2010年3月30日火曜日

楽園の日々 アーサー・C・クラークの回想 (ハヤカワ文庫)

アーサー・C・クラーク著 山高昭訳
クラークのエッセイ。パルプ雑誌アスタウンディングの話を中心に時代を回想していく。

 クラークは「2001年宇宙の旅」のシリーズが好きなので買ってみた。はっきり言って手強い。私みたいな知識無しにはかなり厳しい。それなりの知識を持った人向けようだ。文章も読みづらい。多分括弧のせい。文章の途中に ( ) を使って追記したり皮肉ったりしてあるのだが、それが多すぎて頭が振り回される。途中から括弧は無視して読むようにした。
 クラークのSFに対する考え方は共感できる。p79「荒唐無稽な科学ならいい。虚偽の科学はやめてほしいのだ。」ですよねー。と、子どもの頃毎週ウルトラマンが東京で暴れている信じていた私が言ってみる。これはSF小説だけじゃなくて、科学系雑誌 ( を装っているもの、ムーはあれでいいと思う ) TV番組、ネット等にも言えると思う。他 p329「第一法則 著名だが年配の科学者が、なにごとかが可能だと言えば、それはまずまちがいなく正しい。しかし彼が不可能だと言えば、たいていの場合はまちがっている。」ありそうで笑ってしまった。
 読んでいると、昔のSFが読みたくなってきた。「遊星からの物体X」の原作「影が行く」読みたい!と思ったら絶版ですか…。

2010年3月28日日曜日

アンデルセン童話集2 (岩波文庫)

大畑末吉訳
アンデルセン童話のうち26話を収録。「みにくいアヒルの子」「雪の女王」など有名な作品が多く収録されている。

 キリスト教色が強くてちょっとうんざりする。「赤いくつ」ここまで酷い罰を与えなければならないのか?博愛慈愛なんて大嘘だな。「青銅のイノシシ」おかみさんを半端に悪者にしようとしてる?これはどっちもどっち。で、最後に死にましたって…。わけが分からない話。いろんな話をつぎはぎにしてるのかな?「雪の女王」も最後がいまいち…。キリスト教徒ならわかるのだろうか?好きな話もある。「ニワトコおばさん」「かがり針」とか。
 時代が違うという事はよくわかってるつもりだけど、読んでいて楽しい気分にはなれないのだ。

2010年3月27日土曜日

新版大東京案内 下 (ちくま学芸文庫)

今和次郎 編纂
考現学の始祖が、昭和初期の東京のさまざまな顔を伝える。

 上巻より下巻の方が面白かった。生活に近い部分の項目が多かったからかな。本屋の項目もある。岩波書店が小売りもやっていたとは驚き。花柳界とか華やかな世界の話も面白い。公娼私娼、こういう世界は関わりたくはないけど興味はあるよね。他にもいろいろ述べられているので、時代に思いを馳せるのもいいかも。
 ちょっと疑問を感じる部分があった。例えば p150 アパートの項目で「隣室の物音は絶対聞こえない」…ってそれはちよっと…。まあ、生活音は今とは違うから一概には言えないだろうけど。扉、「留守の場合は鍵がかかっているので絶対戸が開けられない」、いや泥棒は開けると思うよ。
 現在考現学はどうなっているのだろう。今こういう本を書いても、本当にただの宣伝ガイド本になってしまいそうだ。

2010年3月26日金曜日

今日の積ん読

カルメン メリメ著 岩波文庫
エトルリヤの壺 メリメ著 岩波文庫
都市 増田史朗著 ちくま学芸文庫

 ブックオフに本を売りにいって、なぜか買って帰ってくる。よくあること。名作というのは意外と読んでないことが多い。カルメンも内容は知っているけど…だったので買ってみた。あとの本は何となく買ってみた。きっといつの日か読む時が来るだろう。
 せっかく蔵書印を買ったのだが、まだ捺印してない。捺印する前にまずは本の整理。既に持っているのに買った本、流行で買った本、一時必要だったがもうこの先必要ない本、無くても後悔しない本等々を資源ゴミ回収かブックオフへ。買い取りは安いけど、オクとか面倒な事はやりたくない者にはありがたい存在。古本屋?商店街の方にあったけど、今もあるか分からないし、正直良い印象がない。一見さんお断りのような雰囲気のとこだったから。
 あとは残った本をもう一度選別して、これはという本に蔵書印を押していくだけ。こういう作業が楽しくて仕方ないのだ。

