2017年2月21日火曜日

くじ (ハヤカワ文庫)

シャーリイ・ジャクスン著 深町真理子訳
 (カバー裏より抜粋) 毎年恒例のくじ引きのために、ムラの皆々が広場へと集まった。子供たちは笑い、大人たちは静かにほほえむ。この行事の目的を知りながら…。

 シャーリイ・ジャクスンの作品の後味の悪さ天下一品です。←褒め言葉。表題作「くじ」は、もうねえ…。穏やかなのだけれど不気味な雰囲気が…。でラスト。偏見といわれそうだけど未開発の国の田舎ならありそうな話と思いました。「魔性の恋人」…恋人が魔性というより、主人公やばい、怖い。相手が魔性でよかったレベル。他どこかしら狂った人達で構成されている物語群。でも、これをもっと軽くした状況なら現実にありそうで怖いのですよ。読んで凄く嫌な気分になるのですが、止められないのは世間の現実とリンクする部分があるからかなと思うところもあるのです。優れた作品とは思うのですが、人には勧められないな…。