ハーラン・エスリン著 浅倉久志/伊藤典夫訳
(カバー裏より抜粋) 現代における"パンドラの箱"寓話を描いてヒューゴー賞を受賞した表題作をはじめ、核戦争後、がれきの山と化したシティを舞台に力で生きぬくちんぴら少年と言葉を話す犬との友情を描く「少年と犬」など、全15篇を収録。
ずーとタイトルが某映画っぽいな…と思い、よく見かけるけれど手に取る気になれなかった作品。同じ著者の「死の鳥」を読んで「全然別物かも」とこちらも読んでみました。全くの別物でした。(もっとも某映画を観たわけではありませんw)
かなり好き嫌いの分かれそうな作品群です。私は作品によって好き嫌いがありました。
それを踏まえて頂いて良かった作品。「世界の中心で愛を叫んだけもの」表題作です。淡々と感情の揺さぶりもなく話が進みます。それがいい。「101号線の決闘」フリーウェイでのレース。緊張感のある描写が楽しめます。そして終わりのない決闘の絶望感。「サンタクロース対スパイダー」始めは意味が分からなかったけど、読み進めていくうちに面白くなりました。おちゃらけた感じがいい。「聞いていますか?」他人から認識されなくなったとき、あなたはどうしますか?ヒッキー系ボッチの私ですが、主人公と共感できます。「満員御礼」ラストのオチが良かった。
中々楽しめました。二度、三度と読み返すと味がでてきそうな感じでした。