2011年2月22日火曜日

阿Q正伝・狂人日記 (岩波文庫)

魯迅著 竹内好訳
中国の下層を巣食う病理を描く。

 表題作「阿Q正伝・狂人日記」とも所謂一般人から乖離した視線で世間を描いている。それは「普通」という状態からみると異様、しかしその視線に「普通」の人々に巣食っているやっかいな根っこをみることかできる。でも、その視線を面白くも感じた。
 その他の作品も含めて、その時代の中国の下層が描かれている。厳しくむなしく哀しい現実。読んでいると胸が痛むし、未だ形は違えど、どこの国にも残っている現実では?とも思った。