現在の積ん読 本:272冊
DVD:99枚

2010年3月25日木曜日

新版大東京案内 上 (ちくま学芸文庫)

今和次郎 編纂
考現学の始祖が昭和初期の東京の姿を伝える。底本は昭和4年に発行されている。

 はっきりいって考現学は面白い人とつまらない人とに分かれると思うけど、どうだろう?この本は考現学とか考えずに当時の風俗のガイド本としても十分楽しめる。
 今昭和というとバブルの頃が取り上げられやすいけど、それとは全然違う東京の姿がある。医者はドクターではなくドクトル、カフェ、ダンスホールの全盛期。メイドでも店員でもない女給さん。その時代の建物の写真や広告なども掲載されている。それなりのお年の方には懐かしいのではないだろうか。
 著者は73年に亡くなられた。この本では震災前との比較して新しく変わった東京を述べられている。戦争前後、高度成長期、亡くなる前の東京をどのようにみてみえたのだろう。
 p199に米国風料理店ってあるけど、どんな料理店だろう。アメリカってハンバーガーとかホットドックのイメージが強い。

2010年3月24日水曜日

怪談 (岩波文庫)

ラフかディオ・ハーン著 平井呈一訳
「耳なし芳一」「雪女」などの怪談が収められている。

 小泉八雲の怪談は怖いというより、哀愁?うーん、違う、うまく言えない。バックに琴か笛の音が響いてきそうな感じ。解説では、この「怪談」は小泉八雲の創作といっていいと書かれていた。確かに伝承そのままだったら、こういう文章にはならないだろう。
 今の時代からしたら子供だましと思われるかもしれないが、独特の世界を味わって欲しいと思う。
 蟻の話、最後は人口問題まで話がいってしまっていて、ちょっと笑ってしまった。

2010年3月23日火曜日

サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)

オスカー・ワイルド著 西村孝次訳
表題作の他「まじめが肝心」が収録されている。戯曲。

 戯曲なのでト書き以外は会話だけで進んでいくが、リズムがあってとても読みやすい。「サロメ」は悲劇なのに読んでいて楽しいのだが、なぜだろう。残り2編は喜劇なので楽しくていいのだけど。失礼を承知で書くと、深さがないのがいいのだと思う。えっ?お前が馬鹿なだけ?そうかもしれない。鍵になる物があって、うまく大円団に持っていってる。その過程が楽しい。強引というかご都合主義とも言えるけど、そのご都合主義も楽しめる。
 簡単なあらすじ「サロメ」は有名なので置いといて 「ウィンダミア卿夫人の扇 」は娘を捨てた母が娘を守ろうとする話、「まじめが肝心」は4人の男女を中心としたコメディ。

2010年3月22日月曜日

アンデルセン童話集1 (岩波文庫)

大畑末吉訳
アンデルセン童話のうち16話を収録。有名なのは「親指姫」「人魚姫」「皇帝の新しい着物」か。

 よくグリム童話は残酷というけど、アンデルセン童話も負けてはいない。「人魚姫」は言うに及ばず「空飛ぶトランク」とか「しっかり者の錫の兵隊」とか。訳者の語り口に哀愁が漂っているというか、原文からしてそういう雰囲気なのかわからないけど、明るさがないかな。「幸せの長靴」なんかなー。喜びの仙女も悲しみの仙女も結局両方とも天に召される事が幸福と言ってるような気が。グリム童話よりキリスト教色が強い。

2010年3月21日日曜日

地下の国のアリス (新書館)

ルイス・キャロル著 安井泉訳
 「不思議の国のアリス」の元になったお話。

 あらすじは「不思議の国のアリス」とだいたい同じ。童話としての完成度は「不思議の国」のほうが高いけど、これはこれで淡々と話が進んで好きだな。言葉遊びはわからない…。ルイス・キャロル直筆のイラストが味わい深く微妙でいい!特にアリスが微妙。アリス以外は悪くないと思うのだが。アリスは本人の写真が付いている。とてもかわいいのになぜイラストになるとこうなるの?
 イラストはともかく、この本が初めはアリスのためだけに作られた本だったというのは凄い。最高の贅沢だ。素晴らしい製本だったのだろう。自分も作ってみたいな。

