっと興味あるという方も全然OK。お勧めします。

2016年4月21日木曜日

ゴースト・ハント (創元推理文庫)

H・R・ウェイクフィールド著 鈴木克昌訳
(カバー裏より抜粋) 幽霊屋敷訪問の様子を実況するラジオ番組のリポーターが訪れたのは、30人にも及ぶ自殺者を出したという異様な来歴を秘めた邸宅だった。

 表題作「ゴースト・ハント」は知られている作品かな。他の短編集で読んだ記憶有り。ラジオで曰く付きの屋敷を探検するというお話で、ストーリーはアナウンサーの実況のみで進むという形。軽い語り口で進むのだけれど、中々生々しい。これは朗読で聞いてみたい逸品です。収録作はどの作品も好みのタイプでした。特に気に入ったのは「湿ったシーツ」財産を手に入れるための完全犯罪(といっても直接手は下していない、現代で例えると旦那を成人病になる食事をさせて生命保険がっぽりみたいな) でもちゃんと復讐されますが。 「目隠し遊び」真っ暗な屋敷…暗黒に閉じ込められてしまう恐怖…。これぞ『怪奇小説』!!他の作品も読みたい!!残念なのは、著者の作品はこの短編集以外は絶版になっていることです。

2016年4月4日月曜日

いま見てはいけない (創元推理文庫)

ダフネ・デュ・モーリア著 務台夏子訳
  (カバー裏より抜粋) 日常を歪める不条理あり、意外な結末あり、天性の語り手である著者の才能が遺憾なく発揮された作品五編を収める粒よりの短編集。

 著者の作品で「鳥」が好きだったので、他も面白いかもと思い購入してみた。「十字架の道」が気に入った。登場人物がそれぞれに困難に押しつぶされ、嫌な経験をし、でもそこからまた立ち上がる。ロビン少年(ナビゲーターのような役割?) を除いて。ちなみにロビン少年は実在したら凄く嫌な感じの子供ですww あとエルサレムというと3つの宗教の聖地なので、神聖とはいかなくてもそれなりの雰囲気のところだと思っていたけれど、どうも違うようだ。ま、日本の仏閣、神社も観光地だからそういうものか。「真夜中になる前に」真面目な(嫌な意味で) 教師の転落劇。自分の好奇心で身を滅ぼしていく。主人公が好人物では全然ないので、転落劇がより楽しめるww 「いま見てはいけない」は私は主人公側に近いかな。霊感のある姉妹に妻が傾倒、夫は用心するが妻の精神状態を考えると強く止めることはできない。そして姉妹の警告…。夫さん、気の毒だけど…。

2016年4月1日金曜日

さよなら、ロビンソン・クルーソー (創元SF文庫)

ジョン・ヴァーリィ著 浅倉久志・大野万紀訳
  (カバー裏より抜粋) 少年少女が過ごす冥王星での"夏休み"の終わりを描く表題作をはじめ6編を収録。

 〈八世界〉シリーズ短編の2冊目。飲み込みの悪い私も、ようやく〈八世界〉が観えてきました。一番のお気に入りは「イークイノックスはいずこに」。現在と過去が入り組んでいるので、一読目は意味がよくわからず、再度読んでみて理解、そこから面白くなりました。究極の共依存!!のお話。「ブラックホールとロリポップ」も面白い。本当にブラックホールは意志を持ち彼女と接触したのか、それとも神経障害か??他の作品もお勧め。最近一番のお気に入りの作家です。手に入る作品は少ないのが残念。

2016年3月27日日曜日

さあ、気ちがいになりなさい (早川書房)

フレドリック・ブラウン著 星新一訳

収録作品…みどりの星へ ぶっそうなやつら おそるべき坊や 電獣ヴァヴェリ ノック ユーディの原理 シリウス・ゼロ 町を求む 帽子の手品 不死鳥への手紙 沈黙と叫び さあ、気ちがいになりなさい

 この作品集の目玉は「星新一訳」でしょう。他の短編集に収録されている作品もあるので、比べてみるのも楽しいかも。フレドリック・ブラウンの作品は元々読み易いし、そして星新一なのでお勧めです。
 私のお気に入りは「みどりの星へ」みどりの星地球へ帰るという望みが彼の望み。「ぶっそうなやつら」。目の前にいる男が脱走犯かもしれない…。いつでも攻撃態勢に入れるよう態勢を整えて…お互いに。こんな二人の間にまんまと脱走犯が…。「沈黙と叫び」音とは何か?男は本当に聞こえないのか?なぜ毎日同じ場所へくるのか?「さあ、気ちがいになりなさい」表題作。自分を偏執狂だと思っていたら実は…。そして本物へ。狂気とと正気とは…。
 軽く読み易いのですが、中々奥の深い作品ばかりです。

