2016年4月21日木曜日

ゴースト・ハント (創元推理文庫)

H・R・ウェイクフィールド著 鈴木克昌訳
(カバー裏より抜粋) 幽霊屋敷訪問の様子を実況するラジオ番組のリポーターが訪れたのは、30人にも及ぶ自殺者を出したという異様な来歴を秘めた邸宅だった。

 表題作「ゴースト・ハント」は知られている作品かな。他の短編集で読んだ記憶有り。ラジオで曰く付きの屋敷を探検するというお話で、ストーリーはアナウンサーの実況のみで進むという形。軽い語り口で進むのだけれど、中々生々しい。これは朗読で聞いてみたい逸品です。収録作はどの作品も好みのタイプでした。特に気に入ったのは「湿ったシーツ」財産を手に入れるための完全犯罪(といっても直接手は下していない、現代で例えると旦那を成人病になる食事をさせて生命保険がっぽりみたいな) でもちゃんと復讐されますが。 「目隠し遊び」真っ暗な屋敷…暗黒に閉じ込められてしまう恐怖…。これぞ『怪奇小説』!!他の作品も読みたい!!残念なのは、著者の作品はこの短編集以外は絶版になっていることです。

2016年4月4日月曜日

いま見てはいけない (創元推理文庫)

ダフネ・デュ・モーリア著 務台夏子訳
  (カバー裏より抜粋) 日常を歪める不条理あり、意外な結末あり、天性の語り手である著者の才能が遺憾なく発揮された作品五編を収める粒よりの短編集。

 著者の作品で「鳥」が好きだったので、他も面白いかもと思い購入してみた。「十字架の道」が気に入った。登場人物がそれぞれに困難に押しつぶされ、嫌な経験をし、でもそこからまた立ち上がる。ロビン少年(ナビゲーターのような役割?) を除いて。ちなみにロビン少年は実在したら凄く嫌な感じの子供ですww あとエルサレムというと3つの宗教の聖地なので、神聖とはいかなくてもそれなりの雰囲気のところだと思っていたけれど、どうも違うようだ。ま、日本の仏閣、神社も観光地だからそういうものか。「真夜中になる前に」真面目な(嫌な意味で) 教師の転落劇。自分の好奇心で身を滅ぼしていく。主人公が好人物では全然ないので、転落劇がより楽しめるww 「いま見てはいけない」は私は主人公側に近いかな。霊感のある姉妹に妻が傾倒、夫は用心するが妻の精神状態を考えると強く止めることはできない。そして姉妹の警告…。夫さん、気の毒だけど…。

2016年4月1日金曜日

さよなら、ロビンソン・クルーソー (創元SF文庫)

ジョン・ヴァーリィ著 浅倉久志・大野万紀訳
  (カバー裏より抜粋) 少年少女が過ごす冥王星での"夏休み"の終わりを描く表題作をはじめ6編を収録。

 〈八世界〉シリーズ短編の2冊目。飲み込みの悪い私も、ようやく〈八世界〉が観えてきました。一番のお気に入りは「イークイノックスはいずこに」。現在と過去が入り組んでいるので、一読目は意味がよくわからず、再度読んでみて理解、そこから面白くなりました。究極の共依存!!のお話。「ブラックホールとロリポップ」も面白い。本当にブラックホールは意志を持ち彼女と接触したのか、それとも神経障害か??他の作品もお勧め。最近一番のお気に入りの作家です。手に入る作品は少ないのが残念。

2016年3月27日日曜日

さあ、気ちがいになりなさい (早川書房)

フレドリック・ブラウン著 星新一訳

収録作品…みどりの星へ ぶっそうなやつら おそるべき坊や 電獣ヴァヴェリ ノック ユーディの原理 シリウス・ゼロ 町を求む 帽子の手品 不死鳥への手紙 沈黙と叫び さあ、気ちがいになりなさい

 この作品集の目玉は「星新一訳」でしょう。他の短編集に収録されている作品もあるので、比べてみるのも楽しいかも。フレドリック・ブラウンの作品は元々読み易いし、そして星新一なのでお勧めです。
 私のお気に入りは「みどりの星へ」みどりの星地球へ帰るという望みが彼の望み。「ぶっそうなやつら」。目の前にいる男が脱走犯かもしれない…。いつでも攻撃態勢に入れるよう態勢を整えて…お互いに。こんな二人の間にまんまと脱走犯が…。「沈黙と叫び」音とは何か?男は本当に聞こえないのか?なぜ毎日同じ場所へくるのか?「さあ、気ちがいになりなさい」表題作。自分を偏執狂だと思っていたら実は…。そして本物へ。狂気とと正気とは…。
 軽く読み易いのですが、中々奥の深い作品ばかりです。