2010年3月20日土曜日

今日の積ん読

ゴンクールの日記(下) 斎藤一郎編訳 岩波書店

 待ってたよー。今読んでる本が終わったら読もう。積ん読期間は短そう。しかし岩波文庫製本きたねー。ボンドのかすみたいなのはみ出してきてるけど…。
 これで今月の購入予定分は終了。来月はあまり欲しい本がない。岩波文庫でディゲンズがでるのでそれを買うか迷っているところ。来月は積ん読消化月間になりそう。
 読売オンラインかな、せどりのニュースがでてた。ブックオフがカゴと携帯持った人であふれるのか。でも、大手メディアが取り上げる頃は成熟期から腐る時期に入ってるというイメージがあるんだよね。せどりも今更感があるし。メディアが何を目的に盛り上げようとしているのか分からないけど、ああいうのはおいしい事しか言わないから始める人は注意してほしいなと思う。

現在の積ん読 本:272冊
DVD:99枚

トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界 (青土社)

冨原眞弓著
「ガルム」という雑誌の歴史をヤンソン親子の挿絵、風刺画を交え、フィンランドの歴史とともに述べられている。

「ムーミントロールの誕生」という副題に釣られて買ってしまった。でも内容はフィンランドの歴史とガルムという雑誌の役割、関係がメイン。半分はトーヴェ・ヤンソンのお母さんの関連のお話。これはこれで面白い。フィンランドの歴史ついてまったく知らなかったし、読み物としてよくできている。けどムーミンを期待して買った身としてはちょっとガッカリ。もちろんムーミントロールの誕生に関しても書かれているし、ムーミントロールが登場する挿絵や風刺画も掲載されている。この本を読んで、ムーミンの持つ毒気の意味がちょっとだけ私にも理解できたような気がした。
  残念だったのは、図が多くて本当に素晴らしいのだが、参照が別のページというのが多くて見づらかったこと。仕方ない事かな。

2010年3月19日金曜日

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

ヴィルヘルム・グレンベック著 山室静訳
北欧神話の本。オーディン、トール等が出てくる神話の他に、サガと伝説も収録。

 北欧神話というとどうしてもファィアーエンブレムが頭に浮かぶ。その程度の知識ですとも。北欧神話は抄訳。訳者の解説にも述べてみえるし、もう一冊北欧神話の本持ってるけど、それに比べても少ない。まあ、文庫だし…。しかし、神様も酷い事してるな。我侭勝手傍若無人だ。
 後半のサガと伝説、こっちのほうが面白い。でも「古い神々とキリスト教」はひたすらムカつく。自分たちの征服欲と暴力をキリストで化粧してるだけじゃん。キリストさんも迷惑だろうに。…と腹を立ててみる。内容はひたすらドロドロ。親兄弟で殺し合い。実際ありそうな話なところがいい。オーディンが魔法使いの使いっ走りにされてるけどなんかなー。

2010年3月18日木曜日

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)

オスカー・ワイルド著 福田恆存訳
超ナルシス ドリアンは、肖像画が体に表れる年齢、罪悪を背負ってくれるのをいいことに頽廃した生活を送るのだが…。

 平坦な話が続いてちょっと盛り上がったかと思うとまた平坦が続く。平坦部分は頽廃の哲学みたいな感じかな。それが面白ければいいのだけど、うーん、これは私が今の人間だから退屈なんだと思う。作品が発表された当時は斬新で目新しかったと思うのだが。つまり、ドリアンもヘンリー卿もちょっとどっかで聞いたような事を話してるなと。作品が悪いのではない。
 こういう年をとらない設定の話は、とらない人間は定住しない場合が多い ( 旅をして回ったり、自分自身を自分の子と偽って登場とかもあるかな ) けど、ドリアンは行動範囲が一定だ。小説は元々一つの箱庭の中で展開されるものだけど、その箱庭が狭い。そのせいか演劇を見ているようだに感じた。台詞、描写が大げさなせいもあるし、登場人物が淡々としているようにも感じる。実はみんな生きてなくて、演じているだけという印象。
 主人公のドリアンは大した良心なんて持っていないのに、その良心に負けてしまう。ヘンリー卿の快楽主義も何かな。頽廃も快楽も描かれていないせいだろうけど、全体に半端に思った。

