2010年8月29日日曜日

可愛い女・犬を連れた奥さん (岩波文庫)

チェーホフ著 神西清訳
チェーホフの晩年の作品三篇。

 人間の愚かさ、でもそれが愛しい。「犬を連れた奥さん」よくある不倫なんだけど、もどかしい。このままズルズルとどうなるわけでなく続いていく二人が予想できる。周囲の人間を馬鹿にしているのだけれど、本人たちも哀れな…。「イオーヌッチ」主人公と猫ちゃんのすれ違い、寂しい物語なんだけれど、何だろう?この滑稽さは。「可愛い人」いるよね、このいう人、男女かぎらず。っていうか、怖い。
 ちょっと思ったこと。最後に訳者の人の解説…つまり神西清氏の功績等を別の人が述べているんだけど、必要?その世界では重要な人だったかもしれないけど、作品解説の何倍のページを取ってあるのって。文庫って一般人の読書の取っ掛かりとなる場合が多いのだから、作品解説に力を入れるべきでは?と思った。