2016年5月9日月曜日

ジャック・リッチーのあの手この手 (ハヤカワ文庫)

ジャック・リッチー著 小鷹信光訳
(カバー裏より抜粋)巧みな展開と伏線、おとぼけなユーモアセンス、してやられたと感嘆する結末が待ち受ける!ーあらゆる手段を用いた絶品23篇収録のオリジナル短篇集。

 ジャック・リッチーの短篇を内容ごとに分類して楽しめるようになっています。どの作品も軽快で楽しい作品です。推理小説が苦手という方でも大丈夫。推理小説というよりユーモア小説(ってジャンルあるのか?) といって良い(良い意味で) 作品ばかりです。個人的なお気に入りは「保安官が歩いた日」。閉ざされた地域の保安官の妻が失踪!その地域を訪れた主人公に周囲は「保安官が妻を…」と噂話。その主人公の正体は…。「子供のお手柄」も好きですね。日本人では謎解きはまず難しい、アメリカ人でもなかなか難しいのでは。とにかくどんでん返しというかオチが楽しい作品ばかりです。ぜひご一読を。

2016年5月4日水曜日

なんでもない一日 (創元推理文庫)

シャーリイ・ジャクスン著 市田泉訳
(カバー裏より抜粋) 家に出没するネズミを退治するため、罠を買うように妻に命じた夫が目にする光景とは…ぞっとする終幕が待ち受けるネズミ。

 この著者の作品に、気持ちの良いラストを求めてはいけません。気持ちが凍るまたは憮然とするラスト…を覚悟して読んで下さい。推理というより心理ホラーと言っていいと思います。トップの「スミス夫人の蜜月」Ver1と2がありますが、私はVer1押し。予感して待つ主人公より、無邪気なまま終わりに突き進むほうに怖さを感じます。「なんでもない一日にピーナッツをもって」はとても親切な主人公の気持ちのいい一日と思いきや…。「メルヴィル夫人の買い物」などはこんな客実際いるし…みたいな怖さが…。どの作品もいろいろな意味で楽しませてくれます。登場人物達のヤバさといったら、もうね…。ハッピーエンドを求める方は読んではいけません。あと鬱気味の方も絶対ダメ!!心理ホラー好きの心身とも健康な方にお勧めします。

2016年5月3日火曜日

火星タイムスリップ (ハヤカワ文庫)

フィリップ・K・ディック著 小野芙佐訳
(カバー裏より抜粋) 水不足に苦しむ火星植民地で暮らすジャックは、イー・カンパニーの修理工として毎日ヘリコプターで各地を飛び回っていた。

 途中、頭を混乱させてくれるました。あれ?同じページ読んでる??って。私も幻覚に入り込まされてしまいましたww 主人公はジャックですが、傲慢アーニー、自閉症少年マンフレッド(自閉症はフィリップ定義の自閉症です)、その他脇役の行動も濃く、主人公影薄い。で、みんな精神がアレな人ばかり。ディックの作品だから仕方ありませんが。健康なのはジャックの妻シルヴィアぐらいか。山師で火星の土地に投機するジャック父レオもテレパシーとか言ってるし。キーワードはマンフレッド。彼は自分の未来を見て恐怖し、未来予知に周囲が振り回され、その幻覚に侵されていく。ラストは中々でした。主人公がまともになってしまったのが意外でした。あと解説の人、なんか解説になっていないような…ww

2016年5月1日日曜日

秘書綺譚 (光文社古典新訳文庫)

ブラックウッド著 南條竹則訳
(カバー裏より抜粋) 芥川龍之介、江戸川乱歩が絶賛したイギリスを代表する怪奇小説作家の傑作短編集。

 この作品はアマゾンのおすすめ商品で気になって購入した一冊です。レビューのひとつに古くさいみたいなことが書かれていたので、私向けか?とピンときて。結果正解!!古くさいというより古典です。ジム・ショートハウスのシリーズをメインにその他作品が掲載されています。ジム・ショートハウス、なかなか面白いし私の好きなキャラクター!ちょっと自信家で注意深く事件を切り抜ける…と思っていたら、最後が…でした。でも人間の脆さが感じられてよかったかも。こういうキャラクターのシリーズで、惨めなラストは珍しい気がします。あと、すっきりしないラストの作品が多いような。「炎の舌」のようなグリム童話にあってもおかしくないようなお話もあり。(これは他人の悪口ばかり言っている二人の舌が…というお話) この短編集を読んで恐怖を感じるか?と言われたら否ですが、万国共通の人の業のようなものを感じるのです。訳者の方が上手いのか読み易いのもよかったです。