2010年3月17日水曜日

今日の積ん読

ミッキーマウス DVDBOX vol3 宝島社
医学と芸術 平凡社

化学の歴史 アイザック・アシモフ ちくま学芸文庫
数学の自由性 高木貞治 ちくま学芸文庫
不幸なる芸術・笑の本願 柳田国男 岩波文庫
衣服哲学 カーライル 岩波文庫
ユニオンクラブ綺談 アイザック・アシモフ 創元推理文庫
治療文化論 中井久夫 岩波現代文庫

医学と芸術」本屋さんに置いてあったのを見つけてしまった。展覧会で売られてたのか。好みなので積んでおこう。ミッキーさん、vol3出たのね、積んどくね。後は新刊やら買うつもりがあったのやら。「衣服哲学」岩波の復刊なのだが、内容以前に漢字読むのに苦労しそうだ。改版ではないし仕方ないな。化学の歴史」と「数学の自由性」学芸文庫の青だったのか…。しまった…。 

現在の積ん読 本:276冊
DVD:99枚 


 こっからは愚痴。私は通販はe-honか7インターネットショッピングを利用している。幸いどちらのシステム君にも嫌な思いをさせられた事はない。稀にムカッとすることはあったけど、役目は果たしてくれている。嫌な目に遭わせてくれるのは店員のほう。よくある事なんだろうけど、店に注文した商品が到着しているのに「きていません」。7は1回、e-honは今日2回目をやって下さいました。本当にありがとうございました。店員「到着予定日では なくて到着したというメールがきますよ」なぜ嘘をいうのですか?e-honは当日〜2日発送の場合、注文時と出荷時の2回のみメールがきます。e-honに問い合わせて調べてもらったら「検品が済んでいなかったので 未着の案内をしたようです」。…本屋の店員は検品前の分を調べる知恵もないのでしょうか? ま、言い過ぎだけど、過去にはちゃんと調べてくれた店員さんもいたから。7はシステム君の怪しい噂でしばらやめてたけど、実際表示とかむちゃくちゃな時期があったし今もへんなのあるけど、でも土日を避ければ変な店員には当たらないから戻ろうかな…。

2010年3月16日火曜日

世界の奇妙な博物館 (ちくま学芸文庫)

ミッシェル・ロヴリック著 安原和見訳
世界中の変わった博物館の紹介。

 タイタニックからゴキブリまで、世界のいろいろな博物館が紹介されている。どれも楽しそう。オンラインのみの博物館も紹介されているので、アクセスしてみるのもいい。特に気になったのは「変てこ消費者文化博物館」。アメリカ人の10人に8人は自分を環境保護主義者と思ってるって?脳みそ沸いてるな。「全米葬祭史博物館」、日本の霊柩車も展示されているようだ。あの車、葬式の音楽流すスピーカー、付いてたのか。
 日本からは「目黒寄生虫館」と「伏見稲荷」がエントリー。「目黒寄生虫館」は一度行った事があるが、素晴らしかった。あの長ーい寄生虫が人間や動物の体に住み着いていると思うと…。あの展示物の前では半端な芸術なんて (笑) だ。まじで。で、「伏見稲荷」。正直 "え?" だったけど、よく考えれば狐が神様のお使いという設定は世界ではあまりないよね。日本では稲荷神社はたくさんあるし、狐憑きとかで畏怖の対象だけど。著者はアメリカ人だから "奇妙" に入るんだろう。
 オンラインで誰でも博物館ができるのはいいな。もちろん実物を見るのが一番とは思うけど、写真を見る事ができるだけでも田舎者には嬉しい。私も何か集めてみようかと思った。

2010年3月15日月曜日

『パンチ』素描集 19世紀のロンドン (岩波文庫)

松村昌家編
イギリスの風刺週刊誌「パンチ」に掲載された風刺画の説明、そこから時代を見つめてみる…でいいのか?

 説明がないと内容が分からない挿絵が多いけど、ブルーマーやクリノリン・スタイルは見たら理解できる。挿絵を見て説明を読んでまた見るとよくわかるし、楽しめる。漫画を読むようにとはいかないけど。
 しかし、酷い時代だ。日本人は食にうるさいと言われるけど、これを見ているとうるさいくらいでいいのではないかと思う。体に入るんだぞ、安全第一だろ。政治はいつの時代も変わらない。
 ジャーナリズムって、中立公平ってイメージを持たせようとしてるけど、いつの時代も結局偏っているのだと改めて感じた。
 あと、編者=訳者なんだよね。こういう風刺雑誌訳すのって大変そうだ。時代の事を知らなくてはいけないし、英語だって全然変わらないわけではないだろうし。凄いなと思うのだ。