2016年2月10日水曜日

カーデュラ探偵社 (河出文庫)

ジャック・リッチー著 駒月雅子訳
  (カバー裏より抜粋) 超人的な力と鋭い頭脳で難事件を解決する、黒服の私立探偵。ただし営業時間は夜間のみ。その正体はー

  軽快な読み心地の推理小説、主人公は吸血鬼で一部の弱点を除けばスーパーマン。意外なことに正義感が強く、自分の保護下にあるもの達を守るために殺人を犯そうとするものを止め、また盗品の美術品を持ち主の美術館に戻したり。でも、そのために自ら殺しも行う。主人公が魅力的なのがなにより。「カーデュラの逆襲」でヴァン・イェルシング教授は吸血鬼にされてしまったのか??そういうことなのだろうか。その他収録されている短篇も軽快な軽さ(内容は重くても) で楽に読めるのが魅力。

2016年2月7日日曜日

クライム・マシン (河出文庫)

ジャック・リッチー著 好野理恵訳
 (カバー裏より抜粋) 殺し屋の前に自称発明家が現れた。自分の発明したタイム・マシンで、殺害現場を目撃したというー

 最後のどんでん返しがいい!!表題作「クライム・マシン」SFか?と思わせておいて実は…。「エミリーがいない」も良かった。「アクロイド殺人事件」っぽいけど結末は…。後味の悪いはずの作品もあるのだけど、著者の持ち味か訳者がうまいのか、嫌な感じを受けなくて読み易い。他の作品も良作。ぜひ自分で味わってみてほしい。

サキ短編集 (新潮文庫)

サキ著 中村能三訳
 (カバー裏より抜粋) 豊かな海外旅行の経験をもとにして、ユーモアとウィットの糖衣の下に、人の心を凍らせるような風刺を隠した彼の作品は、ブラックユーモアと呼ぶにふさわしい。

 「O・ヘンリと並ぶ短篇の名手」?しまった、私の趣味と違うの買ってしまった…。とりあえず読んでみたら面白い…というか黒い。結末が悲劇ではないのだけれど(悲劇もあるけど) うわー…みたいな感じで。推理ものではないけど、それに近いひねりのある結末。黒いのがお好みの方にお勧め。

ママは何でも知っている (ハヤカワ文庫)

 ジェイムズ・ヤッフェ著 小尾芙佐訳
 (カバー裏より抜粋) 安楽椅子探偵ものの最高峰と称される〈プロンクスのママ〉シリーズ、傑作短篇8篇を収録。

 マザコン気味の刑事がママに事件の話をし、ママはそれを聞いて解決に導く。ママと息子(刑事)及び息子嫁との掛け合いが楽しい。特にママと息子嫁とは仲が悪いのか??と思いきや実はそうではない。掛け合いを楽しんで、息子のダメっぷりとママの洞察力の深さを比較して楽しみましょう。さて、ママとミルナー警部(息子上司)はこの先うまくいくのでしょうか?結論が出ていないのでちょっとモヤモヤ。
 安楽椅子探偵もののなかで、私の読んだものの中では一番身近な感じです。

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫)

テッド・チャン著 浅倉久志他訳
 (カバー裏より抜粋) 地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、全く異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく…

 どの作品も凄いなーと。表題作 「あなたの人生の物語」…最初は理解できなかった。娘の思い出の回想かと思ったら…。辛すぎる…。でもそのまま生きて行くんだ…。「理解」は K・ディックっぽい。超能力合戦は大好き。「顔の美醜について」も面白い。美醜を意識しなくなるよう脳に細工する(?) でいいのかな。私はぜひ受けたい!!自意識過剰の人間には必須だ!!他の作品も面白かった。お勧め。残念なことに、私は物理・数学の知識が非常に哀しい人間なので、難しい説明は全くダメでしたww

2016年1月15日金曜日

真っ白な嘘 (創元推理文庫)

フレドリック・ブラウン著 中村保男訳
 (カバー裏より抜粋) ショート・ストーリーを書かせては当代随一の名手の代表的短編集。

 私の好みは「メリー・ゴー・ランド」「世界がおしまいになった夜」「ライリーの死」。もちろん他の作品も傑作。「メリー・ゴー・ランド」は容疑者を救うために被害者=容疑者に仕立て上げようとしたら、実際その通りだったというお話。短篇の推理小説は余分な部分がない、短い分すべてを使って組み立てなければならない。当たり前だけど。よくできているなーと。推理小説が苦手な私にも理解できるストーリーがいい。
「世界がおしまいになった夜」皮肉だー。「ライリーの死」ああー、ちょっと主人公が羨ましい…。私も働きたくないよー。

