鹿島茂著
(カバー裏より抜粋) フロベール、バルザックなどの作品を題材に当時の女性たちの夢と現実を鮮やかに活写。
女の子の憧れの世界ですよ!!舞踏会!!王子様!!その華やかな世界の舞台裏は?…寄宿舎で生涯を過ごす貴族女性は多かったのでは?どうなのでしょうね。既婚の貴族女性が多産とは思えませんし、死産・夭折も多かったでしょう。生き残って舞踏会に立った勝ち組女性の人生を時代背景とともに軽い感じで紹介されています。
主人公は二人。勝ち組街道まっしぐら、母親は社交界の女王であるルイーズ。その親友のルネは政略結婚で年寄りの旦那と地味ながら堅実な生活。その理由や貴族女性の現実。どうしても華やかなルイーズの生活が中心となります。華やかなルイーズの生活を手紙で読むルネ。私なら無理。
読み易くて軽く楽しめる内容です。フロベール、バルザックは読んだ事はありませんが(ちょっと苦手分野)、読んだ気にさせてくれます。
そしてこの本の何よりの魅力は挿絵です。文庫ではなくて書籍で買ったほうが良い著作かだと思います。どうしても舞踏会、お姫様ドレスというとディズニーのシンデレラ、白雪目のイメージが強いのですが、実際は意外と靴がしっかりみえているタイプもあります。そして、ヘアスタイルの多様な事。ドレスより頭のほうがスゴい。挿絵だけでも十分楽しめると思います。お姫様好きな方はぜひ。