2011年9月6日火曜日

世に棲む患者 (ちくま学芸文庫)

中井久夫著
様々な精神病と患者と治療者の関係を描き出す。プロでない一般人でも楽しめます。

 境界例を始め、様々な精神病について語られている。周囲の人間のあり方、関わりかたも考えさせられる所が多い。ここでは患者との関わり合いについて語られているのだけれど、つい普段の人間関係に置き換えて考えてしまう。あと酒の呑みかたも。ここに描かれているのは決して患者と治療者、その周囲だけのことではないと思う。
 統合症の患者が株などが巧いというのは驚き。この著作が書かれたころは電話がメインのようだけれど、今ならネット取引だし、患者には良い環境になっているのかな。ちょっと…いやかなり羨ましい。