2010年12月28日火曜日

明治百話 上・下 (岩波文庫)

篠田鉱造著
明治時代の庶民の実話集。

 もう明治を直接知る人は少ないのだろう。明治後半生まれでも90歳は軽く過ぎてる?それだけに一般庶民の語る庶民の目線の話は貴重。どうしても歴史上の人物ばかりクローズアップされるから。
 話の内容も、今の時代では考えられないことが多くて、蘊蓄としても楽しめる。 いつの時代も…なんていうのもあるけれど。娘義太夫なんて、今のアイドルにそのまま置き換えられるし。人間の根本何てそう変わらないのかも…とも思う。

今日の積ん読

四人の申し分なき重罪人 G・K・チェスタトン ちくま文庫
黄金の壺 ホフマン 岩波文庫
残酷な方程式 ロバート・シュクリー 創元SF文庫 


現在の積ん読 本:189冊 DVD:80枚

  今年最期の積ん読購入。今年はどれだけの本を買ったのだろう…。読む方は進んでいないし、積ん読用本棚は埋まるばかり…。自炊も進んでないから、読み終わった方の本棚も埋まってきている。来年は読むペースあげたいな…。

2010年12月24日金曜日

食卓歓談集 (岩波文庫)

プルタルコス著 柳沼重剛訳
著者が友人たちと宴の席で交わした会話。四方山話に華が咲く。抄訳。

 一つのテーマが設定されていて、それをそれぞれの立場から議論する。重々しいものではなくて、会話を楽しむといった風情のもの。私でも楽しめたので、知識の無い人でも十分OK。解説にどのような姿で宴の会話を楽しんだか説明されているので、そちらも読んで下さい。ローマ・ギリシア時代に思いを馳せるのによい一冊。蘊蓄集と考えてもいいかも。全編読みたかったかな。

2010年12月20日月曜日

歌舞伎 (ちくま学芸文庫)

渡辺保著
歌舞伎についてのエッセイ集。ある程度の知識が必要かも。

 ちょうど海老蔵事件が起こっていて、読んでいても白ける。この著作が悪いわけではないんだけど…何となくねー。
 歌舞伎はのイメージ…日本の伝統、好事家と金持ちと芸術家と外国人に人気、くらい。庶民の文化ではないよね。著作の中の歌舞伎はもの凄く高尚で至高の存在みたいな感じで述べられている。ヒッチコックの映画との比較が述べられてたけど、ヒッチコック何度も観る人いるだろ普通に、と言いたい。何か著者の歌舞伎サイコーみたいな部分が鼻についた。興味深く面白い話もあるんだけど。歌舞伎がもの凄く好きな人のみにお薦めの一冊。

2010年12月17日金曜日

アレクサンドリア (ちくま学芸文庫)

E・M・フォースター著 中野康司訳
アレクサンドリアの歴史を綴る。

 アレクサンドリアの歴史、担った役割を初心者にも分かり易く述べられている。歴史の華はアレクサンドロス大王からクレオパトラまでかな。プトレマオス朝のような保護が続いていたら、科学の進歩はどのような向きに変わっていただろう。キリスト教のみを悪者にするつもりもないけれど、この宗教がなかったら…とは思ってしまう。図書館…。キリスト教徒がやらなくても、残ることは無かったのだろうけど。あー、私はイエス・キリストは意味のある存在だと思ってるし、嫌いなのは後継者を名乗った人間たちの作った宗教なので誤解のないように。中盤〜後半あたりでキリスト教の神学について簡単に触れられているけど、その辺りは退屈。近代に入ってからのことは全く知らなかった。今は工業都市か。何となく残念のような。

2010年12月10日金曜日

タイタニック号の最期 (ちくま文庫)

ウォルター・ロード著 佐藤亮一訳
いまなお、色々な場面で語られることの多いタイタニック号の沈没。その真相にせまる。

 読んでいてイライラした。何やってるの?何で呑気なの?と、最期どうなるかは、いろいろな番組や映画 (ディカプリオの観た) で知っているから余計にね…。対処が早くてもどうにもならなかったのかもしれないけど。三等船室の扱いは酷い。そういう時代といっても…。あと、安全に対する意識は本当に近代に入って様々な事故を経て出来上がったものなんだ…と。
 いままでにテレビ等でタイタニック号の番組を観ている人には、特に新鮮さはないかもしれない。いままで名前だけは聞いていたけど、という人にはお勧め。

今日の積ん読

食卓歓談集 プルタルコス 岩波文庫
ねじの回転 デイジー・ミラー 岩波文庫

 本屋で腹の立つことがあった。レジで何かレジ係が話をしていた。私がレジに本を置いても無視。4人いて分かっててだよ。信じられない。後から、そのままレジに本置いて行ってしまえばよかったと思った。販売業として最低じゃね?これならネットで買った方がいいわ。本屋が不信になっている原因に確かにネットはあるけど、自分たち自身にも原因あるだろ。というわけで、これからは本屋でチェックだけしてネットで買うことにする。

現在の積ん読 本:189冊 DVD:80枚

2010年12月3日金曜日

ヘリオット先生の動物家族 (ちくま文庫)

J・ヘリオット著 中川志郎訳
獣医のヘリオット先生の奮闘記。

 獣医さんというと、どうしてもペットの病気を診てくれるお医者さんのイメージが強いけど、家畜のお医者さんも当然みえる。ヘリオット先生は両方を扱っている。でも今時の小綺麗なお医者さんではない。牛や馬に蹴られたりしたら命も危ない現場で、汗と泥と糞やらいろいろにまみれて…でもほのぼのしているのだ。大変そうなのに、でも顔がにこやかになってしまうのだ。疲れた時にのんびり読みたい一冊。こういうの読むとイギリスに憧れてしまうんだよね。現実はモニョモニョだろうけど。ペットのコンテストは笑えた。今ならもっと陰険になっていそう。