大津栄一郎訳
(カバーより抜粋) 大作家の最良の部分が申し分なく発揮されている。
何というか、不思議な短編ばかり。不思議というのは、SFとかホラーとかFTなどの意味ではなくて、どう解釈すべきか分からなくて、そういう意味で不思議。「私的生活」から始まるのだけれど、わけが分からないまま読み進み、解説を読んで成る程と…。一番面白かったのは「荒涼のベンチ」。女って分からない…。なぜこんなクズのような男に入れ込む?…でも、現実にもなぜこんな男に貢ぐ?…っていう話はあるからな。「にぎやかな街角」は女性の集団ヒステリーのお話。「もうひとり」はいい歳して中二病みたいなお話でした。私、哲学は絶対無理だと理解した一冊。俗物ですとも。