2013年9月25日水曜日

鏡は横にひび割れて (ハヤカワ文庫)

アガサ・クリスティ著 橋本福夫訳
(カバー裏より抜粋) アメリカの女優がいわくつきの家に引っ越してきた。彼女の家で盛大なパーティが開かれるが、ー中略ー 呪われた事件に永遠不滅の老婦人探偵ミス・マープルが挑む。

 マープルばかり読んでる。面白いから一気に読んでしまうんだ。マープルの日々の生活が幅をとって描かれている。ああ、ナイトみたいなタイプは鬱陶しいよね。いつの時代にもいる。このお話のなかでは新人類のチェリーのほうに好感を寄せている。そして、新時代との握手。で、今回は犯人は何となく予想はつく。女優にはあまり同情できない私がいる。子供って何だろう??と考えてしまう。ハリウッドの女優さんにも養子いっぱい迎えている人いるけど、成長した後の養子さんの本音が聞きたい。ま、私も養子にしてー!な俗物な私なのだが。犯行の理由は、最後の謎解きまで分からなくなっている。この事件で一番ラッキーだったのは、アーサー・バンコックだと思う。あと、歳を取りすぎたマープルは読んでいてやはりちょっと哀しい。

2013年9月21日土曜日

時を生きる種族 (創元SF文庫)

ロバート・F・ヤング他著 中村融訳 
(カバー裏より抜粋) 時間エージェントは、9世紀の宮殿から「千一夜物語」の語り手シェヘラザードを連れ去ろうとした矢先ー 本邦初翻訳2編を含む全7編。

 「真鍮の都」がお気に入り。ドニヤザードかっこいい!スレイマーン最強!で、魔人は情けなかった。でも、ドニヤザードも重要人物では?という気も。彼女の声掛けでシェヘラザードのお話が始まるし、大円団のとき、王様の弟と結婚するし。 物語の終わり方も千一夜物語らしくてよかった。「緑のベルベットの外套を買った日」も好きだ。先祖と恋をし、子孫と結ばれる…ロマンだ。あと「努力」。本当に過去を観ることのできる装置があればいいのに。不可解な事件の多い昨今、いや、昔からあったのだろうけど、真実を知りたい。

予告殺人 (ハヤカワ文庫)

アガサ・クリスティ著 田村隆一訳
 (カバー裏より抜粋) その朝、新聞の広告欄を目にした町の人々は驚きの声を上げた。「殺人お知らせ申し上げます。ー大胆不敵な殺人事件にミス・マープルが挑む。

 マープルのシリーズは面白い。マープルのキャラクターが良いからだと思う。で、今作、マープルが出張る量が少ない気がした。クラドック警部が全面に押し出されていて、マープル量が少ないのが残念。でも面白い。これは最後の方まで犯人分からなかった。名前のトリックにしっかり引っかかったし。既成概念に弱いな。最後、少しずつ犯人が壊れていくさまがよかった。ミッチーはキャラが突出していて面白いと思った。

今日の積ん読

葬儀を終えて アガサ・クリスティ ハヤカワ文庫
予告殺人 アガサ・クリスティ ハヤカワ文庫
都市景観の20世紀 エドワード・レルフ ちくま学芸文庫
ずっとお城で暮らしてる シャーリイ・ジャクスン 創元推理文庫
アール・ヌーヴォーの華麗なファッションイラスト グラフィック社
こごかウィネトカなら、きみはジュディ ハヤカワ文庫

 昨今文庫の値段が上がっておりますが、ちくま学芸文庫の高騰ぶりには開いた口が塞がらない状態。このシリーズは、ちょっと齧ってみたい一般人には、内容が手頃なのですよ。しっかし、この値段の上がりっぷりは…。
 で、アマゾンと7で同じ本を注文するという超オバカをやってしまった。以前買った本を忘れていて、また買ってしまったという話ではない。同じ日に別々のネットショッピングで同じ本を発注したのだ!しかも、届くまで気づかなかった!!そして、別の本なのだが、よく似た名前の本を間違えて発注していた!!届くまで気づかなかった!!ああ…絶対酔っぱらった状態で買い物してはいけないと心に誓った…。