2010年3月14日日曜日

黒後家蜘蛛の会5 (創元推理文庫)

アイザック・アシモフ著 池 央耿訳 
いよいよ最終巻。解説にあるように、旅先に最適な作品だと思う。

 このシリーズは二巻以降面白みが落ちるみたいな書評をみるけど、どうかな。そういう面も否めないけど、読む方もパターンにちょっと飽きがくるのもないか?実は三、四巻の時ちょっと面白みの減少は感じてた。でも五巻は勢いが戻った感じ。「待てど暮らせど」面白かった。「三重の悪魔」とかも。私は軽めの作品が好きなのでちょうど良い感じだった。さて、「ユニオンクラブ綺談」買ってくるかな。

2010年3月13日土曜日

黒後家蜘蛛の会4 (創元推理文庫)

アイザック・アシモフ著 池 央耿訳
男性だけのクラブ黒後家蜘蛛の会のメンバーの素人探偵、でも真相を言い当てるのは給仕のヘンリーだった。今巻はイレギュラーなゲストが登場。


  イレギュラーゲストの話がよかった。特に最後の「飛入り」。ヘンリー、怖い。第一巻でもだけど、絶対怒らせたらいけないタイプだ。「証明できますか」も面白い。日本では田中太郎とかかな。「フェニキアの金杯」、美術館などの展示品の収集方法、信じてしまっていた。あとがきがなければそのまま信じたままだった。っていうか、十分ありそうだし。アントワネットっていう時計だったか盗まれて行方不明だったのを、内緒で買い取ってなかったっけ?事実は小説より…。

今日の積ん読

ブラウン神父の知恵 G・K・チェスタトン 創元推理文庫
ブラウン神父の秘密 G・K・チェスタトン 創元推理文庫
ブラウン神父の不信 G・K・チェスタトン 創元推理文庫
ブラウン神父の醜聞 G・K・チェスタトン 創元推理文庫
ブラウン神父の童心 G・K・チェスタトン 創元推理文庫
西太平洋の遠洋航海者 B・マリノフスキ 講談社学術文庫
隣の病い 中井久夫 ちくま学芸文庫
ドリアン・グレイの肖像 オスカー・ワイルド 新潮文庫
サロメ・ウィンダミア卿の扇 オスカー・ワイルド 新潮文庫
ポワロの事件簿1 アガサ・クリスチィ 創元推理文庫
ポワロの事件簿2 アガサ・クリスチィ 創元推理文庫
二人で探偵を アガサ・クリスチィ 創元推理文庫
晩餐会の13人 アガサ・クリスチィ 創元推理文庫
楽園の日々 アーサー・C・クラーク ハヤカワ文庫 

 青色がブックオフ。105円。クラークは高かった。やばいな。「黒後家蜘蛛の会」の影響で短編ミステリーに走ってしまってる。ブラウン神父シリーズも買ってしまった…。
 「 ドリアン・グレイの肖像」動画サイトでアメリカ映画スリラーベスト100というのを見つけて、その中に「ドリアン・グレイの肖像」の映画が入ってた。何だか面白そう、でもDVDが通販サイトの検索に載ってない、で本を買ってみた。「サロメ・ウィンダミア卿の扇」並んでたのでついでに。「西太平洋の遠洋航海者」「隣の病い」は今月購入予定だった新刊。あと「化学の歴史」「数学の自由性」を買うつもりだったけど本屋に置いてなかった。本屋の検索用パソコンに在庫ありになってるので店員さんに聞いてみたら「関東は今日配本ですがこちらは ( 東海地方 ) 明日 ( 3/13 ) になります」と。取次が悪いんだろ、それはいいんだ、本屋さんを責めないよ、でも検索に在庫ありで出るのはなぜ?と言えなかった私がいる。

現在の積ん読 本:272冊
DVD:98枚 

2010年3月12日金曜日

古文の読解 (ちくま学芸文庫)

小西甚一著
古文を理解して合格しよう、という本。元は有名な参考書だったとか。

 参考書なので、読者を受験生と想定して書かれているけど、一般の人間にも十分楽しめる。自分は古文を習った覚えがないので ( 漢語みたいなのはやった ) へえへえへえ状態。英語を用いて説明されている例があるのだが、日本語での説明より分かりやすい。こういう教え方があるのだと驚いた。参考書として役に立つかはよくわからないけど、私みたいなおばかでも理解できるので、頭の柔らかい高校生なら問題ないのでは?とりあえず江戸時代あたりから古文読むのに挑戦したいな。
 あと学校の教科書って結構いい加減なんだということが分かった。

