2013年10月19日土曜日

カーテン (ハヤカワ文庫)

アガサ・クリスティ著 田口俊樹訳
ヘイスティングズは親友ポアロの招待で懐かしきスタイルズ荘を訪れた。ー中略ー 全盛期に執筆され長らく封印されてきた衝撃の問題作。

 ポアロ最後の事件。ヘイスティングズ…彼は最後までヘイスティングズであった。そして一番辛い役回りでもあった。内容は一種のマインドコントロールのようなことをテーマにしている。これはね、殺人を上手にそそのかすとまではいかなくても、ちょっとした悪意を他人に注ぎ込む、近所付き合い、職場でもよくあることです。だから怖い。私はすぐに他人からのうわさ話にフラフラしてしまうので、常に自分で確認すること、一方からの見方に固執しないことを旨としているのだけれど、そう簡単にはいかないということ。みんな振り回される。…犯人は何となく分かった。どういう展開になるかと思いきや…。
  別の作家によってポアロのシリーズが書かれるというニュースがあった。海外ではよくあることなんだろうけど、ちょっと複雑。たぶん、「カーテン」までに起こっ事件を描くのだろうけど。でも著者が綺麗に終わらせてるのにな…。