カレル・チャペック著 栗栖継訳
SF小説の古典。山椒魚が進化し、世界侵略を開始した。
内容は同じ著者の「ロボット(R.U.R)」と同じ。ロボットが山椒魚に変わっただけ…なのだが、とにかく比喩やら皮肉やらの詰め合わせ。知識無しが読んでも面白いのだから、歴史を知っている人が読めばもっと楽しめるのだろう。企業や国の倫理、大衆の問題点は現代にも十分当てはまる。さて、現実は山椒魚を進化させ人類を片隅追いやるか?現実の山椒魚は何だろう?この小説、最後は著者が自分自身と対話して結末を導きだすのだけど、この結末がこの小説の結末でいいのかな。
訳者の思い入れの強さに敬服。解説やあとがきに作品に対する愛が溢れ出している。訳注もいい!蘊蓄として楽しめる。訳注を必要ないという人がいるのか。必要だろ。私みたいな知識無しも読むんだぞ。
これは右翼にも左翼にも嫌われた素晴らしい作品なので、ぜひ読んでほしい。結論としては、ソ連はケツの穴が小さかった (笑)。そして岩波文庫は製本汚い。なんで私はボンド山盛りに当たるんだろ?
2010年4月9日金曜日
2010年4月8日木曜日
隣の病 (ちくま学芸文庫)
中井久夫著
広栄社から刊行された「精神科医がものを書くとき」に収録されたエッセイ群の文庫化。
ちくま学芸文庫「精神科医がものを書くとき」の続編。解説の人が前著は硬で今回の文庫が軟と述べてみえるが、私は逆の印象。前半はお手上げだった。面白いのは分かるんだ。もっと知識があればな…。ロールシャッハ、箱庭、コラージュ等を用いた治療の話は興味深い。
後半は少し軟になる。「阪神大震災後四ヶ月」が心に残った。どうしても大掛かりな救出や火災などが優先で報道されて、精神科医の先生の地道な活動は余りニュースに載らないから、よく知らなかった。考える事の多いエッセイだ。
最後のギリシャ現代詩、1%になれなかった。飛ばし読みになってしまった。
広栄社から刊行された「精神科医がものを書くとき」に収録されたエッセイ群の文庫化。
ちくま学芸文庫「精神科医がものを書くとき」の続編。解説の人が前著は硬で今回の文庫が軟と述べてみえるが、私は逆の印象。前半はお手上げだった。面白いのは分かるんだ。もっと知識があればな…。ロールシャッハ、箱庭、コラージュ等を用いた治療の話は興味深い。
後半は少し軟になる。「阪神大震災後四ヶ月」が心に残った。どうしても大掛かりな救出や火災などが優先で報道されて、精神科医の先生の地道な活動は余りニュースに載らないから、よく知らなかった。考える事の多いエッセイだ。
最後のギリシャ現代詩、1%になれなかった。飛ばし読みになってしまった。
2010年4月7日水曜日
ユートピアだより (岩波文庫)
ウィリアム・モリス著 松村達雄訳
社会主義者の理想のユートピア。夢想無双。
何というニート天国!これでネットがあれば最強!報酬は創造の喜びとかいうけど、そんなこと興味ない人間は、ひたすら遊んでいると思う。私なら働かない。
これを読み始めて "よく似たの読んだ事ある" と思った。サドの「食事国旅行記」。あれと同じような話が一冊分と思って目眩がした。どちらもユートピアなんだけど、芸術に関する点が大きく違う。サドは芸術否定、こちらは芸術万歳。私はサドの方に好感持った。そういえば、こちらは同性愛については一言もなかったような。
というか、完全に夢想の世界。気持ち悪いくらいの性善説。ここの世界の人たちも結局自分たちの考えに合わない存在はおかしい、という考えを持ってるように思えた。いつの時代も人間は変わらない。十九世紀から現代に至って下層言われる仕事をしている人々がやたら派手に黄金等を身に付けているような表現も多く、下層の人々を揶揄しているように読める。表紙の解説で「この物語に不思議な明るさを与える。」とあるけど、病んでる明るさでは…。
いつも思うのだが、芸術家という人たちがやたら社会主義好むのはなぜ?別に資本主義、民主主義が素晴らしいとも思ってないけど、この傾向は不思議。
社会主義者の理想のユートピア。夢想無双。
何というニート天国!これでネットがあれば最強!報酬は創造の喜びとかいうけど、そんなこと興味ない人間は、ひたすら遊んでいると思う。私なら働かない。
これを読み始めて "よく似たの読んだ事ある" と思った。サドの「食事国旅行記」。あれと同じような話が一冊分と思って目眩がした。どちらもユートピアなんだけど、芸術に関する点が大きく違う。サドは芸術否定、こちらは芸術万歳。私はサドの方に好感持った。そういえば、こちらは同性愛については一言もなかったような。
というか、完全に夢想の世界。気持ち悪いくらいの性善説。ここの世界の人たちも結局自分たちの考えに合わない存在はおかしい、という考えを持ってるように思えた。いつの時代も人間は変わらない。十九世紀から現代に至って下層言われる仕事をしている人々がやたら派手に黄金等を身に付けているような表現も多く、下層の人々を揶揄しているように読める。表紙の解説で「この物語に不思議な明るさを与える。」とあるけど、病んでる明るさでは…。
いつも思うのだが、芸術家という人たちがやたら社会主義好むのはなぜ?別に資本主義、民主主義が素晴らしいとも思ってないけど、この傾向は不思議。
2010年4月5日月曜日
怪談・奇談 (講談社学術文庫)
小泉八雲著 平川祐弘編
小泉八雲の怪談話。他エッセイのようなお話。各怪談の解説、原拠付き。
講談社学術文庫版怪談。怪談は岩波文庫版とちくま文庫版に掲載されているものと変わりない。各物語ごとの解説は、へーへーみたいな感じで良かった。後半のエッセイは初めて読んだ。「薄明かりの認識」「ゴシックの恐怖」、微妙に怖いものが面白い。南国の暑いところならではの恐怖がよい。
小泉八雲の怪談話。他エッセイのようなお話。各怪談の解説、原拠付き。
講談社学術文庫版怪談。怪談は岩波文庫版とちくま文庫版に掲載されているものと変わりない。各物語ごとの解説は、へーへーみたいな感じで良かった。後半のエッセイは初めて読んだ。「薄明かりの認識」「ゴシックの恐怖」、微妙に怖いものが面白い。南国の暑いところならではの恐怖がよい。
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