M・スコット・ペック 森英明訳
臨床精神科医が、己の体験を綴りつつ、そこから導き出される人間の持つ邪悪について述べている。
臨床体験自体は面白いのだけれど…そこから導き出されるウダウダがねー。何というか、いかにもキリスト教徒らしくって、いえ、著者は最初からキリスト教徒として書いているということを示してみえるからそれでいいのだけれど、日本人から見るとあまりにも二元論すぎるな。人間は悪と善かどちらかを選択しなくてはならないみたいな、こちらからみると一種の強迫観念を感じてしまう。中間はストレスが溜まってダメだそうです。ここら辺の感覚が全く違うんだなと。中間程楽なものはないと思っている私って…。臨床体験自体も、一般からみても今更と思える部分も多いかも。自己愛主体、ナルシズムについてですね。こういう心理学の本って、仕事として携わっている方達以外でお気楽に楽しめる人はいいけど、真面目に捉える人には向いてないかも。タイトル自体にも疑問。「うそ」とは違うと思う。あと、邪悪って表現はどうかと。原文がわからないので何ともいえないけど。