2015年6月23日火曜日

痕跡本の世界 (ちくま文庫)

古沢和宏著
 (カバー裏より抜粋) 古本の中には、元の持ち主によるメモ、付箋などが残っていたり、手紙や写真が挟まっているものがある。

 本屋でタイトルを見て手に取り、ちょっと読んでみて「あるあるある」と共感するところがあり買ってみました。私はたまに古本を購入しますが、そんなとき書き込みや意味不明なメモに出会うことがあります。古本を買われる方なら一度は経験されているのでは?私が一番印象に残っている痕跡は講談社学術文庫「西洋哲学史」に勉強したのであろう多数のラインとともになぜか「チ○○」の書き込み…。きっと前の持ち主は疲れていたのでしょう。そんな様々な痕跡から、著者が妄想を爆発させている本です。コンセプトはとても面白いです。でも、前半妄想が独りよがりというか今ひとつ面白みがない…。だけど第3章に入り俄然面白くなりました。本のカスタマイズとか全然考えも付かなかったし、正直やりたいとは思えないのですが、それを見る分にはとても面白い。その他様々なかたちが紹介されていました。考現学などが好きな方にお勧めします。