2010年3月11日木曜日

今日の積ん読

宇宙のランデブー 無印 2上下 3上下 4上下 ハヤカワSF文庫
和辻哲郎随筆集 岩波文庫
シャーロック・ホームズの冒険 新潮文庫
シャーロック・ホームズの帰還 新潮文庫
シャーロック・ホームズの思い出 新潮文庫
シャーロック・ホームズの事件簿 新潮文庫
シャーロック・ホームズ最後の挨拶 新潮文庫

 ブックオフで「ランデブー」の無印と4上以外購入。なんか目に付いてしまった。「随筆集」以外は105円コーナーだったし。「ランデブー」半端なので本屋で残り購入。ここのところ順調に積ん読減ってたのになー。ブックオフやばすぎ。 
 地方のブックオフなのだが、必ず一人はせどりの人見かける。もちろんかご持ってと携帯見てるからせどりとは限らないけど、積ん読の人かもしれないし、でも大概はせどりかなだろうな。客なんだしいいんだけど、でも立て膝して足で通路ふさぐのやめてくれないかな。 明らかに60代いってるせどりさん、良識もオクで売ったのかい ? まあ、セドリでなくても、商品の上に鞄置いたりとか酷いのいるけどね。自分も気をつけよう。
 今日 ( 3/10 ) ちくま学芸文庫と講談社学術文庫の新刊の発売日なので、本屋をのぞていてきた。3軒回ってどこにもなかった。聞いてみたら、今日どころか明日の納入分にも入ってないとか。本屋でなくて取次の問題なんだろうけど、がっかり。で、通販で注文と思ったら e-hon、セブン、お取り寄せと予約受付中って…。どっちの出版社のサイトも新刊 3/10 になってるぞ!ゴラー!!

現在の積ん読 本:260冊
DVD:98枚
 

2010年3月10日水曜日

黒後家蜘蛛の会3 (創元推理文庫)

アイザック・アシモフ著 池 央耿訳
男性だけのクラブ黒後家蜘蛛の会のメンバーの素人探偵、でも真相を言い当てるのは給仕のヘンリーだった。水戸黄門とは違うな。安心してパターンを楽しめる昔のテレビの時代劇かな。

 解説で、情景描写がないということを述べてみえる。そういわれてみればそう。必要な描写だけが描かれている。すっきり読めるわけだ。
「スポーツ欄」前年のワールドシリーズの優勝を知らないとナチスのスパイ。オリンピックの始まりも終わりも知らなかった私は宇宙人のスパイか。「ミドルネーム」女は女で男性禁制の会をすればいいだけ、と思ったけど、考えてみると参加はしたくない。
 どの巻か忘れたけど、作品毎のあとがきで「ブラウン神父シリーズ」とタイプが似ている、というようなことを述べられているのを読んだ。積ん読が増えそうな予感…。

2010年3月9日火曜日

Yonda君がやってきた


新潮社Yonda君グッズが着た。ブックカバーとエコバック。
エコバック早く使いたい。
 
ブックカバーは願い通り黒 (選択不可) 厚みのある本は苦しいサイズ。最近のハヤカワ文庫は高さで入らない。でもかわいいから許せる。
 
段ボールもかわいい

2010年3月8日月曜日

日月両世界旅行記 (岩波文庫)

シラノ・ド・ベジュラック著 赤木昭三訳
月と太陽への旅行記。

 宗教批判というかキリスト教会への批判が詰め込まれている。今の時代には笑っていられる内容だけど、著者が生きていた時代にはかなり危険だったのでは?あとがきにも、イエズス会士うんぬんの疑惑も書いてあったし。変人なのか闘士なのか目立ちたがり屋だったのか、とても自分のようなチキン野郎には真似できない。内容は哲学的なお話の羅列かな。哲学といっても、私程度でもついていける内容なので身構える必要なし。いや、もしかしたらいや多分深い話なのだろうけど気にしてたら本は読めない。気軽に想像の世界を満喫しよう。なんたって露を満たしたガラス瓶で宇宙へ行ってしまうのだから。この時代ならではの発想が楽しい。

死ぬ瞬間 (中公文庫)