2013年9月14日土曜日

スリーピング・マーダー (ハヤカワ文庫)

アガサ・クリスティ著 綾川梓訳
 (カバー裏より抜粋) 若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めてみるはずの家の中に既視感を抱く。ミス・マープルが、回想の中の殺人に挑む。

 記憶を手がかりに、一つ一つ謎を順に解いていく。マープルは、あくまで脇役に徹しているのだけれど、ポイントポイントを上手に押さえている。楽しく読ませてくれた。ポアロのシリーズもいいけど、マープルのほうが好きだな。ただちょっと御都合主義を感じなくもない。あと、その他容疑者になる人たちの印象が弱い気もした。拝啓の書き込みが薄いせいかな。必要ないといえばそれまでだけど。もう一つ、始めから犯人が誰か分かってしまうのが、この物語の困った点だと思う。

2013年9月11日水曜日

中世ヨーロッパの家族 (講談社学術文庫)

ジョセフ・ギース/フランシス・ギース著 三川基好訳
 (カバー裏より抜粋) ノーフォークの紳士階級・パストン家に残された千通を超す書簡から描き出す。十五世紀の社会と一族の生活。

 西欧が契約社会になった理由の一つが理解できた気がする。なんという無法状態。読んでいるうちに訳が分からなくなる。戦争、略奪、結婚…そして金、金、金…。私文書だけに生々しく伝わってくる。この時代は夫婦別居の期間が多いのかな。旦那への奥方の手紙が目に付く。お金の話、息子の取りなし、細々した必需品の請求。紳士階級というといまでこそ裕福といった印象だけれど、そうでもなかったんだ。もちろん使用人はもっとたいへんだったのだろうけど。

丘の屋敷 (創元推理文庫)

シャーリィ・ジャクスン著 渡辺庸子訳
(カバー裏より抜粋) 博士の調査のため、幽霊屋敷と恐れられる〈丘の屋敷〉に招かれた三人の協力者。ー中略ー次々と怪異が起きる屋敷に、協力者の一人エレーナは次第に魅了されていく。

 映画「THE HAUNTING たたり」の原作本ということで読んでみた。映画は良作で、とても面白かった記憶がある。でも原作には叶わない。とても面白かった。怪異現象自体が怖い訳ではない。エレーナがヤバすぎ。屋敷にたどり着くまでの行動…というより感情の動きがヤバい。置かれていた環境のためにかなり歪んでいる。で、対照的なセオドラが登場。仲良し期から反目、そして依存。セオドラへの依存の空想にゾッとする。セオドラ、逃げてー状態。モンターギュ夫人の登場で加速していく、エレーナの感情の動きが怖い…人の怖さだと思う。でもね、エレーナの性格、自分と似ていて哀しい。理解できるてしまうのだ、感情の動きを。最後の方の行動は、既にエレーナは屋敷になってしまっているのだ。で、結末の責任は博士にあると思う。セオドラの部屋に血でエレーナの名前が書かれた時点で、帰さないか?普通…。

2013年9月7日土曜日

時の娘 (創元SF文庫)

ジャック・フィニィ他著 中村融訳
(カバー裏より抜粋)時という越えることのできない絶対的な壁。これらに挑むことを夢見てタイム・トラヴェルというアイデアが現れて一世紀以上が過ぎた。ー中略ー心温まる恋の物語から作品の仕掛けに技巧をこらした傑作まで名手たちの9編を収録。

