ゴーゴリ著 横田瑞穂訳
(カバーより抜粋) 長官の娘に恋してしまった小心な小役人の「おれ」。日記につぎつぎと吐き出される主人公の滑稽かつ悲痛きわまりない饒舌の中に人間の悲劇がうかびあがる。
「肖像画」を目当てで買ったんだけど、「狂人日記」がなかなか面白くて良かった。人は急に狂いだすのではなく、少しずつ何かがずれていくものではないかと思っているのだけれど、この主人公40代小役人、いかにも自尊心高そう (日記の中では誰でもそういう傾向あるだろうけど) で、でも現実はそれに見合ったものではない。そして決して手の届かない令嬢。最後のおっ母さんへの言葉…と思ったら…落ちが効いている。