カレル・チャペック著 栗栖継訳
SF小説の古典。山椒魚が進化し、世界侵略を開始した。
内容は同じ著者の「ロボット(R.U.R)」と同じ。ロボットが山椒魚に変わっただけ…なのだが、とにかく比喩やら皮肉やらの詰め合わせ。知識無しが読んでも面白いのだから、歴史を知っている人が読めばもっと楽しめるのだろう。企業や国の倫理、大衆の問題点は現代にも十分当てはまる。さて、現実は山椒魚を進化させ人類を片隅追いやるか?現実の山椒魚は何だろう?この小説、最後は著者が自分自身と対話して結末を導きだすのだけど、この結末がこの小説の結末でいいのかな。
訳者の思い入れの強さに敬服。解説やあとがきに作品に対する愛が溢れ出している。訳注もいい!蘊蓄として楽しめる。訳注を必要ないという人がいるのか。必要だろ。私みたいな知識無しも読むんだぞ。
これは右翼にも左翼にも嫌われた素晴らしい作品なので、ぜひ読んでほしい。結論としては、ソ連はケツの穴が小さかった (笑)。そして岩波文庫は製本汚い。なんで私はボンド山盛りに当たるんだろ?