中井久夫著
広栄社から刊行された「精神科医がものを書くとき」に収録されたエッセイ群の文庫化。
ちくま学芸文庫「精神科医がものを書くとき」の続編。解説の人が前著は硬で今回の文庫が軟と述べてみえるが、私は逆の印象。前半はお手上げだった。面白いのは分かるんだ。もっと知識があればな…。ロールシャッハ、箱庭、コラージュ等を用いた治療の話は興味深い。
後半は少し軟になる。「阪神大震災後四ヶ月」が心に残った。どうしても大掛かりな救出や火災などが優先で報道されて、精神科医の先生の地道な活動は余りニュースに載らないから、よく知らなかった。考える事の多いエッセイだ。
最後のギリシャ現代詩、1%になれなかった。飛ばし読みになってしまった。