手塚富雄・神品芳夫著
ドイツ文学の歴史。近代の作品、作家についても述べられている。
ドイツ文学は中世から語られている。一番ページを割かれているのは当然ゲーテ。一般にもドイツ文学と言えばゲーテだよね。他はシラーにもページを割かれている。ただ、やはり一般向けで、既にゲーテ、その周辺の作家について詳しい方には価値がないかも。近代文学も語られているのはよかった。恥ずかしながら、私はこれを読んでやっと自分がルターとルソーを混乱させていることに気がついた。
私として残念なのは、著者自身の思想が折込まれていること。思想を持つことは個人の問題だからいいんだけれど、こんなとこでどさくさにまぎれて語るなよ、といった印象を持った。あとがきにはわざとそうしているとは書かれているのだけれど、どうも引掛かってしまった。