E・キューブラー・ロス著 鈴木晶訳
死を前にした人たちへのインタビューと考察。

 最初の方で、平和とか破壊兵器とか言う言葉が出てきて引いてしまった。これがなければ良い本だと心から思えたのだが。
 これが1969年以前に出版されているのに驚いた。周囲に理解がないのはなぜだろうと思って読んでいたが、時代を知って納得。この意思が切り開いた道に敬意を表したい。
死は誰でも訪れるものだし、考えると正直怖い。国や宗教観が違えば、ケアのやり方に違いはあるかもしれないが、必要なものだと思う。自分自身が死に臨む時、もう一度この本を読むかな。

 ただ、この著者がオカルトに走ったのが残念。どうしてそっちへ行くのかな。本を読む限りでは理知的な人という印象なのだけど。どうでもいいけど中公文庫、安い紙使ってるな。この本、e-honとセブンの通販では日本文学に分類されてた。何考えてるのやら。

黒後家蜘蛛の会2 (創元推理文庫)

男性だけのクラブ黒後家蜘蛛の会のメンバーの素人探偵、でも真相を言い当てるのは給仕のヘンリーだった。私はアシモフ流水戸黄門シリーズと思ってる。

 アシモフの博学ぶりは凄い。文章を書く仕事だから知識の幅が広いのはわかるのだが、それにしても半端ない。ホームズから天文学まで。化学者でもあるんだよね。何よりも知識を使いこなせるところが凄い。
 二巻も面白く読みやすかった。「終局的犯罪」シャーロキアンすげー。論文書くのか。アニメや漫画、ラノベの信者が同人誌作ってしまうのと同じかな。この話が今回のお気に入り。自分はミステリーを推理するの全然なのだが「禁煙」は予想ついた。ちょっと甘いような。

ヒトは食べられて進化した (化学同人)

ドナ・ハート、ロバート・W・サスマン著 伊藤伸子訳
人間は狩りをする知恵で進化してきたのか、狩られないよう身を守る知恵によって進化したのか?

 はじめ人間ギャートルズ、だったかを思い出した。アメリカ人が西洋キリスト教の影響を受けて狩る人説を信じるとしたら、私はこのアニメだな。
 化石や現在の動物の実例から、人間が動物の食料だったことを述べている。そして、身を守るために進化を果たしたのではないかと。自分は普通に食べられていたと思っていたし、ウサギとか小さい動物は食べていたと思ってた。っていうか、霊長類は他の動物に食べられないと言ってる人がいることにびっくり。空腹なライオンと一緒の檻に入れられたら、間違いなく食べられるだろ。内容はなかなか面白かった。こういう分野は新しい発見で変わって行くだろうし、興味がつきない。
 注釈はWEBにてだそうだ。買った人がネット環境なかったらどうすんの?

2010年3月7日日曜日

ゾディアック (ヴィレッジブックス)

ロバート・グレイスミス著 イシイシノブ訳
1970年代にアメリカで起こったゾディアックと名乗る連続殺人犯を追う人たちと犯人像の考察…かな。

 DVDのほうを先に観たのだが、これを読んでわからかった点が解決した。どこの国も警察だめだめね。犯人は頭が良いだけでなく、運にも恵まれていると思った。いったい何人殺したのだろう。人気のないところなんて行くものじゃないな。土地勘があれば、もっとこの本は楽しめただろう。そういえば私の父が犯人とか名乗っていた女性がいたけど、その女性の話ってゾディアックの有名な話だけを取り上げているのね。はてさて。だいたい年代を追って進められているので判りやすい。だが犯人までたどり着かないのが非常にもどかしい。

2010年3月6日土曜日

アメリカの高校生が学ぶ経済学 (WAVE出版)

ゲーリー E.クレイトン著 大和証券訳
初心者向けの経済学の本。

  分かりやすい。当然だが、欧米の資本主義を正道としている。そのため素人目にオイオイと思うところ多々あり。p324の国際援助なんて、ソ連が政治目的ならアメリカもそうだろか。アメリカは正義!な一冊。今のアメリカの状況を鑑みて、(^o^)m9するのも面白い。大恐慌のあたりを読んでみて思ったのだが、同じことを繰り返している…だけならまだしも悪い方向に度が増しているぞ。経験を積み、より悪質にか? それにしても一番驚いたのは、アメリカ人に預金の概念があったことだった。これはちょっと失礼か。
 しかし、アメリカの高校って経済学をこのレベルまで教えているのか。凄いな。