2016年1月9日土曜日

予期せぬ結末3 ハリウッドの恐怖 (扶桑社ミステリー)

ロバート・ブロック著 植草昌実他訳
 (カバー裏より抜粋) 映画界にひそむ恐怖を描く表題作ほか、ミステリー・SF・ホラーなど各ジャンルの名篇12本を厳選。

 分かり易くて読み易い短編集。面白い。軽い読み物をお望みの方向け。テンポが良いので、軽く感じるのかな。著者は「サイコ」の原作者なんだ。検索してみたけど絶版が多くて残念。

2016年1月8日金曜日

ラヴクラフト全集 別巻上 (創元推理文庫)

H.P.ラヴクラフト著 大瀧啓裕訳
(カバー裏より抜粋) ラヴクラフトの手の入った作品を執筆年代順に別巻二冊に網羅した。

 本屋で「あれ、なぜ私買ってないのだろう」と買ってしまった。1〜7巻は買ったのに。家に帰ってよく見たら、他の作者の作品にラヴクラフトが手を入れたものと…。
 当然ながらラヴクラフトの作品とは違う。ラヴクラフトっぽさはあるけど…。正直今ひとつ。ダラダラ長いだけの作品とか、うまく練られていないなーとか…。面白いと思ったのは「最愛の死者」「灰」かな。下巻は止めておくことにした。

2016年1月5日火曜日

逆行の夏 (ハヤカワ文庫)

ジョン・ヴァーリイ著 浅倉久志・他訳
(カバー裏より抜粋) 怜悧で官能的なヴィジョンがあれる6篇を収録。ヴァーリイの粋を結集したベスト・オブ・ベスト。

  表題作は以前読んだ「汝、コンピューターの夢」に収録されていた作品。同時収録されている作品はどれも傑作。副題の「ジョン・ヴァーリイ傑作選」にふさわしい内容。特に「群像」と「PRESS ENTER」が私の好み。「群像」はユートピア論としても読むことができる。聴覚障害と視覚障害の両方を持つ人々のコミュニティ。彼らは彼らの言語(コミュニケーション)、ルール、道徳を持って存在している。決して排他的ではなくまた受け身でもない。外部からの攻撃に対抗する気概も持っている。すごく面白かったのだけど、ラストが…。私に哲学的素養が足りないので理解できなかった。残念。書いていて、この作品「バービーはなぜ殺される」と土台が同じなんだと気づいた。こちらは読んでいて気分が悪くなってしまったのだけど。同じ顔をした人々のコミュニティでの殺人事件。みんな同じ顔、服装だから犯人が分からないのだ。設定は面白いのだけど、「私」がない世界が気分悪くて受け入れられなかった。「PRESS ENTER」はコンピュータ…ネットワークの殺人事件。登場するコンピュータが懐かしい。電話線のネットかー遅いだろうな…。画面焼けとか久しぶりの言葉。で、この作品犯人が分からず。分からないけどイライラはしない。すごく不気味で、そこがいい。「ブルー・シャンペン」もいい。特にオチが。「もともと彼女のしたことは、おれが許すも許さないもなかったのだ、と」泣ける。
 ジョン・ヴァーリイの短編集「さようなら、ロビンソン・クルーソー〈八世界〉全短編2」が2月に発売されるようで、絶対買いですね。 「さようなら、ロビンソン・クルーソー」はこの作品集にも収録されてます。で、また私の頭を悩ませる、クローンに記憶移植が登場するわけです。記憶移植してもクローンは別個体だと思うのだけれど…。

ミニ・ミステリ傑作選 (創元推理文庫)

エラリー・クイーン編
(カバーより抜粋) 《アメリカのミステリそのもの》エラリー・クイーンが古今東西のショート・ショート・ミステリを集めた珠玉のアンソロジー。

 面白かった。ショート・ショートだけど、オチがしっかりしていて楽しませてもらった。カバーが地味なので、もっとお固い趣向なのかと思ったら、読み易くてよかった。ただ、私はアメリカ人ではないので、オチが理解できない作品もチラホラ。これは仕方ないことだけど。

2016年1月2日土曜日

WORLD'S END (ユニバーサル)

監督 エドガー・ライト
(カバー裏より抜粋) "世界を救うため"、12軒目のパブ"ワールズ・エンド"を目指して、"酔っぱらいたち"の"どうしようもない戦い'が始まる。

 …今回はダメだった。退屈してしまった。ごめんなさい。基本おバカ映画なんだけど、テンポが今ひとつ悪くて…うーんでした。困ったなー。