2010年8月31日火曜日

西洋事物起原 全4巻 (岩波文庫)

ヨハン・ベックマン著 特許庁内技術史研究会訳
ヨーロッパを中心とした技術史。18世紀の著者から見た、科学、生活を支える技術の歴史を紐解く。

 とても興味深い内容なんだけれど…眠くなる。困った。興味のある項目はしっかり読んで、後は軽く読み跳ばすのがいいかも。取り上げられている内容は幅広い。技術史というと科学中心のようだけど、保険・為替・野菜・夜警他色々。どんなものにも歴史あり。私は毒・手品師・富くじあたりが面白かった。ちょっと著者の生国ドイツ贔屓を感じるところも。仕方ないかな。あくまでヨーロッパ、特にドイツの話が重点なので注意。アジアは中国が起原として出てくる程度。

2010年8月30日月曜日

トルストイ民話集 イワンのばか (岩波文庫)

トルストイ著 中村白葉訳
トルストイの短篇。民話をモチーフに改作している。

 うーん、説教臭い、宗教臭い。私はこの作品ダメです。「洗礼の子」は何が言いたいのか理解できない。洗礼父、性格悪くないか?って30年間も子供を親の元に帰さず…誘拐ですか?民話なんて矛盾とお約束の集まりなんだけど、トルストイが改作しているので突っ込みたくなる。「イワンのばか」で手にマメを作って働く事を奨励しているのに、「洗礼の子」は何やっているのだか…。「人はどれほどの土地がいるか」は良かった。

2010年8月29日日曜日

可愛い女・犬を連れた奥さん (岩波文庫)

チェーホフ著 神西清訳
チェーホフの晩年の作品三篇。

 人間の愚かさ、でもそれが愛しい。「犬を連れた奥さん」よくある不倫なんだけど、もどかしい。このままズルズルとどうなるわけでなく続いていく二人が予想できる。周囲の人間を馬鹿にしているのだけれど、本人たちも哀れな…。「イオーヌッチ」主人公と猫ちゃんのすれ違い、寂しい物語なんだけれど、何だろう?この滑稽さは。「可愛い人」いるよね、このいう人、男女かぎらず。っていうか、怖い。
 ちょっと思ったこと。最後に訳者の人の解説…つまり神西清氏の功績等を別の人が述べているんだけど、必要?その世界では重要な人だったかもしれないけど、作品解説の何倍のページを取ってあるのって。文庫って一般人の読書の取っ掛かりとなる場合が多いのだから、作品解説に力を入れるべきでは?と思った。

2010年8月28日土曜日

死刑囚最後の日 (岩波文庫)

ユーゴー著 豊島与志雄訳
死刑囚の死ぬ瞬間までの苦悶を描く。

 で、この人何したの?たぶん著者は死刑囚の苦悶を描きたいのであって、犯罪はどうでもいいのかもしれないけど、その犯罪によって印象変わる。死刑が恐い、残されたものの事を思うなら殺人なんてしなければ良かった、もっとうまくやればよかったのに。人為的に命を奪う死刑制度というけど、この死刑囚も人為的に人の命を奪ったんだよね。殺された人を天命というなら、死刑も天命では?これを読んで思ったのが、秋葉原の大量殺人の犯人の加藤って人の弁論(でいいのかな) 。自分が可哀相で仕方ないといったふうな印象を持ったのだけど、それとこの作品は重なった。
 別に死刑賛成というわけでもない、教育等の必要もあるだろうし、見世物なんてとんでもない。でも、運命を変えられる被害者とその家族は置いといて、大切なのは常に犯罪者ですね、と。ようは片一方のみを描く、こういう作品には腹が立つということです。