2010年3月4日木曜日

完訳 グリム童話集3 (岩波文庫)

金田鬼一訳
第3巻には54話、ハンス君、大活躍の巻。目玉がほじられる話も多い。

 ハンス君が登場する話が多かった。うまくやったり、嫌な目にあったり。今巻は固有名詞が出てくる率が高いように思った。ハンス君があまりいい意味を持たないように、意味を持っているのかな。「ランプとゆびわ」という話、千夜一夜ではランプの精もゆびわの精も男だったけど、こちらは女。話の内容も違う。最後の「三人兄弟」は、親の跡を継ぐためにそれぞれ腕比べをするパターンなのだが、珍しく三人とも仲良く幸せに暮らす話だった。なぜいつも末っ子が幸せになるのかな。意味が知りたい。

2010年3月3日水曜日

西洋挿絵見聞録 (アーツアンドクラフツ)

気谷誠著
挿絵の入った豪華本の歴史について。後半蔵書票について。

 ブランデーかウイスキーをちびちびやりながら読みたい一冊。特に知識は必要ない。この本自体が蘊蓄本だし。とても丁寧な文章で綴られている。しかし、なんというか愛書家というのは凄い。何十万、何百万もかけて装丁を行う。こだわり方半端ではなさそう。しかし読みにくそうだ。重量がありそうで、机において読むのでなければ腕が疲れるだろう。それ以前に読むのかな?百科事典みたいに豪華そうな本が置いてある事がステータス?挿絵が美しいのはいいな。金持ちの趣味の世界を堪能することができる。文庫の歴史がルネッサンスまで遡るのには驚いた。もっと近代だと思っていた。蔵書票も楽しい。蔵書印買ったけど、蔵書票も作ろうかな。
 今、キンドルとかiPadが話題だけれども、そういうときだからこそこういう豪華本を見つめ直すのもいいかもしれない。私は別にデジタル化でもいいと思う。時代の流れに乗るだけ。HDDに積むさ。キンドルは積めないようだけど。絶版本、デジタルにするの大変なの?何とかしてほしい。
 不満はカラーの図がない事。こういう本だからこそ必要では? そしてあからさまにブログの転載だと分かってしまう事。はっきり言うと、特に本で読みたいという人以外はブログでいいと思う。同じ内容で図はカラーだし。私も買う前に知っていたら買わなかった。著者名、本のタイトル、ビブリオテカ グラフィカで検索すればでてくる。ただ著者は本の発行前に亡くなったようなので、ブログもいつまで残っているか分からないが。で P77の「この図書館」ってどこ?

2010年3月2日火曜日

ムガル帝国誌 1,2 (岩波文庫)

ベルニエ著 関美奈子訳
17世紀の哲学者(文学者)が体験したインド滞在記。

 前半の帝位争いの模様は面白い。王様が変わるたびに戦争ということは、30年〜40年くらいに一回? 長男相続は問題点は多かったのだろうけど、王様が変わるたび戦争かよ、と考えるとそれなりの制度だったのかも。王女様が結婚しずらかったというのも意外。ヨーロッパの歴史の中だと、王女さまは政略結婚のコマというイメージがあったから。王女の亭主でも王様になれたのかな。だとしたら理解できるけど。修道院に入った方も多かったのかな? 政治活動に走る気持ちも理解できる。
 中盤の哲学は退屈。私が興味がないことと、白人特有の上から目線が鼻につきすぎる。後半のカシミール行幸は面白い。旅の困難、知恵が興味深い。けど住民丸ごと移動って、このうえない迷惑のような気がする。一種の遷都だから仕方ないのだけど。

2010年3月1日月曜日

朝のコント (岩波文庫)

フィリップ著 淀野隆三訳
下層社会の人々を描いた短編集。

 コントとは日本語のコントと同じ意味に受け取っていいのだろうか? 滑稽な話、風刺の聞いた話、のようなもの? 文化、国、時代の違いで、笑いどころがよくわからない。理解できる話もあるけど。といいながらも一気に読み切った。何となく面白い。訳も読みやすくていい。「サタンの敗北」爺さんがサタンをやっつける童話にありそうなお話から「めぐりあい」男女の哀愁を感じる小品まで幅広い。「ほどこし」は落語になりそう。爺さんの屁理屈が面白い。
 作風は全然違うが、星新一氏( いやフィリップ氏の方が古いのだが )を思い出した。