 時を題材に個性的で趣向を凝らした物語。ロマンチックなお話が多い。誰もが時に望むこと…子供の頃に戻ってやり直したい、あの時間に戻りたい、時を隔てた恋。それをいかに面白く読ませるか。個人的な好みでは「むかしをいまに」ブラピだったかが主演の映画によく似たテーマの作品があった。「かえりみれば」 ああー、誰でも望むこと。もっと勉強しとけば…。それを皮肉たっぷりに読ませてくれます。他の作品も良作ですので、この分野に興味のある方は手にとってもいいかも。

2013年9月6日金曜日

謎のクィン氏 (ハヤカワ文庫)

アガサ・クリスティ著 嵯峨静江訳 

(カバー裏より抜粋) 事件の陰にドラマあり。神秘の探偵ハーリ・クィン氏と、人生の観察者サタースウェィト氏の名コンビ登場。

 短編集です。それぞれの物語にクィン氏が登場、もしくは陰がちらつくといった感じ。サタースウェィト氏を通して見える人間模様が面白い。読後もいい感じだったのだけど…最終話がね…かなり後味が悪い。

WORLD WAR Z 上・下 (文春文庫)

マックス・ブルックス著 浜野アキオ訳

(カバー裏より抜粋) 中国で発生した謎の疫病ーそれが全ての発端だった。急死したのちに凶暴化して甦る患者たち。 ー中略ー 世界を覆いつくす死者の軍勢に、人類はいかに立ち向かうのか。

 映画化されて大ヒット中。映画は観ていないので (1000円になったら買う) 何ともいえないのだけど、映画化するタイプの作品ではないだろう、と思った。色々な立場にある人々が自分が体験したこと、Z(ゾンビ)に対する考えを取材されていくという形式。それぞれの証言の中から、浮かび上がる戦争、ただただ増え続けるZの恐怖。Zだけではなく、人間自体の怖さ。これが凄く面白い。たぶん浮かび上がるWARは読んだ人それぞれで違いがあるのではと思う。日本人がいかにも日本人で笑えてしまった。「レデガープラン」には納得させられてしまった…けど、私は犠牲者側に入るだろうな…。「レデガープラン」をもっと掘り下げてほしかった気も。で、この作品の映画化って…予告編とか観たけど、ただのゾンビ映画のように思えたけど。原作が面白いだけに微妙な気分。

フライング・コップ (フルモテルモ)

監督 ジム・エイブラハムズ/デヴィット・ザッカー
主演 レスリー・ニールセン 

(カバー裏より抜粋) 日本でも大ヒットした映画「裸の銃を持つ男」のベースとなった伝説のTVシリーズ!!

 本当に「裸の銃を持つ男」のTVドラマ版。セットがちゃちいのはご愛嬌。基本パターンが決まっていて、安心して笑っていられる。でも、人がギャグで意味もなく人がバタバタ死んでいく、今日本で放送したら人権団体が騒ぐであろうキャラクター多数登場、そういうのが嫌いな人は観ない方がいい。私のお気に入りは情報屋ジョニー。ただの靴磨き屋さんと思いきや、知識、情報のスペシャリスト!事件を解決しているのは実は彼。彼の登場が待ち遠しい位に好きなキャラクター。 ただ、アメリカン・ジョークが分からないのが悔しい。

今日の積ん読

WORLD WAR Z 上・下 マックス・ブルックス 文春文庫
丘の屋敷 シャーリィ・ジャクスン 創元推理文庫
 THE HAUNTING たたり 監督ロバート・ワイズ ワーナー

 WORLD WAR Z、公開中の映画の原作。映画、観に行きたいけど、「パシフィック・リム」のほうが観たいから…原作読んでおこうかと。「たたり」は何かを読んでいて急に観たくなった。一度観たことがあるんだけど。結構面白かった記憶がある。「丘の屋敷」は「たたり」の原作。
 調理師試験合格!!答え合わせしてみたら、自分が思っていた以上に点が取れてた…というか余裕じゃん、私。くだらない引っかけ問題に見事に引っかかったけど。すぐに免許申請。嬉しくて仕方ない。調理師関連の勉強は続ける。料理も面白いけど、その周辺の色々に興味がある。