伊藤整著
(カバー解説より)表題作は、多くの日本の文学者に題材をとりながら、日本人の生き方を、調和型・上昇型・下降型・逃避型・立身出世型に分類し、それらを巧みな例で実証する。
細かいことにウダウダこだわってると思いながら読んでいたけど、p15辺りからの藤村の新生に対する花袋と芥川の違いは面白い。私は芥川派だけど、実際は花袋の反応をしそう。しっかし、文学者って学歴高いな。皆金持ちというわけではないだろうし。その人達によって現代の小説の基礎が作られたんだ。p135辺りの文学の商品価値の話も面白い。なんだかな。現実なんだけれど。最期の「近代日本における「愛」の虚偽」も面白い。キリスト教との関わり、西洋と東洋の思考の違い等々、現代は良いとは思えない部分がどうも肥大しているようで。