2025年5月2日金曜日

賄賂と民主政 古代ギリシアの美徳と犯罪(講談社学術文庫)

 橋場弦著
(カバー裏より抜粋) 古代ギリシアは、贈与交換を「美徳」とする社会だった。では、贈与と賄賂はどう違うのか。賄賂はなぜ厳しく断罪されるようになったのか。
 
 贈与と賄賂…。古代においての贈与と賄賂の微妙なライン的な話ですが…。怖いわー、古代ギリシア…。戦争和議を提案したら石打ちとか、戦争で勝ったら賄賂で敵に引かせた、負けたら敵から賄賂をもらった、いったいどうしろと? 戦争で敵を買収して寝返らせてもアウト!なのか??
 その裏では、個人の贈与は行われている。なんだかその時の空気を読めなかったものが生贄にされていたのでは?と思えなくもない。どうしてもこういう著作は起こった事例を並べるので「古代ギリシアってヒステリーっぽい」と思えてしまう。
 
 いや、面白いですよ、これ。贈与と賄賂の関係は考えるところありですし。でも一度槍玉に上がったら…やはり怖い世界です。

中世ヨーロッパの色彩世界(講談社学術文庫)

 徳井淑子著
(カバー裏より抜粋) なぜカジノ台は緑色で、スーツにはダークカラーが多く、囚人服は縞模様なのかー全ての答えは西欧の中世世界にある。
 
 西欧中世の色についての著作です。日本も色々と影響を受けていますねー。囚人服…実際は縞々では無いでしょうが、コント劇などでは縞々で、そしてそれを見て私たちは「囚人」と納得する。
 また日本古来…とまではいかなくても、江戸時代には弔いの色は黒となっていたと思っていましたが、明治からだと、西欧の影響だとは知らなかった!!
 
 そして色の概念。黄色って蔑みの色だったのですよ。灰色は今もそうイメージは変わらず絶望とかそういう系。庶民から王侯貴族の普段着の青、権威の赤←枢機卿とか赤というか緋色のイメージですよね。
 
 そして目に映る色の不思議。日本でもありますよね、信号機。緑なのに青という。中世西欧では海を白いと表現していたとか。
 
 現代にも、日本にも通じる色についての内容で、親しみやすいですね。 しかも文章が読みやすい!!個人的にはお勧め。
 
 でも文庫、高くなったわー。これも購入時1200円。厚みはないのですけどねー。 

2025年3月19日水曜日

魚で始まる世界史(平凡社ライブラリー)

 越智敏之著
(カバー裏より抜粋)都市の興隆を、自由と独立の精神を、ヨーロッパ近代をもたらしたー。魚でたどる目からウロコの世界史。

 ヨーロッパ…フランスとイギリスとオランダがメインで登場する国。となるとキリスト教と魚の関係が軸となります。断食でも魚はOKというところから話は始まります。そしてキリスト教の教派内の争いまで。
 
 そして漁の話へ。登場する魚はニシンとタラがメイン。そして国家間の争いから経済の変化、漁師の扱いなど魚をメインにして多岐のお話となります。一般の人が知っている話から知られていない話まで、なかなか興味深くて面白く読めました。
 私的にはお勧めの一冊。素人でも楽しめますよー。

2025年1月31日金曜日

サラゴサ手稿上・中・下(創元ライブラリ)

ヤン・ボトツキ著 工藤幸雄訳
 
(カバー裏より抜粋)サラゴサ包囲戦中、無人の館でエスパーニャ語の手稿を発見したフランス軍士官がその後捕虜となる。彼の持つ手稿が自分の先祖の物語だと知った敵の隊長は喜び、その物語を彼にフランス語に訳し聞かせた。
 
 なぜこの本を買ったかというと「パケ買い」でしたw そしてちょっと内容読んで「面白いかも」と。大概外れるのですが、これは当たりでした。

 カバー裏にあらすじありますが、どうでもいいかなですね。これの面白さは千夜一夜物語と同じです。物語が入れ子になっているところ。ただし千夜一夜では話し手と聞き手は同じ人物ですが、こちらは話し手は変わる、聞き手は主人公以外は変わります。
 話の内容は今時の人にはつまらないかも。私は面白かったけど。話し手によってはつまらないけど。面白い話し手が続くのではなく、途中で別の話し手の別の話になってしまって、また戻ってくるみたいな形です。基本は恋の話。こんなクズ男捨てろよとマジ思うパターンが多いですが、時代背景を考えると仕方ない。
 
 お勧めできる本ではないです。マジで。趣向で読み手選びますねー。本屋さんで内容確認してから買うべき作品です。